リナリア / 椋子

ただ薄れてゆく
また惹かれてゆく
忘れようだなんて
端っからできっこなくて
また薄れてゆく
ただ惹かれてゆく
とっくに気づいてる
貴方を想っていた

恋をした後の愛を
他の誰でもない貴方からのそれに
触れてみたい 素直に言えない
言葉にするのが怖くて

小さなお姫様
金魚のように揺られながら
「この恋に気づいて」と
輝き放って

傷ついて 傷つけて
気づかれないように
花の中に
隠すの

ねえ薄れている
ねえ惹かれている
私を見ている
その目に重ねる
ねえそのひとは誰
私を見ていて
少しだけでいい
私を想ってみて

少しの優しい言葉に
愛は一ミリも混ざってはいない
期待をして 突き放されて
また貴方を好きになる

膨らんで
破られて
気づかれないように

「気づいて」

歌っている 笑っている
貴方の声 貴方の顔
頭から離れなくて
また心臓を 握られる
ねえ リナリア
この痛みは
消えないのね

寒いのは 平気よ
枯れ、命尽きるまで
貴方を