【読書】深沢七郎「楢山節考」

「楢山節考」という本を読んだ。いわゆる姥捨て山に近い物語で、これから何が起こるかも知っているはずなのに感動した。相互が相手を思いやりながら不幸に進んでいく宿命にあるという構図が好きなのかもしれない。つまり母親は死にに行くことで孫の食料確保に貢献したいと願うし、子は親の命を救いたいと願うのである。自己犠牲に他ならずそれを礼賛するつもりはないのだけれども、シンプルであるが故に心に来るものがあった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?