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【パクさんをおいかけきった】総集編:ヘッドライト・テールライト

ご無沙汰しています。

J1の方もなんとか無事片付いてJ2のプレーオフも終了ということで、パクさんの輝かしき1年の振り返りコーナーを設けまして、2017年が豊かなシーズンとなった御礼に変えさせていただきたいと思います。総集編です。

◇ご指導ご鞭撻総受け:開幕~東京V戦

長崎でうまくやれず契約満了となったかなしみが喜びにかわったファジアーノ岡山との契約のニュース。その気持ちが先走ってmagajinをこさえたのがつい昨日のようです。(リンク)

その興奮は名古屋での開幕戦(リンク)でさらに高まりました。ボールをつなぎ始めたチームの中心となってパスを配球し、前線でもインナーラップでシャドウやボランチの選手と入れ替わりながらラストパスを供給したり、逆にフィニッシュワークで存在感を放つ姿は「大外に開いてクロス…縦がダメならカットインしてクロス…」だった今までのパクさんとはまるで別人で、「一体キャンプで何が…」と俄然興味がわいてきて、結局ほとんどすべての試合を見ることになりました。

続く熊本戦(リンク)では、開幕戦で見せた形が理想的に実現していたもののまさかの終了間際の失点で引き分け。その引き分けが尾を引いたのか、勝ちきれない試合が続きます。

町田戦(リンク)でも先取点を許すと慌てたようなキックオフから立て続けに2失点目を許すも判定に助けられ、パクさんのクロスがラッキーなオウンゴールになり辛くも引き分け。京都戦(リンク)、群馬戦(リンク)では怪我から復帰した神様仏様赤嶺様の活躍で逆転勝利も、前線からの守備がハマらず攻撃もシュートエリアでの形がうまく作れず決定力にかける難しいシーズンの立ち上がりになりました。

攻撃面で新たな存在感を出していてもやっぱり守備はいつものパクさんだなあ、という印象で、この頃はほぼ毎試合、前プレのタイミング間違えたり、引いた時のブロックの配列を乱していたりと炎上するパクさんが観測されました。後ろをカバーする喜山キャプテンとの関係は当時はわりと険悪に見えていましたね。ご指導ご鞭撻総受けといった風情。

そのパクさんも成長の跡が見えてきて、90分の中での立ち位置だったり、行くべきところだったりというメリハリがうまくなった、一つの契機が4月の東京V戦(リンク)であったと思います。クロスはもちろんのこと、最終ラインでの配球、ロングスロー、コーナーキック地獄のターゲットとゴールに直接絡む仕事がはっきりとしていきました。

◇戦術の熟成とパクさんの勃興:金沢戦~水戸戦

チームでの役割を把握しつつあったパクさん、4月あたりから徐々に活躍の度合いを増やしていきます。セットプレー対決となった金沢戦(リンク)に敗れますがチャンスを量産し、讃岐戦(リンク)ではようやくの初アシスト、山形戦(リンク)でもクロスがオウンゴールを誘発し勝利をもたらしました。

ですがチームはなかなか波に乗り切れず。GWの上位との試合で気炎を上げたいところでしたが、湘南、長崎と力負けになってしまいました。古巣対決となった長崎戦(リンク)ではいいところがなく残念…長崎の観光地としてのパワーは凄かったので良かったですが。

徳島戦(リンク)ではスラムダンク的な劇的な勝利を掴みますが、直後の連戦で嘘のように(ボロ負けではないけど)アレという形で、なかなか悩ましいシーズンが続いて行きます。パクさんもなかなかもどかしい内容でした。

ですが、そんなチームも風向きが変わっていきます。それを変えたのがパクさんの左足だったのは嬉しかったですね。この横浜FC戦(リンク)での2アシストはパクさんのキャリアの中でもベストに入ってくるプレイだったでしょう。美しさは罪…

運動量に秀で身体の張れる選手を中盤に揃えて、ボランチもしくはシャドウがサイドの裏に抜けて、ウイングは配球の割合を大きくするという形でチームの方針が定まり、セットプレー地獄を武器にここから12試合負けなしという記録を作っていきます。プレーオフ争いに参入できるかどうかというスリリングな期間で個人的にも非常においかけ甲斐がありました。

酷暑の消耗戦となった大分戦(リンク)と千葉戦(リンク)、レノ丸くんが可愛すぎた山口戦(リンク)、大木サッカーに圧倒された岐阜戦(リンク)、地ビールと蕎麦のうまい松本戦(リンク)…どれも白熱した良い試合でした。7月に入るとパクさんの輝きはさらに増していきます。

