りりー

日々考えていること、忘れたくないこと、思い出話など。 哲学科で学び、院進学するつもりが…

りりー

日々考えていること、忘れたくないこと、思い出話など。 哲学科で学び、院進学するつもりが学者に向かないと悟り、気づいたら外資系コンサルで事業戦略策定やM&Aに従事しているアラサー。 夫と娘と猫と暮らす。 カメラと楽器と製菓・製パンが趣味。

マガジン

  • 親になって

    親になって気づいたこと、学んだこと。子供によって私の世界が広がっていく。

  • 昔の話をば

    これまで書いてきた私の幼少期から高校生までの話。思い出話は思い出した時に残さないと。

  • 社会人を生きる

    キャリア論ってほど大層なものではない。ただ、それなりに働いて考えてきたことを伝えたい。

最近の記事

“幸せ”ってなんだろう

年始に久しぶりの投稿をしたと思ったら、何だか胡散臭い自己啓発セミナーみたいなタイトルになったが、これはある夜の我が夫婦のトークテーマである。 子が寝た後、夜ご飯を食べながらの夫婦の時間には、時に答えのない、徒労とも言える会話が繰り広げられている。 その日は、夫の 「状況を見たら僕は随分幸せだし、恵まれているって自覚はあるんだけど、俺めっちゃ幸せだー!みたいに心から言うことができないんだよね」 という呟きから始まった。確かに夫は、妻の私が言うのも何だが、どちらかと言うと順

    • スマホで撮る意味

      先日、子供を預けて久しぶりに夫と2人で美術館へ行ってきた。 普段の美術館と違うザワついた空気が、夏休み中だったことを思い出させた。とりわけ暑い日だったこともあり、展示室の真ん中に置かれたソファで汗を拭き拭き休憩している人も多い。 私たち夫婦は混み合った場内で互いの位置を何となく気にしつつも、それぞれのペースで絵を見始めた。 見始めてすぐに、妙な気配を後ろから感じた。サッと避けると、私の後ろにいた女性が素早くパシャパシャとスマホで絵画を写真に撮った。 "え?何?気に入っ

      • 20年越しの童謡の深み

        家で過ごす時、よく音楽を流している。コロナ禍で在宅勤務が主流だった頃は、好きなクラシック音楽かジャズピアノばかりを流していたが、最近は童謡を聞きながら子供をあやすことがある。 20年以上ぶりに聞いた曲でも不思議と歌えるもので、スッと歌詞が出てくる自分に驚く。そして自分で口ずさんでいながら、その歌詞の深みにハッとさせられるのだ。 例えば、アンパンマンの原作者であるやなせたかしが作詞した『手のひらを太陽に』は名曲として名高いだろう。 戦争を体験しているやなせ氏から生み出され

        • 新卒一年目から転職を考える意義について、六年目が答えてみた。

          ゴールデンウィーク、この春社会人になったばかりの弟が遊びに来た。姪っ子に会いに来るという名目で訪ねてきたのだが、もっぱら話題は仕事のことだった。 欧米のカルチャーを比較的強く反映している私の会社に対し、弟の職場は官公庁。私とは全然違う、かなり特殊な環境であることは想像できた。しかし、話を聞くと予想を上回る面白びっくりなことばかりだった。"びっくり"の具体的な内容は控えるが、弟としては、覚悟していたもののイマイチだなと首を傾げてしまう点もあるようだ。話を聞く分には面白いが、当

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          4本
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        記事

          ラジオに救われている

          最近、ラジオを聞く時間がグッと増えている。育児に専念していると大人と喋りたくなる、という話は本当だったようで、私はその欲求をラジオを聞くことで満たしている。 我が家に赤ちゃんが来て数ヶ月、夫は2ヶ月ほどの育休を終え、この春から仕事と家事・育児との両立が始まった。私はもう暫く休職し、日中の家事をこなしつつ赤ちゃんと猫と過ごす、人と話さない日々になった。 まだ首も座らない赤ちゃんを抱えていると、遠くても片道15分の病院に行く程度。毎日の行動範囲は、近所の公園へのお散歩や駅前ま

          ラジオに救われている

          母になった日

          土曜日の夕方、急に破水して病院に行った私は、分娩台の上で「なんだかとんでもないことを始めてしまったな」と今更思っておりました。子供を持とうと夫婦で話し合ってから約1年、その内10ヶ月ほどは妊娠生活を送っていたにもかかわらず、やっと今更親になることの自覚が芽生えたようでした。 振り返ってみると、妊娠がわかった時も、悪阻の時も、胎動を感じるようになった時も、どこかふわふわした気持ちのまま、子供を産むことの重大さをあまり分かっていなかったと思います。計画無痛分娩を予定していたこと

          母になった日

          サンタさんの正体

          毎年自分にプレゼントを届けてくれるサンタクロースというものが、白いひげの外国人のおじいさんではなく、自分の親(あるいは祖父母や親戚など)と気づいたのはいつだろうか。 私はというと、かなりはっきりと覚えているが、4歳の頃には既に親がクリスマスプレゼントをくれていると気づいていた。ただ、空気を読んでかなり大きくなるまでそのことについて誰にも言ったことはなかった。小学校高学年でサンタさんを信じているのか論争が流行っても、関わらないようにしていたくらいである。 私が早々にサンタさ

