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成人式と、おばあちゃんの病気と記念写真。強い後悔。


ああ、成人式なんだな。

私も自分の成人式を思いました。

少し顔を出すつもりだった。ワンピースを買っていたピンクのやつ。
でも行かなかった。
母親は成人式行かないの?と呆れたように聞いたけど、悲しそうだった。
私は親不孝な娘。
ごく一般的な幸せさえもプレゼントできないのは昔からだな。

祖父母からはお金が送られてきていた。でも写真は撮らなかった。
なんでって。
ボーイフレンドと遊んでいたから。そういうやさぐれた時間を過ごしていたから。
成人式も行かなかった。
ボーイフレンドと遊んでいた。

友達からも連絡が来たけど今更行けない。
その日はなんだかパッとしない感じで、自分に不機嫌だった。

成人式の招待状はそれから数年クローゼットにしまったまま捨てることもできなかった。

成人式から何年経っただろう。

おばあちゃんの具合が悪くなった。
なぜか私は「成人式の写真を撮らなきゃ」と思った。
それを1番に思った。
その勢いで、着物のレンタルショップに駆け込んだことまでは覚えている。
でもその後のことは全く覚えていない。そして写真も撮っていない。

後悔していた。
祖父母からのお金を遊んで無駄遣いしてしまったこと。
そのお金はあきらかに成人式の写真用のものだったのに。
成人式に出もしないで男と遊んでいたこと。
そして、母を悲しませたこと。

たったそのひとつのイベントをたった1日を、自分ではない人のために使うことができたらよかったのに。
着物を着ていなくても、成人式に行って友達と撮った写真を送ってあげればよかったのに。
成人式に行かなくても、せめて可愛い振袖写真を撮ればよかったのに。

当時の職場の先輩は成人式は絶対に出たほうがいいと言っていた。
今ならわかる。
人の言うことは全く聞くタイプではないけど、あの時の彼女の言葉は真実だった。

今年ももれなく後悔してる。
あの時に私をぶん殴って無理矢理成人式に連れていきたい。
ぼこぼこの顔で記念写真を撮らせたい。

あれから20年経つのに。まるであの時のまんま。
早く大人になりたい。

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