このあたりから最終ラインから前に出てのインターセプト、そのままの勢いでドリブルをしかけ、追い抜く味方へのパスという形で新しいチャンスクリエイトを見せていくパクさんが見られていきます。水戸戦のパフォーマンスは、パクさん第二の変身といってもよい画期でした。

◇スタア性炸裂の夏:リベンジとキャリアハイ

暑さが厳しくなっていくにしたがってパクさんの活躍度、スタア性もましていきます。インターセプトからのカウンターやペナルティエリアの角へのインナーラップは新しい売りになっており、東京V戦(リンク)、ツエーゲン金沢戦(リンク)でも炸裂しました。4月のリベンジとなるゴールも挙げられて非常に嬉しかったです。あのころのご指導ご厳達総受けぶりから見ると長足の進歩といってしまいたい。圧倒的に成長していた…。

この7月の、前回対戦では苦い思いをした東京V、金沢、長崎に対していい試合が出来ていた、その中でパクさんがしっかりチームの一部になって働けていたことは2017年の輝かしい思い出の一つになっています。長崎戦(リンク)で長崎在籍時にフォローするようになった方々から「えっ…パクさんってこんなすごかったん…?」というリアクションを頂けたのは誇らしかったです。岡山からトライアウトになった島田譲さんと交換のような形となりましたが、とりあえずお互いに良かったのではないかと思えてほっとしました。

8月に入ると京都戦(リンク)では直接FKでネットを揺らし、岐阜戦(リンク)ではセットプレーのこぼれだまを豪快に蹴りこんでキャリア初の2試合連続ゴールを挙げました。2週連続の豪雨に見舞われまあ大変な目に遭いましたが、パクさんはここまででキャリアハイの3ゴールと栃木での8アシストに次ぐ6アシスト。

チームの内容も豊富な運動量と素早い攻守の切り替えからチャンスを多く作り良かったのですが、残念ながら勝ちきれずプレーオフ争いから後退を余儀なくされしたということで、さあ、ここからが本番だ。いざ勝負の秋へ、というところでしたが、パクさんの負傷離脱が明らかとなります。

◇絶頂期での怪我と間に合わなかった復帰:~最終節

股関節あたりを負傷したというパクさんは、当初の軽傷との報に反して復帰に1か月以上かかってしまいました。その間チームもなかなか勝ちきれず、プレーオフ進出は厳しくなっていきます。最後のタイミングとなりそうな讃岐戦(リンク)で復帰するも、前回対戦からは大きく質の上がったポゼッションに苦しめられ惜敗。続く大分戦(リンク)では自信に溢れた4-1-5変換連動の前に完敗を喫してしまいます。

キャリアハイの成績を残し、プレーの引き出しを増やしていた最中での離脱はパクさんの成長の時計を止めてしまったようで、復帰後二試合の内容は良くなかったです。キック時の脚の回りもぎこちなかったので、コンディションがもどっていないようでした。千葉戦、水戸戦と連敗を重ね、プレーオフ圏内を目指すチームとの充実度の差が色濃く出てしまっていたのは非常に厳しい結果でした。無念です。

プレーオフ進出の望みは絶たれてしまいましたが、湘南戦でのある意味開き直ったようなチームとともにパクさんもクロス連打やセットプレーでの泥臭いターゲットぶりで調子を取り戻していきました。名古屋戦(リンク)では残念ながら出し切れませんでしたが、尻上がりに調子が戻り、横浜FC戦(リンク)では目の前で素晴らしい軌道のキックやロングボールを必死に追いかける姿を見ることが出来て胸が熱くなりました。

最終節(リンク)では駒野友一先輩とバチバチにやりあいながらFKのこぼれだまから同点ゴールが生まれ、とりあえずはいい形でシーズンを終えることができました。

◆おわりに:ヘッドライト・テールライト

一人の選手に注目して試合を見る、という経験はないこともないのですが、それを1年続けようという気になって、実際ほぼほぼ続けたことは初めてで、新鮮なシーズンでした。

基本的にはチーム全体のやりたいことの中から選手の個性を見つけて愛着がわいてくるという見方だったのですが、完全に逆の、推しからチームの目指す方向やありようを逆算していくのはとても面白かったです。サッカーの見方はまだまだいろいろあるんだなと開けた気分です。

それができたのもパクさんの圧倒的な成長によって継続して出場することが出来たからですし、我慢して指導し続け試合ごとに成熟度が増していったチームのおかげです。

昇格という目標に届かなかったのでもちろん諸手を上げて喜ぶべきことではありませんが、パクさん個人のキャリアとしては数字としても内容としても最も輝いた1年だったと思います。その1年をしっかり見ることが出来て本当に良かった。楽しかったです。

それでは、またどこかで。