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【こばなし】東京V戦のパクさんはキャリアハイでは、という話(当アカウント比)




先日の岡山観戦は最高でした。ありがとうございました。その試合をDAZNでもう一度拝見しまして、改めてパクさんにとって素晴らしい試合だったのではないかという思いが強くなり、矢も楯も止まらず危ないので、パクさん粗熱をとっておこうというエントリです。パクさんだけでなくチームにとっても語りたいことの多い試合ではなかったかなと思いますが、本職のサポーターではないのでこちらに関しては100%の確信はないというところです。

広島、栃木、長崎そして岡山とパク・ヒョンジン選手を拝見してきて、リーグ戦出場100試合目となったこの東京V戦は自分が見た試合の中では彼のキャリアの中でも一番に近い活躍であると言いたい試合でした。

広島でのベルデニックの申し子渡邉大剛との差し合い(増田卓也と冨山貴光の緊急搬送ですべて吹き飛んでしまいましたが本当に名勝負でした)、FC東京戦でのブザービーター、栃木での阪野豊史とのホットライン(J2でアシスト王を争いました)、長崎での謎のミドルシュートゴラッソや右クロスからのフィニッシュ役……チームの違い、そして試合ごとの位置づけの違いもあり、順位をつけるのはナンセンスなところはありますが、この試合のパクさんはリーグの100試合の深みだとか、うまみだとか、グルタミン酸だとかそういうのが出ていたように思います。


◆持ち前のキック精度


まずはクロスのチャンスクリエイトが非常に多かった。前線で収まる/収まらずともそのままボール奪取に移行する片山に加えて、大きく体の張れるフレッシュな塚川と、今節の岡山は2枚のターゲットがあったので、伊藤大介を中心にした浮き球での攻撃に可能性がありました。

東京Vの整然としたラインとおそらくペース配分と思われる控えめなデュエルは裏への抜けだしとこぼれだまの優位を岡山にもたらし、片山と塚川+関戸も加わった裏抜けで出来た折り返しのスペースでボールを持つ形が両サイド共にけっこうありました。後述しますが、パクさん自身のランニングも質、量とも高水準にあり、フリーでクロスを狙えている場面が多く決定機を生み出していました。

CKでもファーサイドへどんぴしゃなボールを入れましたし、FKは少々時間をかけすぎてGKの正面となりましたが、枠内に入れていました。最後の方はへたってしまいボールの質が落ちてしまいましたが、後半押されていた中でも変わらずに決定機に絡んでおり、90分間の内容はおそらくキャリアのなかでも一番良かったのではないかと思います。



◆かたやませんしゅとのマリアージュ


また、今節はまたもや新しい魅力が現れました。空中戦要因としてのパクさんです。ワントップが片山選手であったことで、彼の売りのひとつであるロングスローの際に不在となってしまうFWの位置になんとパクさんがおりました。

しかもニアサイドでフリックして篠原選手の大決定機をつくっていたり、争点の近くにいることでこぼれだまを拾ってのシュートチャンスも複数あり、勝っていればかなりの功労賞的なアレだったのではないかというアレでした。

自らもロングスローをもつことで左サイドからのロングスローもちらつかせて近い選手に投げて折り返しを受けて単騎突破するという荒業まで見せてくれ(しかも結構なチャンスになった)、めちゃくちゃ笑いました。ロングスローやるやる詐欺は実況解説にもウケてましたね…(元神戸のパクカンジョさんが解説でビックリしました)

逆にパクさんからは、かたやませんしゅに正確なボールを届けており、対角線のアーリークロスはしびれました。残念ながらシュートにならなかったので、次節ではぴったり合わせてくれることを期待しています。まだまだ伸びしろがありますね。



