ピーターウタカは守備をしない論について




中国新聞でウタカ退団濃厚の報が出たとのことで。朝刊分前日深夜にネットにあがるはずなんですけど意図的なのかたまに朝刊の後にずらしますよね…ずるいぞ…w

リーグとACLを両どりするために佐藤寿人サラリーキャップを設定している広島にしては多大なるコストを払って来てもらった選手であり、独力で広島を牽引し続けてその要求に応えてくれたと思うのですが、それゆえにサラリーがちょっと来季は国内戦を戦うだけになった広島のキャパを越えてしまったのかもしれません。

もう1年あればウタカを中心にした連携の淀みはなくなっただろうと思うと惜しいのですが、ACLもないし、世代交代中の身であるので理解できます…まあ、だぞーんまねー取りに行かんのかい!というのはあるかもしれませんが、一人のビッグネームよりも全員の魔改造という中長期的な方針を変えてまでやることではないでしょう。


しかしこれだけは言いたい。”ピーターウタカは守備をしない”は大ウソやぞ。



①むしろシーズン序盤は誰よりも守備をしていた

シャドウに居た時もワントップに居た時もそうでしたが、3月4月5月のあたりは広島のワントップに要求されるボランチが動かされて開けられる中央エリアの守備をかなり激しくやっていましたし、それでピンチを免れるシーンが毎試合でていました。守備の能力がないということはないでしょう。


②下がってはいけないという方針になっていた

ただ戻るシーン自体はウタカのワントップ定着とともに減っています。というのもチーム全体で前から奪おうということになっていましたし、ウタカがボールを持つこと以外に攻撃の方法がほぼ作れなかったので、前に居てもらわないといけないということもあったでしょう。


③そのためにコースを塞いでいたけどケーススタディが少なすぎた

それでもCBやボランチのパスコースを塞ぐことはやってたし、映像を拝見する限りはその判断は的確だったと思うのですが、彼のその場のアイデアなのかな、というくらい周りはついてこなかったですし、特に自分の真横にボールを運ばれたときの動きは決まっていなかった…寿人や浅野、皆川であれば無理やり追いかけてシャドウの守備範囲に持っていくということになっていたのですが、よくわからなかったし、たいていのチームにはここから崩されてしまいました。

”守備の貢献度の低さ”はおそらくここのことを言っているのでしょうか。5-3-2がうまくいかなかった要因でもあるでしょうし。なお、守備戦術にも理解力の高い宮吉やとにかく何でもいいから突っ込んで奪いに行くロペスと組むとうまく行く時間が増えています。相方を選ばない柴崎晃誠先生の偉大さが偲ばれますね…w


④お疲れモードでも引っ張らなければいけなかった

さらにはシーズン後半から終盤にはコースを塞ぐ作業も奪いに行く作業も緩慢に過ぎたシーンが相次ぎました。せっかく周囲がウタカのノリを掴み始めた矢先のことであったので、ウタカの不甲斐なさが際立つことになります。浦和戦、とれてればタイトルあったかもしんないですね…w ただそれ以上にゴールがウタカからしか生まれなかった。だから代えられなかった、ということが問題だったと思います。つまりはスタメン争いの失敗なのでは・・・


とりあえず言いたいのは「守備をする」とは自陣まで全速力で下がってボールを奪うということではないということです。それは守備の一部ですが、あくまで一部分にしなければいけません。普通に疲れて肝心の敵陣での仕事が出来ず結局負けるからです。

問題は走らなければ守備をしたことにならない、という状態になっていることです。チーム戦術としての守備が全くできていないということです。

野球的に言えば得点差、ランナー、ストライクカウント、バッターの特長といったケースに応じたシフトなど何も準備していないよ状態(全然知らないんですが多分ありますよね…w)であり、ダイビングキャッチにあらざれば守備にあらずという状態です。

原因はオフの短さ、選手のコンディションと戦術のブラッシュアップ不足もあるでしょうが、それ以上に他チームの広島攻略の洗練を感じさせる1年でした。降格したチームであっても広島のことは完ぺきに崩してきています。得点力の差でなんとか退けましたが、守備に関しては完全に終わったコンテンツといってもいいかもしれません。

来季は佐藤寿人、浅野拓磨、ピーターウタカ、ここ数年で広島の無茶な要求に応えてきたスペシャルな選手を全員放出することになります。って書いてたらコトの重大さに震えてきたんだが???!!!?????!?!?!?

まあとりあえず言えることは皆川と宮吉がその要求を負うとことになるのでしょう。補強はあるでしょうが、彼らがメインキャストだと判断したということだと思います。個人的には大歓迎なのですが、結局皆川が絞りカスになるまで走らされるだけ、ということになればリーベル戦、川崎戦を繰り返し続けるということになるでしょう…ボールの運び方もボールの囲み方もまた1から作り直しということになりますね。怖さが今のところ勝っていますが楽しみましょう…w


最後になりますが、飛びぬけた巧さで沸き立たせ、コミカルなキャラクターで癒してくれた、ピーターウタカに最大の敬意と感謝を表し、次なるキャリアの成功を心から願っています。本当にありがとうございました。もしフライングのデマであったなら笑い飛ばして肩を抱き合いたい。そんなナイスガイです。


では。