          サンタさんの正体

          最終出社日

          先日、産休前の最終出社日を迎えた。体調が決して良くない中、ギリギリまで忙しかったこともあり、“あと〇〇日…!”と指折り数えていたくらいには、この日が待ち遠しかった。 新卒として入社して5年弱、ノリノリで仕事をしていた時もあれば停滞期もあったが、総じて密度の高い時間を過ごしてきた。若さに任せてノンストップで走ってきた部分もある。今や社内での自分の地位をある程度確立し、案件に貢献している自負心もそれなりにあった。案件によっては辛い局面もあったが、それなりに楽しめる程度には心の余

          最終出社日

          ウパちゃんの思い出

          今年の夏、10年間我が家の洗面器で暮らしたウーパールーパーのウパちゃんが旅立った。高校生の時に私が縁あって譲り受けてきた子で、私が結婚して家を出てからは弟が面倒を見ていた。 ウーパールーパーの寿命は10年程度というのはあらかじめ知っていたし、実家に顔を出すたびに立派だった鰓が少しずつ小さくなっているのには気づいていたので、弟から死んでしまったとLINEが来たときは、特段驚くでもなく、とうとうその時が来たかと冷静に受け止めた。それでも、夫にウパちゃんが死んでしまったと伝えなが

          ウパちゃんの思い出

          悪阻になってみて

          ここ数か月、Noteを更新できなかった。この度妊娠が分かり、悪阻で日々をやり過ごすのに精いっぱいだったためである。一般的に悪阻が収まると言われる時期を過ぎで大分経つ今もなお、気持ち悪さや胃もたれ、貧血に悩まされ、日によっては使い物にならない。しかし、生まれてこのかた大病をしたことがなく、インフルエンザも3日程度で回復する健康体の私にとって、数か月にわたるガチの体調不良は初めての経験だったので、記憶が薄れないうちにこの体験を書き残しておこうかなと思っている。 振り返れば私の悪

          悪阻になってみて

          友を天秤にかける

          先日、高校時代の友人A子から結婚パーティーの招待が来た。A子は、高校3年間同じクラスだった比較的仲の良い友人で、卒業後も何度か会っており、私の結婚式にも参列してくれた子である。 旧友の結婚ほど嬉しいものはない。しかし、私はこの結婚パーティーへの参加を渋っていた。なぜなら、土日を使って、遠方のリゾートで泊りがけのパーティーとなる予定だからだ。 予定がだいぶ先なので先約は特になかった。しかし、余りに先のことなので何が起こるかわからない。仕事や家族の都合で直前に参加できなくなら

          友を天秤にかける

          パンをこねる

          日曜日の昼下がり、私はパン作る。先週はシナモンロール、先々週はチョコレートデニッシュ、その前はレーズンパン。一部は出来立てを戴き、残りは焼く前の状態で冷凍保存し、平日のおやつに取っておく。今週末は何を作ろうかな、と夢想するのも楽しい。 パン作りを始めたのは最近である。昔から、マドレーヌやマフィンといった家庭のお菓子作りには馴染みがあり、コロナ禍の初期から、休日は偶におやつを自給自足していた。そして”おうち時間“も2年目になると、暇に任せて工程が複雑な絵柄を施したクッキーやら

          パンをこねる

          私は小説を読まないようにしている

          私は小説を読まないようにしている。小説が嫌いなのではない。生活に支障をきたすので、やむを得ず自制しているのである。 思い返すと、私は幼少のころから読書の習慣をしっかりとつけてもらっていた。家にはたくさんの本があったうえに、物心ついたころには母が毎晩数冊の絵本を読んでくれていた。今でも、実家には大量の絵本がそのまま大事に保管されている。 小学生になる頃には、絵本ではなく活字の小説を読んでもらうようになった。アンデルセンやグリムの童話全集、千夜一夜物語、ギリシア神話等、子供用

          私は小説を読まないようにしている

          E先生との思い出

          私は某私立女子校の出身である。 母校は幼稚園から大学院までそろった一貫校でありながら、高校卒業後はほとんどの生徒が他大学に進学するという学校だった。漏れなく私も大学受験をし、青春を謳歌しつつも、高校3年間は受験色の強い日々だったように思う。 私の女子高生時代については、担任のE先生なくして語ることはできない。毎年クラス替えがある中で、私は高校の3年間、ずっとこのE先生が担任だった。 E先生は、私たちを送り出すと同時に定年を迎える大ベテランの先生で、子育てをしながら30年

          E先生との思い出

          君は薔薇より美しい

          先日、たまたま見たテレビの歌番組で、歌手の鈴木雅之が名曲をカバーしていた。昭和の歌謡曲からYOASOBI等最近の曲までカバーしており、各曲のオリジナリティを残しつつ全て鈴木雅之の歌になっていて、とても面白かった。ほかのカバー曲も聞きたくなったので、早速彼のカバーアルバムをiTunesで手に入れてランダム再生で聞き流していると、布施明の「君は薔薇より美しい」のカバーが流れてきた。 言うまでもないが、「君は薔薇より美しい」は1979年リリースの布施明の代表曲だ。平成一桁生まれの

          君は薔薇より美しい

          拝啓、まっしろな毛玉のきみへ

          きみが我が家にやってきて、今日でちょうど一か月になりました。 もう随分と前からうちにいる気がします。一か月前より体が大きくなり、歯も生えそろってきましたね。心なしか、そのまっしろな毛もモフモフしてきた気がします。 きみが生まれたのは岐阜県の田舎町、私たち夫婦の友人の実家の庭先だと聞いています。君と同じくまっしろなお母さんは、きっとわかっていたのでしょう。この家なら自分の子猫を保護してくれる、と。普段は空き家のその家に、飼い猫を伴った友人が、東京からたまたま帰省していたのです

          拝啓、まっしろな毛玉のきみへ