ゆるキャリ寄りのフルキャリが、保育園落ちた話

入社以来最も楽しみにしていることは「育休」と言っていたくらいの、ゆるキャリ寄りの私は正直、保育園は落ちてもいいと思っていた。

私の住む東京のとある区は、待機児童が少ないことでも有名で、選ばなければどこかしらは入れるという評判だった。公園や支援センターで出会うママたちとも「うちの区は保育園入れるし、子育て世帯には最高だよね!」なんてよく言っていた。

先にママになった会社の同期や学生時代の友人たちからは「一応認可外の手配もしておいたら?」と何度もアドバイスをもらったが、私はそのたび「大丈夫!うちの区は入れるし、今年は近所に複数新設園もできるから!ラッキーだな~」なんて返していた。本気でそう思っていた。

まぁ万が一にも落ちたらその時考えようと。しがみつきたいほど今の職場が好きでもないし。

そして運命の認可保育所の結果通知の日。

なんと、なんと、「落ちた」

・・・!?

万が一のことだと思っていたのに、現実に起きてしまった。
どうしよう・・・

冒頭にも述べた通り、私は保育園に落ちてもいいと「思っていた」

しかし実際に落ちると、
復職できない→退職→経済的に厳しい→働きたい→子どもの預け先がない→働いていないから保育園入れない(以下ループ)
という現実が突きつけられる。

落ちるまであまり深く考えていなかったが、人生のめちゃめちゃ大きな転機になってしまう。まずい。

慌てまくって近所の認可外に片っ端から電話を掛けるものの、昨年に説明会に参加していることが申し込みの条件だったり、
とりあえずはキャンセル待ちに並ばせてはくれるもののすでに相当な人数が並んでいることが告げられる。

詰んだ。まじで詰んだ。。。

おいおいおい、うちの区は保育園入れるんじゃなかったっけ?去年待機児童1人って聞いたよ?ってか、新設園こんだけ書いたら普通どっか入れるんじゃないの?
うちは一般的な共働き家庭だよ?ここの区の家賃相場考えたら、うちくらいの年収ないと厳しくない?別に金持ちじゃないよね?だから認可外の手配もしてなかったんだよ?あれ?

あれ?

とある園はこれから抽選を行うということだったので申し込んだものの、ご丁寧に落選の連絡をくださった。その他は申し込みから2週間経っても音沙汰なし。

そして地域のママネットワークでだんだん現状も見えてきた。
1歳クラスでいわゆる「加点なし」ではフルタイムでも誰も入れていない。
公園で出会ったママには「同じマンションのママも全滅した」と。
友達の友達まで広げても入れた人を聞かない。

と、いうことは近隣の認可外は相当な人数がキャンセル待ちしているのだろう。認可二次調整なんて宝くじレベルだ。

そこでいろんな自治体のホームページをチェックする。
すると待機児童の多さで有名だったお隣の区がなんと今年は認可保育園にすんなり入れている様子。駅前の保育園まで二次募集がかかっている。

これは、もしかして・・・と隣の区の認可外にいくつか当たったところ、
まだ申込可能なところ、キャンセル待ちが1名というところも見つかった。

駅前の認可保育園も二次募集しているくらいなので、認可外は空いているだろうという読みはあたり、その数日後には隣駅の認可外保育園の内定を手に入れた。

しかし、隣駅の保育園までは電車も使うことはさながら、ベビーカーなので少しの階段のためにもエレベーターを使用しなくてはいけない。朝の混雑時に狭いホームで人を避けながら歩くのも大変だろうし、駅出口のスロープも片方にしかなく、保育園がある逆の出口までは踏切を渡る必要がある。

コロナ禍によりテレワークが推進され、週の半分以上は在宅勤務予定にもかかわらず、なぜか保育園往復で1時間かかることになる。解せない。

幸い育休をあと半年ほど延ばすことができるので、隣駅の認可外保育園に籍だけ置きつつ近隣の保育園の空きを待ち、それでも見つからなかったときは来春の認可転園までの辛抱と思って頑張るか。。。と腹を決めつつあった。

そこにもひとつ落とし穴がある。
私はできたら2人目の子どもを希望している。しかし私の住む区では入園時に母親が産休に入っていると、産後2か月で退園しなくてはいけないというルールがある。仕事のためではなく、出産のために保育に欠けるとなるからだ。

これは既に認可保育園に通っていた場合は該当しない。
つまり今年の4月に認可保育園に入れていればその後いつ妊娠・出産しても子は退園になる危機はないが、今回認可に入れず来年春に転園を目指す場合は来年春前後に出産をしてはならないのだ。

私は30代前半。タイムリミットの年齢ではないが、悠長に妊活を先延ばしできる年齢でもない。
保育園のためだけに妊娠を制限しなくてはならないのはいかがなものだろうか。

あーあ、認可に入れていればなぁ。
せめて近隣の認可外が見つかっていたら、もし来年の春付近に出産となっても子は保育園に通うことができたのに。
さすがに隣駅の保育園じゃあ出産前後に送り届けることは難しいし、自宅保育をするしかないだろう。専業主婦ならみんなやっていることだけれど、今まで保育園に通っていた子が突然自宅保育になるのはストレスだろう。

などと悶々と考えていた。

時間が巻き戻せたら、かなりの人数順番待ちしているっぽいけど雰囲気のよかったあの認可外保育園に、昨年中に申し込みだけしたかったなぁ。そうしたらどれだけ今頃気分が軽かったか。

そして認可二次調整の発表。もちろん落ちた。
もう仕方ない。電車に乗って通うしかない。隣駅はこちらの駅にはないお店もあるし、1年弱だと腹を決めて頑張ろう。そう思った。

その矢先、着信があった。

「二次の結果、どうでしたか?今キャンセルが出たので書類選考してて、
もしよかったらどうかな?と思いまして・・・」

時間が巻き戻せたら申込したいと思っていた、あの園からまさかの内定が出た。
認可ばかり見ている時は遠い園だと思っていたが、もはや電車通園も視野に入れていた現状からすれば歩けるというだけでめちゃめちゃ近く感じる。

そしてその園はたまたま知り合いが「加点狙い」で昨年から通っており、「温かくてとても良い園。認可に通えることになったけど離れがたい」という生の声が聞けていた。園で必要なお布団カバーもお譲りいただけると言う。


私の保活は最終的にはとても納得がいく形で終わることができた。奇跡だと思う。
ゆるキャリ寄りのフルキャリで、保育園落ちても別にいいやと思って、認可に落ちるまで認可外は何の手配もしていなかった私だったが、最後結果オーライになった。

でも、子どもを育てながら仕事を続けるということは常に綱渡りなのだということを身をもって感じた。

保育園が見つからなかったら、退職。
保育園に馴染めず退園してしまったら、次の保育園が見つけられず退職。
2人目が生まれたら1人目と反対方向の保育園になってしまい、通いきれず退職。
子が人間関係から不登校になり、ケアが必要になって退職。
などなど、自分の都合だけではないことで簡単に「退職」の二文字がチラつく。そしてそれはまだまだ「母親」だけに迫られる。
現に今回認可に落ちた時も、当然だが夫は退職を迫られていない。

私は来月からワーママ1年生となる。
どこまで仕事を続けられるかは、全くわからない。

一旦ワーママ街道の戦線を離脱することになっても、また簡単に戻れるような世の中に、私の子育て期間中になっていて欲しいと思う。

最後にあのひとこと。

保育園落ちた。日本死ね。


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