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秋光

ひっくり返った蝉に怯えながら、一晩置いただけで朽ちた味噌汁を片付けながら、張り付いて私を離さないデニムを脱ぎかけ状態で汗が引くのを待ちながら、例年以上に熱々な日本の夏を過ごした。風鈴や水音より日陰、日陰より冷房、ではなく。正直な話、冷え過ぎたくない贅沢者なのでレースカーテンだけしめて、窓を開けて、冷房をつけてすやすや寝ていた。

2週間と少し滞在予定の京都は窓を開けて寝たら少し肌寒いくらいで、日本の中でも先に秋を先取りできた気持ちになる。4週間前に仕事で行った北海道の旭川のほうがよっぽど寒かったけれど、あの場所はちょっと例外かも。

ご飯が美味しい、地下鉄の座席はふかふか、空は広くて何もぎらついてない。何度来てもやっぱり京都が好き。大学時代を京都で過ごせてよかったし、素敵な人会いたい人がいて素敵な場所があって、今回は仕事で来たけれどまたこの土地に来ることができて良かったなあと思う。鴨川の橋の下でぼーっとしながら今これを書いていて、落ち着いてちゃんと息ができたからか、久しぶりに気持ちよく眠たい。


9月初旬、フェスに出演していたAwichが沖縄の普天間やアメリカのアトランタなど、ゆかりのある場所の話をして言葉に詰まって、少し泣いていた。その後、それにまつわる曲を歌っていて、その時を閉じ込めたタイムカプセルのようなものがあるのはいいなと思ったし、何かを伝える・残す・示すことを使命だと言うことができる彼女はとてもかっこよかった。AwichのKアリーナライブを母と行く約束をさっそくした。大胆な表現に少し気まずくなるかも。

あっという間に会社員2年目になって、もう後3ヶ月くらいで2023年は終わって、ゆるゆると時間は進んでいく。

これも9月初旬、オーストラリアのシドニーへ行った。彼がお世話になったホストファミリーのお家へ行って一緒に食事をしたら、

毎日ワイン飲まないなんて信じられない!仕事終わりにビーチ行かないなんて信じられない!働くために生きているわけじゃないのに、楽しむために生きているのに!

とジョシーに言われた。

さすがに海無し県育ちの私は毎日ビーチに行きたいマインドは兼ね備えていないけれど、それは最高。一日のなかでゆるく肩の力を抜く時間があれば。毎日ビーチに行ってワインを飲んでもややこしい人間であることはきっと変わりないけれど、それでも、日常の小さな感情の機微に気づく時間があるだけで私は私でいられるのかもしれない。
こういうことを考えていること自体が難しくややこしく考えすぎなのかもしれないなと思いつつ、流れるメロディーに沿って踊ればいいよその人生ってSIRUPさん言っていたし、そういう気分で居ることができたら万々歳。

あれもこれもは難しいけど、あれもこれもをどれか選ばなきゃってなったら心が動くほうを選べる人でありたいし、観た映画とか読んだ本とか最近買ったものとか聴いた音楽とか、出会えてよかったものを大切に話せる人でありたいし、それを話せる大切な人がいたら最高だし、なんでもかんでも正しいように聞こえるとしても、私はこう、をちゃんと握っていられる人でありたい。

それだけ大切にできればなんだっていいんだから気楽に笑えって気持ちで日々生きる、楽しめよって私へのエール。





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