◆圧倒的成長し続けるフリーランと右足


クロスのところでちょろっと触れましたが、この試合のパクさんは本当によくサイドの裏をつけていました。東京が狭い守備ブロックを敷いており、ウイングのカバーをCBが、CBのカバーをウイングがするという意識が強いこともあったかと思いますが、中央でのキープに合わせて行われるスプリントのタイミングは鮮やかでしたし、カウンターの際の走り込みも素晴らしいものであったと思います。この走りを90分続けることが出来たこともポイントが高いでしょう。パサーとしてもわりとイケる口なのもちょっと斬新な魅力。

また、地味なことですが、東京Vの前線守備を外し続け、彼らの守備強度を落としたパクさんの右足でのショートパスも印象的。今季ボールをつないで攻めようとしている岡山の中でこの良さは際立っていましたが、この試合では格別に効果的であったかと思います。こんなうまい選手だっけなとスタジアムで不思議な気持ちになっていました。必ず貰い直しで動きなおしてくれるのでチームメイトも安心していたと思います。右足のクロスの正確性に加えてこのあたりの判断もよくなっているのは圧倒的に成長しているなと思います。



◆改善した競り合いと残る課題


それでも勝利に貢献できなかったのはより大きな欠陥があるからで、一つは一対一の間合いを詰めるのが相手にプレーを許してからになっていて遅すぎたという個人のエラーと、もう一つは味方のプレスやオフサイドライン調整に併せられない連携面のエラー。

攻撃で見せた精力的なスプリントとは別人のようで、特に前半はかなり首元が涼しかった…守備にもふってくれその精力を…w

前者の1対1は試合中に改善し、逆サイドからのクロスのカバーで相手の長身FWを空中戦で抑え込み、高木大輔からボールを取り上げるシーンがいくつも出せたことは良かったですが(前半の失点がファウルになって本当に良かった…w)、味方に合わせて守備をするとなるとやはり大きな穴となってしまいましたね…

直接の原因は伊藤大介さんのインタセプトが即座に奪い返されたところからのショートカウンターでしたが、その前のシーンで右サイドで前からプレスをかけてバックパスをさせたところから今度は左サイドへと三村が猛烈なプレスをかけたのですが、パクさんが付いて行かなかったことで、少しイレギュラーな、間延びした状態が生まれてしまっていました。ここはサイドに出された時点で奪いきるべきシーンでしたでしょうし、そうでなくともその勢いのままにチーム全体が押しあがっていたなら伊藤大介さんも迷わず縦に出せたように見えました。

失点にはならなかったシーンでもピンチはありましたし、相手も左サイドにCBを張らせて攻撃をスタートさせてFWも左に流れており、ここは明確にねらい目にされていたでしょう。喜山さんが凄かったので決壊は免れましたが、最低でもしっかりと詰めきるケースを増やし、攻撃では必ず得点に繋げるくらいが必要なのでしょう。



◆未来へ

自動昇格を目標とするのであれば、ここは勝っておくべき試合に思って見に行きましたし、実際にJ2で最も勝利を重ねているチームのひとつである東京に勝つ資格のある試合内容であったと思います。

そこで取り切れなかったのはとても悔しく、残念でしたが、同時に試行錯誤がうまくいっており、また伸びしろのあるものであることも確認できたのではないかと思います。

具体的に言えば折り返しに位置した大竹や伊藤大介のフィニッシュ精度であったり、パクさんが乱してしまった守備のムラであったり。それでも、試合を経るごとに新しい決定機のパターンが見られているのはうれしいことです。その中心人物にパクさんがいるとなればなおさらです。

とはいえ、やはりチームの勝利あっての個人の推しであるので、なるたけ早く勝利のキーパースンとして結果を残してくださればと思います。できればJ1で対決してほしいんですが、旧態依然がどうしようもなさげなのが厳しい…広島を出た選手の方がチームのために働けているのはなかなかしんどいものがあります…w


少し話が逸れましたが、来週もまたさらに楽しみが増した試合でした。これまでと同じように、101試合目のパクさんは100試合目を越えてくるでしょう。パクさんは日々成長していますが、岡山でのそのスピードには驚かされっぱなしです。どこまでいけるのかな。



では。