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後始末を美しくすること

昨年の、秋にご縁があり 引っ越しをしました。

温泉が好きなこと、家を探していること、
私の生活の好みなどを覚えていてくださった方から紹介していただいた家です。

内見に訪れた頃、生命力溢れたジャングルのような
草の勢い


別荘として使われる以外は長く空き家となっていたそう

自然に囲まれていて、温泉地にあるため
温泉を引くことができた点も大きな魅力。

家は少しレトロで、お庭には"やり甲斐"を感じ
面白い!と感じました。

大好きな枇杷の木が植っていたこともトキメキポイント

引っ越しをして、半年。

とても気持ちよく感じていることは、コンポストを稼働することができていること。

コンポスト初心者なので、まずは "キエーロ"という方法でスタートしました。


衣装ケース一つ分、土60リットルで始められる方法です。

(※60ℓの土=ホームセンターで売られている土✖️4袋。現在はキエーロ方式から、庭の開墾も兼ねて、土中式と併用しています。)


キエーロ式 コンポスト

生ゴミの処理が目的だったはずなのに、小さな衣装ケースの中で生ゴミが、分解されて土に還る様子が 不思議で、気持ちよくて 興味深くて。

後始末がこんなにも心地がいいなんて、と
この半年コンポストに飽きることなく、趣味と化しています。

コンポストの中で切れ端から育っていたニンニク

コンポストの中で、野菜の端から芽が出ていたときには悦びと感動があり、

土の感触や薫りに触れることのできる、
日々の ささやかな癒しの時間となっています。

コンポストの、分解の過程に興味が湧き
生ゴミを観察するうちに、

野菜の使い方に工夫が生まれ 野菜を無駄にすることのない料理の仕方を考えるようになり、
レシピが増えるなど、"コンポストファースト"、いかに土に"還せるか"と考えていたら

自然と身体にも嬉しい調理方法や、活用法なども発見するようになりました。

"捨てる"という概念が覆されたような感覚です。

生ゴミの匂いなど、不快感から解放されるだけでなく、コンポストを通して 生ゴミの処理が
このような充足感や達成感、癒しまでも
もたらしてくれるとは コンポストを始めた頃は
予想していなかったこと。

"後始末を愉しめる"ということが なんとなしに 誇らしさを感じられるだけでなく、

豊かな感覚をもたらしてくれ、毎日のささやかな
楽しみの一つとなりました。

そして、この習慣は 静かな自信として積み重ねられていくようで、私の中に安心感と安定感をもたらしてくれるような感覚があります。

"土の包容力"を肌で実感する日々です。


土中式で開墾している箇所。生ゴミを土と混ぜるときは
まるでカレーを作るような感覚で
土を料理しているかのよう。

コンポストを通じて 捨てる、という感覚は、 自然と"還す"に変化し、何事も"後始末"の際に

美しい終え方、終い方について意識するようになりました。

それは イコール、"始め方"や"選び方"の指標にもなってきて、例えば

これを手にして、活かしきれるだろうか?と 
いい意味で 素材への敬意が増すなど、

選択する際の指標にもなり、生活する上で
様々な指針や基準になってくれています。

終い方と言えば、引っ越しをしてから

昨年末と、今年の初めに 祖父と祖母を見送って葬儀がつづきました。

久しぶりに家族、叔父叔母が集う機会となったのですが、どちらの葬儀も 笑いあり、涙あり、
ドラマあり、そして 私にとって とても学びの多い時間となりました。 

葬儀の、終わり家族とお酒を飲みながら帰り道、

父と歩いていたら、父が、"大人になるって、なんだろうなあ、境目なんてないもんなあ" と呟いたので私も考えてみたのです。

それは、私もよく分からないのですが

葬儀に際して、両親や叔父や叔母が、協力して物事を進めていく様子は 私の目には" かっこいい大人"として映ったのです。

それから、祖母が亡くなる前に周囲に見せてくれた在り方も かっこいい大人の要素が詰まっていたと感じたので そんな気持ちを伝えました。

私は、毎日の後始末を自分らしく積み重ねることで、少しだけ 後始末の美学を表現しながら
一歩づつ 成長できているような気がしています。





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