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自分のための付箋

親が実家で育てたキク。
仏花用にと畑からとってきて、裏口に置いてあったもの。
花びらについた花粉や揃ってない茎の長さ、とりあえず置いた感とか、雑だけど魅力的だなと思って撮った。

私は、楽しい思い出が記憶から消えやすい。
そのくせ嫌な記憶は何度も思い出して刻み込んでしまうので、やたら詳しく覚えている。
ふつうの毎日なんかなおのこと、会話もぜんぜん思い出せない。

以前、日記を書いていたのは、楽しかったことやふつうのことを、忘れないためだった。
自分でもひくくらい事細かに記していた。
そんな書き方だったので、たった1日出かけた内容だけでも数時間かかり、徐々に時間が取れなくなってきて、そのうち写真に変わった。

地元はとくに嫌な記憶が多いので、
撮るのはほとんど出先か実家のまわりだけ。
そこから、いつか思い出したくなるであろう記憶を撮っている。
できるだけきれいな形で。
「めっちゃいい感じの田舎やね」とよく言われるけど、自分が自分のためにそういうふうに撮っているんだから当たり前とも言える。

人間関係のもつれや生きる事の苦悩みたいなものがテーマにならないのは、
楽しいことやふつうのことを思い出すために撮っているからだと思う。
リアルすぎる現実は、流れていく日々の中だけで十分だ。

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