0409岡山金沢

【パクさんをおいかけたい】ファジアーノ岡山vs.ツエーゲン金沢



東京Vをもう少しで仕留められたかもしれない運転で迎えたホーム連戦。桜も咲き初のナイトゲームでしたがあいにくの雨というコンディションでしたが、ここで盛り返しておきたいという一戦。



◆メンバー



岡山は前節うまくいった塚川と片山の2枚ターゲット作戦、ボランチには渡邉が復帰。負傷や構成の模索等でわりとメンバーの動く岡山ですが、パクさんは今のところ全試合でれています。

金沢は前節群馬戦で我慢に我慢を重ねての初勝利。関係ないけどヤンツーのメガネは老眼鏡なんだろうか。また広島のことをクソサッカーだとなじってほしい。楽しかったあの頃は遠くになりにけり…



◆試合内容について





・ロングボールとハイプレス


両者同じような狙いとなった立ち上がり。岡山は片山または塚川、金沢は佐藤洸一へのロングボールを放り込んで、その時間を使ってラインを上げ、高い位置でプレーをしたいというぶつかり合いを見せます。

この狙いがうまくいったのは佐藤洸一の方で、SBがフリーになりやすい状況であったので岡山の守備陣が少し隙間の生じた状態でボールが入りやすく、金沢の狙いの方が勝った状態で推移していきます。

岡山の方は、金沢の攻撃を受けた状態からの体勢復帰の暇もなく片山や塚川が十分でない体勢で追いかけることを強いられるといった形が多くなってしまいました。

しかし、ひょんなことから得たスローインからロングスローでパクさんのニアすらしが炸裂してゴールチャンスが生まれると、逆に岡山は相手のSBを捕まえに行こう(主にWBで、カバーにボランチやシャドウが入りました)とより前への守備を強めることに成功し、反対に奪ったボールから金沢の上げたラインの間隙を縫う攻撃を狙うことが出来ました。CK,ロングフィード、FK、ロングシュートとパクさんが中盤でカットインしてチャンスを生むシーンが多かった。

ただ、裏に抜ける一名への単発な浮き球しか攻撃の道筋がなかったので、試合としては淡泊で、それを徹底してきて前節初勝利を挙げた分金沢の方が得意な土俵の上でやってしまったという印象の前半でした。




・陣形変更と進まない局面


後半岡山は伊藤大介をアンカーに置いた532で相手のプレッシャーをかわして喜山さん、パクさんから斜めに敵陣へと向かっていくいつもの形が現れました。

中央に絞ったパクさんのフィードや開いた塚川や片山から斜めにやってくる早いクロスでゴールに迫りますが、金沢のCBが二枚いるままの攻めであったのでなかなかシュートにはならず。

また、2トップとなった岡山は、相手の最終ラインからボールを奪いに行く形にはっきりと移行しており、左SBの野田に対して中盤3枚の右側の渡邉が詰めるシーンが出ていました。金沢はここで前半中央でボールを奪いまくっていた渡邉が出てくるのは逆に好都合だなと後ろを狙っていくことになっていそうな前進を見せ、一進一退。

金沢は山崎、岡山は豊川とFWを投入してシュートに結び付けたいところでしたが、勝ったのは金沢。サイドに逃れるGKフィードやセットプレーで競り勝ったところから電光石火の抜け出しで岡山ゴールを陥れることが増えていきす。パクさんと関戸さんの合間で暴れていく中美。増える野田のフリーキック。

このあたりの532の攻守の精度がひとつ今季の岡山のポイントになってきそうです。今のところは宿題といった感じか。伊藤大介さんがフリーマンやるの個人的にはとても好きなんですが、シュートまでどういくか、プレスにはどういくか、詰めていって自信になる結果が欲しいですね...



