Lily Miyata

大学非常勤講師。ジェンダーとセクシュアリティやHIV/AIDS予防に関する社会学的研究…

Lily Miyata

大学非常勤講師。ジェンダーとセクシュアリティやHIV/AIDS予防に関する社会学的研究に取り組んでいます。

最近の記事

「困難女性支援法(案)」:何がどう問題なのか?

はじめに2023年1月30日(月)、参議院議員会館で開催された「困難女性支援法」のよりよい運用に向けた院内集会に参加してきました。同法案は、①困難女性支援を売春防止法の枠組みから脱却させ、さらに②新たな支援枠組みの構築を目指すというもので、昨年5月に議員立法によって可決・成立し、今年4月から施行されます。 以下では、今回の院内集会の内容を踏まえ、成立過程と法案にもとづく方針案それぞれの問題について考えたいと思います。 成立過程の問題①有識者会議を構成するメンバーの偏り

    • 「セックスワークにも給付金を訴訟」:東京地裁判決を受けて

      判決は請求棄却本日(2022年6月30日)、「セックスワークにも給付金を訴訟」において、東京地方裁判所(岡田幸人裁判長)が請求棄却とする判決を下しました。 判決は、国民の大多数が性風俗産業を性的道義観念に反すると思っており、性風俗事業者への持続化給付金支給も国民の理解を得られないとするものでした。 なお、「国民の大多数」とか「国民の理解」と言いますが、意見の募集も投票もアンケートも実施したわけではありません。証拠にもとづいて合理的判断を下すべき裁判所が、証拠もないのに国民

      • 「結婚の自由をすべての人に訴訟」:大阪地裁判決をうけて

        記者会見と報告集会への参加昨日(2022年6月20日)、大阪地方裁判所で「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟の判決が下されました。私は大学に用事があって傍聴には参加できませんでしたが、その後大阪弁護士会館にて行われた記者会見と報告集会には参加してきました。報告集会は配信される予定だったので自宅で観ようかとも思ったのですが、判決結果をネットニュースで知って、気が抜けると同時に居ても立ってもいられない気持ちになり、大学の用事が終わると迷わず大阪弁護士会館に向かいました。 訴訟資

      「困難女性支援法(案)」:何がどう問題なのか?

      • 「セックスワークにも給付金を訴訟」:東京地裁判決を受けて

      • 「結婚の自由をすべての人に訴訟」:大阪地裁判決をうけて