息子のやる気スイッチ
かねてから行きたいと言っていた焼肉屋さん。
娘がまだ2歳なので、家族みんなで行くのは難しいなぁと思っていた。
息子が病院に行く日なら、行けるな!
そう思って、この日を楽しみにしていた。
我が家は外食をあまりしない。
だから、”外食をする”ということ自体が息子にとってはイベントなのだが、今回は初めての焼肉。
そわそわしているのがこちらにもわかる。
お水がビールジョッキで運ばれてくる。
でっかい氷が5つも入っている。
「後、何分でお肉くるん?」
なかなか待つのが難しい息子。
待っている間に、三人で「いっせーのーで」をする。
3回やって、3回とも息子が一番で勝った。
お肉が来る。
「これもう、食べれるん?」と聞くので「焼いてから食べるよ」と答える。
私が肉を焼いているのをじーっと見つめる息子。
「もういいいかな」と言って、お皿にぽとっとのせる。
「熱いから気をつけてね。ご飯と食べると良いかもよ。」
「あちあち」と言いながら、懸命に食べる息子。
「美味しーー」と笑顔になる。
息子の肉を一通り焼き終えてから、私の肉も焼き始める。
食べる。
「美味しーね」私も笑顔になる。
普段は野菜は食べない息子だが、ドレッシングがかかっているレタスも食べた。そして「もうお腹いっぱいや」と言いながら、大人一人分の肉とご飯をぺろりと平らげた。
「あぁ、美味しかった」
みんな、大満足だった。
*
ここの焼肉屋さんは夫と2回来ている。
私が「焼肉食べたいなぁ」と言って、近くの焼肉屋さんを探したところ、口コミでこのお店が高評価だったのだ。
店員さんは見た目はちょっとやんちゃな感じがするのだが(髪の毛が金髪とか)、とても気持ちが良い接客をしてくれる。
過度に丁寧なわけでもなく、つっけんどんなわけでもない。
お客にストレスを感じさせない、そんな雰囲気。
そして何より、お肉が美味しい。
「焼肉を食べにくるならこの店だな」と決めてしまった。
初回に来た時から、「ケンも連れてきたいね~」と夫とも話していたのだ。
それが今回叶って、嬉しかった。
*
先日、息子の登校渋りがまた再発したことを記事に書いた。
ちょっと疲れていたのかな、と思う。
ところが。焼肉を食べに行った次の日「今日は8時までに学校行く!」と言い出したのだ。
「焼肉食べたこと、みんなに言いたいもん!」とのこと。
その日は実際に、学校についてから玄関で会った友達に
「昨日、焼き鳥…じゃなくて、焼肉食べてんよ!お昼に!」
とめちゃくちゃ笑顔で自慢していた。
その後、教室に入るなり先生に
「昨日は焼肉を食べに行ったんや!お父さんとお母さんと一緒にね!」
と大声で話していた。
その日の連絡帳には
「焼肉を食べに行ったことが相当うれしかったようで、今日はものすごいパワーで頑張ってましたよ。ワークも集中して取り組めたし、掃除も床ふき10回以上してました!」
と先生の感動コメントが書いてあった。
*
夫とは「焼肉がめちゃくちゃ効いたみたいね」と話をした。
なにより、「お父さんとお母さんと、三人で楽しい時間を過ごせた」ことが大きかったのだと思う。
息子にとって、良い充電になったのかな、と。
焼肉パワーで今週は毎日、8時登校ができた息子。
これはこれでとても嬉しいことなのだが、「無理しないでね」とも思う。
過度に期待しているわけじゃないが、「調子いい日」が続くとどうしても「今日も行ける!かな?」って思っちゃう私がいる。
周りもそういうふうに期待してるのがわかる。
それが逆に怖いと感じてしまう。
人間だもん。浮き沈みがあって当たり前。
だから、過度に期待はしない。
でも、焼肉で息子の気持ちが満たされて、やる気スイッチが押されたのなら、それはそれでとても嬉しい。
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