道先案内人は笑わない
機織りの音が徐々に小さくなっていく
誰にも気に留められず穏やかに
隣の羽音が遠く遠くに飛んでいく
心の芯一点にぽつりと墨を垂らした後に
誰も彼もが眠りについたこの刻に
吹き荒ぶ冷風と枯れ葉に包まれ歩いていく
目的地など知らぬだろうが
待つ人などいらぬだろうが
彼らはただ歩いていくのである
そちらに行くなよ歩む人
こちらに逝きなさい危ぶむ人
1人では迷い彷徨いのたうち回るのでその時は
2人で手を取り飛びなさい
3人になれば誰か1人は留まって
4人揃えば話し合う
行きなさいあなたは
1人で歩みつつ脇目を振りなさい
戻りなさい私は
落としたものを取り戻すのが先なのです
救われなさいいつかは
何も無駄なことなどなかったのです
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