・継続の金沢とぼやけてしまった岡山


危機感の岡山が伊藤大介→大竹。大竹にライン間で前を向いてもらって流れを引き戻したい。というところでパクさんのFKが喜山にドンピシャも金沢GK白井が身体を投げ出してのビッグセーブ。なかなか目に見えて功を奏さないつらみ…

終盤に入って岡山は攻撃に枚数と時間をかけ、金沢は自陣での守備に集中したスコアレス状態のホームチームとアウェーチームの押し合いらしい展開になっていきます。ただ、ロングボールを蹴ったらみんな裏へ走るんだぞということやウイングの間で持ったら佐藤洸一にすぐぶつけるんだぞをしっかり続けていた金沢なので、マイボールの時間はそんなにとれず、見た目的には苦しい状態でした。

岡山最後の交代はパクさん→三村。サイドを使えていなかったし、おされていたので三村の速さ、ドリブルで巻き返そうという狙いか。ただ、岡山としては交代をするごとに攻撃の狙いがぼやけてしまった印象があり、試合を難しくしていたように思います。前3人を中心に統一見解があまりよく見えませんでした。右サイドからの加地さんのクロスは増えたんですが、金沢の選手が戻り切っている状況だったので、いささか分の悪い空中戦になりました。このあたりの狙いがどうだったのか..

結果としては、大竹の個人技の冴えた決定機の直後、スローインで隙ができてしまい献上したFKから金沢がATの先制に成功し、金沢の継続が実を結んだ試合となりました。金沢としては我慢がハマった形での連勝。会心であったことでしょう。




◆かんそう


パクさんについて。パクさん自体の調子は非常に良かったと思います。キックが冴えわたっており、19分のCKを篠原に合わせた決定機は劣勢であった岡山の流れを変えました。

今節もゴールの可能性を感じさせた試合でしたし、ミスマッチとなるSB石田へのプレスのタイミングや流れてくるFW中美への対応など守備もよくなっていたと思うのですが、我慢の展開だっただけに先制点をもたらすことができたなら…と無念の一戦となりました。セットプレー勝負の様相となってきた中で野田に後れを取ってしまったのもちょっとショック。

いつものようにDFラインとパス交換してぬるぬる上がっていくこともタテに抜け出すこともできず、クロスのチャンスがほとんど作れなかったことが少し気になりました…

町田戦のような過呼吸状態のようなサッカーになってしまっていたような。町田戦は大竹を使ってうまく相手よりも早くサイドチェンジが出来た分まだ攻め切れていたのですが、今回は攻撃のスピードを金沢にコントロールされてしまったという印象。このあたりは誤算だったかもしれません

CBから直接付けてあげないと難しいところだと思うのですが、試み自体すくなかったので、危ないからやらんでよいということだったのでしょうか。

この膠着状態がある程度狙いであるとするならば、やはりセットプレーで取り切れないと厳しいのでしょう。責任あるパクさん…そういえばだけど現状チーム唯一の助っ人外国人やもんな。計算を成り立たせてほしかったところはありました。

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大切な仕切り直しの機会で下位に沈むチームの土俵で真っ向からのぶつかり合いになったうえ競り負けてしまうというのはなかなかダメージの大きい負けでした。ただまあ、成績的には5分を少し下回った程度であるので、慌てる時間でもないかなとも思います。

ま、暗号とかモロにバレているままの作戦とか竹やりで特攻とかをし続けるようなチームをね、今季は見てるんで、観戦に対するハードルが下がっているせいかもしれませんが...(念のためにいうとこれはサンフレッチェ広島のことです)ちょっと岡山も"竹やり"感なのだろうかと思われかねない試合になったので残念でした。

幸い次の相手はダービーであり、今節同様のタイトなぶつかり合いと狙い目をたたき続けることを得意にしそうな讃岐となっています。我慢のインファイトを続けたいのであれば、取り切れる・守り切れる構成や算段をセットしたりだとか、落ち着いて間合いをとって試合を推移させるビルドアップをもう一度目指すのか(一森を単なるビッグセーバーにするのは非常にもったいない気がする)、何かしらの答えが出ると思うので楽しみにしたい。

102試合目のパクさんは101試合目のパクさんを越え、今度こそアシストとかゴールとかする…


では。