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【6ポインター】清水エスパルスvs.サンフレッチェ広島:そんな戦力を隠していたなんて

新潟戦の内容で暗雲が立ち込めていたヤン監督体制ですが、続くセレッソ戦でトップ下フェリペシウバさんがカウンター兵器として大爆発。夏に補強した大当たり新助っ人外国人のような劇的な改善が見られました。

大宮戦の感想記事で「もう甲府の対戦相手を応援するしかない…」と書いていたのですが、その感想が裏切られそうだということが予想をかなり超えていたので現地で確かめようと清水まで行ってまいりました。ヤン監督、ほんますまんかった

というわけでIAIスタジアムへ。ピッチの良さで隠れてますけど実はかなりの難アクセスですよね…w シャトルバスがなかなか厳しい

スタジアム前広場も非常に狭く、グルメを楽しむ余裕も皆無。イベントなんかやっていた日には地獄になります(階段の前でなんかアイドル?が歌ってたのが死ぬほど邪魔でした)。スタジアム新調しないかな(チラッ

まあ、そんなデメリットもスタジアムにはいると吹き飛ぶのでちょろいのだけど。ほんと選手の表情までよく見えて良いです。以下、試合の感想。

・受けに回ると弱かった清水

ボランチに負傷者が続出して不安という清水。CBとSBの人選についても引いて守る感じではないというところで、実際パトリックが競ってフリックすればかなりの頻度でチャンスになりました。

序盤は清水のプレスの意識が低く、パトリックの競り合いに柴崎晃誠先生やロペスが突っ込むという形で敵陣に攻め込み、CKから幸先よく先行しました。水本のニアスラシは2015年のIAIスタジアムでも見た形。

・前輪駆動と鉄壁のむっくん

失点後前にかかった清水のサイドチェンジとSHの中央侵入によって広島は立て続けにピンチを迎えます。相手のボランチに野上が突っ込んで空いたバイタルエリアをチアゴや金子、白崎にむちゃくちゃ使われてしまいました。

野上は天皇杯の120分フル稼働のせいかプレスの判断にかなり無理があり、青山や柴崎とタイミングが合わず非常につらいことになっていました。20分あたりからSHが絞ることで調整ができたので良かったですが、その代わりにサイドでしょっちゅう数的不利となります。マークの受け渡しで揉めるダイキニワとロペス(お約束の展開)

その中で際立っていたのは左SBで起用された椋原の寄せの判断と技術の正確さ。前述の理由で孤立しがちなサイドの守備をここしかない寄せのタイミングでカバーし、中央を崩された際のカバーリングも正確。広島の守備網の規律を最後の最後まで維持してくれていました。むっくん最高だよむっくん。

守備が落ち着いてくるとワンチャンスカウンターで決定機が生まれますが、六反が素晴らしいセーブを見せ試合は結構なじり貧の中で進んでいきます。

・真☆外国人助っ人フェリペシウバ

そういうわけでなんとかしのぎきっていた広島ですが清水がサイドに起点があるからサイドチェンジを重点的に入れてゆさぶるぞとなってくると苦しくなります。そこでカウンター兵器フェリペシウバを投入。

今回もまたカウンターで生まれる中央のスペースを巧みに活かして広島の支配力を巻き返してくれました。それでも完璧な抜け出しを再びの六反。さらにはフェリペが受けて空いた中央に侵入した野上が狙い撃ちされてボールを奪われまくり、逆にカウンターの起点になってしまっており残念ながら勝負は五分五分に。反対に清水の復帰したエース鄭大世に押し込まれ試合が振り出しになってしまいました。

・冴え渡るヤン監督采配

それでもヤン監督の采配が勝負を再び引き寄せました。

フェリペの投入も押されっぱなしの展開で決断されたもので、マークの打ち合わせをし直す時間を与えてくれたことでペースを取り戻すに至りました。さらにはフェリペ投入後にはパトリックが積極的にサイドに開き、フェリペが暴れるスペースが用意されており、しっかりとした準備を感じさせます。フェリペが受けた後の展開で青山が前に上がれないところ(最後尾からのパス精度をあげるためか)がネックとなってしまいましたが、確かに主導権を引きもどしました。

押された挙句の同点でなされた交代も見事。動きの鈍くなった野上→稲垣でフェリペのサポートを強化した交代はパトリックのゴールにつながる飛び出しを生みました。青山→森崎和も、フェリペカウンターのこぼれだまを着実に拾い正確に二次攻撃につなげる「攻撃的な」采配でした。攻め勝つというメッセージが選手全員に伝わった最後の5分間は非常に迫力があり、それが劇的な勝利を呼び込んだ結果となったといえるでしょう。

パスワークやブロック守備などのプレー精度は相変わらずなかなかひどいものがありましたが、ダメはダメなりにここからどうするか、という修正をタフに続けてくれたことが勝ち点に繋がったことは紛れもない事実。結果に繋がったのは偶然ではなく(かろうじてではあったもの)必然であったことはこの先自信とするべきことでしょう。

ほんとうに大きな勝利。こういう画期になるべき試合できちんと画期にできたことは先行きを明るくさせてくれます。勝ち筋に応じた選手起用が見つかりつつあり、選手たちもその筋道を理解していることが現地で見て取れて本当に嬉しかったです。これだけ純粋に喜べたのは今季で初めてになるでしょうか…長かった…。

弾丸日帰り日程になりましたので申し訳程度の観光。

雑に入った食堂のマグロが雑で感動しました。味は雑じゃなかった。日本酒も雑にサーブされた割にはガチの地酒でめちゃくちゃおいしかったです。実力を隠しすぎる。

トロおいしかったよ。

10月以降の対戦相手を考えれば残留の可能性が厳しいことには変わりないですが、チームはようやく闘える状態になってきました。ギリギリ間に合った、といえるような試合を札幌戦で出来ればと思います。横浜に期待した僕が馬鹿だったので甲府の他力を願うのは難しいですかね・・厳しい・・・

では。