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This is ideal むっくん…vs愛媛FCの会報【2019-6/1】



偉くもないのについつい「見たか!」と言ってしまいたくなる美しい試合運びでした。これがむっくんの理想形や…と思ったのですが、やってる本人たちはどうなのでしょう。しかしまー気持ちのええ試合じゃったわい。


試合情報

○岡山1-0愛媛:得点 39分 中野誠也

岡山:4-4-2
GK 22 一森 純
DF 21 椋原 健太
DF 4 濱田 水輝
DF 20 チェ ジョンウォン
DF 2 廣木 雄磨
MF 25 久保田 和音 →88' DF 31 下口 稚葉
MF 17 関戸 健二
MF 16 武田 将平
MF 19 仲間 隼斗
FW 9 イ ヨンジェ →90+3' FW 24 赤嶺 真吾
FW 7 中野 誠也 →76' FW 32 福元 友哉

愛媛:3-4-2-1⇄4-1-5
GK 1 岡本 昌弘
DF 3 玉林 睦実 →54' MF 7 近藤 貴司
DF 4 西岡 大輝
DF 50 ユトリッチ
DF 5 前野 貴徳
MF 16 田中 裕人
MF 33 山瀬 功治
MF 6 野澤 英之 →67' FW 14 吉田 眞紀人
MF 39 下川 陽太
FW 19 藤本 佳希
FW 9 有田 光希 →83' MF 11 神田 夢実


試合内容



良い意味で我慢比べ

近年の愛媛戦と異なって両者ロングボールを蹴りあって前プレをけん制した後はボールを持つ/撤退して受け止めるを交互に行う、波乱の少ない試合運びとなりました。

これまで愛媛と相性が悪かったのは、愛媛の3バック→4バックの変則ポゼッションに対して、3トップの岡山の守備が追い付かなかったことに起因します。長澤体制では前から一人ずつ一対一を勝つという守備の原則でしたので、その最初のところを剥がされてしまうと一挙に自陣深くまで運ばれてしまい苦しい内容となってしまっていました。しかし、今年は4-4-2の形で前線は4人で守備をすることになり、先頭から剥がされる可能性を減らすことができています。

愛媛の方もGKの岡本をもDFラインに上げることで人数の差を生み出してきたのでかなり面白いやりとりになりましたが、ヨンジェを中心に(時折出す行かなくていいよというハンドサインかなり好きです)、シャドウへの縦パスをまず抑えようという位置取りを守りつつ、サイドに振ったらそこを久保田や仲間が襲うという手はずを守ろうとしており、結構うまく行っていました。中野誠也も寄せるの結構うまいですね。

とはいえ、愛媛もはじめはバタバタしたものの、自陣で構えてボールを奪うシーンが多くなりそこから愛媛のウイングが上がっているサイドのスペースへヨンジェと中野を走らせてスピード勝負をするという形を狙う岡山に対して、蹴られそうなタイミングでボールに寄せ最後尾に戻すようであれば深追いせず裏のスペースを消して深く守ることで崩れにくくしており、試合はスローテンポの探り合いの様相を呈していきます。

岡山としては自分でボールを握って試合をコントロールできるという点でいい感じの試合運びではなかったかと思います。これまで苦しんできた愛媛のポジションチェンジ攻撃の機会を減らすことができたわけですので。


司令塔むっくんと一瞬の隙での精度の差

さて、互いに最終ラインでボールを保持して前線の様子を探り合う展開となった我慢比べの中でのむっくんですが、これがとても良かった。愛媛は3トップでプレスを行うため、CBからDHへの中央のパスを真っ先に塞がなければならない都合上、SBがCBの斜め前に張ってあげることで安全なパスコースが生まれます。そこでうまくボールの預けどころとなって、今は攻める時、今は落ち着くとき、と伝令していました。司令塔やん。

田中の累積警告により濱田がCB初スタメンでポゼッション面で不安なところもあったのですが、基本的にチェジョンウォンがボールを動かしながらも、詰まった場合はむっくんが引き取って正確な縦横のパス出しを行ったことで、その不安を避けることができました。相手ウイングの横をすり抜ける際どいスルーパスが非常にうまく決まっていましたね。慣れてくると濱田自身が持ち上がることでパスコースをさがすという判断もよどみなく出来てきてましたし、最終ラインの攻撃面での安定はこの試合の重要な評価ポイントだったでしょう。

お互いにボールを引っかけた時に生まれるわずかな隙を狙いあうという展開で、両者ともに決定機がありました。その中で愛媛のCKの決定機は一森が正面で弾き、岡山の中野が裏を取った場面で岡本の股を抜いたという差が、結局はこの試合の差となりました。ここで先にやられず先取点を取りきれたことは非常に大きかったですね。初スタメンの中野誠也の長所が出たゴールという面でも素晴らしいものでした。逆に言えば、先に決められているとスコアは逆だったという可能性も低くはなかったでしょうか。


愛媛の機運を折った武田君の無双について

さて、愛媛は追いかける展開となり、より明快にサイドの選手を高く上げて敵陣に押し込もうとする形をとります。しかし、これに対する岡山の守備が非常に良かったので、思ったような効果を得られませんでした。

各選手があえて前後で広い距離感をとることで相手も間延びさせてやるぞというのが4-1-5の醍醐味になるわけですが、相手の守備よりも速く正確な長距離のパスを放つ選手が必要となります。愛媛は山瀬を中盤に下げることによって最終ラインと前線とのつなぎを狙いましたが、岡山の守備のスピードの方が速く、最終ラインの4枚と中継点となる選手が捕まりカウンターとなる場面が頻発しました。前線の起点として吉田や神田を投入するも岡山の守備を打ち崩せないまま試合終了となりました。長沼や神谷といった突破のキーマンを代表で失っていることが大きそうです。

このあたりはボランチの武田君がめちゃめちゃすごかったのではないかと思います…...ボールを奪うのも、その後の縦へのパスもほぼ百発百中で、素晴らしいカウンター攻勢につながっていました。愛媛の変形システムの弱点を一番突けてた選手かなと個人的には思いますし、周囲への指示もこれまでに比べて非常に活発的かつ的確でした。成長を感じますね…

むっくんも対面の下川を完封し、中央へ入りこまれた場合は久保田、関戸と連携してうまく守りました。前節と違って危なげなかったですね。よかったです。下川には去年の松本との試合でも完封していたので年季が違うというやつでしょうか。異様に相性が良い。


未来へ

成績的にど真ん中となり、J2の中心(物理)となっている岡山ですが、濱田に赤嶺と負傷者の帰還に中野誠也や武田君といった若い衆の結果もついてきてここから上昇気流といきたいところ。むっくんも調子よさげなので期待したいですね。

次節はこちらも呉屋の加入以降急速に調子をあげてきている長崎。同じ陣形のガチの衝突となりそうです。東京時代からの盟友大竹洋平との再会と対決に注目したいところ。長崎いきたかったんですけどねー、毎年この時期はなんとなく岡山のホームゲームの方にいきたいのでおあずけです。

それでは。