改めてシャッフルディスカッションを語る
このnoteは、
softdeviceのみんなでゆるく記事を書く。 Advent Calendar 2018
の12/23の記事です。
もともと学生の頃からワークショップを企画・設計・実施するのが好きでした。一時期ワークショップから離れていたのですが、ここ数年で非常勤講師をしたり、プロジェクトでワークショップを実施することも多くなりまた関わることが多くなってきたので、初心に帰るべくワークショップ技法について語りたいなと。
『アイデアをカタチにして共有することで、意志が見えてくる』
そんな為にワークショップを活用しています。というのが伝わればいいかなと。
あ、ご紹介遅れました。ソフトディバイスで、プロジェクトマネジメントやらリサーチやら営業活動やらデザインなどを、やっております。野々山と申します。
今回は、僕が学生の時、13年ほど前に「他己紹介」をベースに考えた「シャッフルディスカッション」というディスカッション技法を考えたいなと。
10年前に、Xデザイン学校の浅野先生がやり方については詳しく書いてくれています。
シャッフルディスカッションは、ワークショップで
1:アイスブレーク
2:ブレスト
3:アイデアまとめ
4:アウトプット
とあるとすれば、3の途中ないし、3と4の間に挟むと良いでしょう。
できれば、アイデアが固まりきっていない状態か、煮詰まってしまいそうな時に活躍するディスカッション技法です。
シャッフルディスカッションの効果は、僕が思うに
1:生煮えのアイデアを他人に説明するため、まとめる機会が増えること
2:説明するうちに、引っかかるポイントやウケが良いポイントがわかる
3:他の人のアイデアを聞いて、自分たちのアイデアとの違いに気づく
この3つが大きいと思います。
まず、1について。
この件については、前述の浅野先生が研究されており、その論稿をお読みいただくと良いと思います。僕個人的な思いの部分を語らさせていただくと、ワークショップでは、小刻みに発表する場を設けた方が良いでしょう。
ただ、発表というのは、「全員に共有しないと。。。」と思ってしまいがちですが、感覚的な感想レベルですが
・無理に「まとめる」こと
の方が重要なので、必ずしもオーディエンスが大勢いる必要は無いと思っています。
これは、運営にもメリットがあって、同じ時間に複数の人がプレゼンするので、発表の時間として短く設定できます。
次に、2については
・生煮えの状態で「アウトプット」してみる
と言い換えることもできるかと思います。
ここで重要なのは、
・自分のアイデアが喋りやすいかどうか?
・自分のアイデアをわかりやすく図示できるか?
に集中することです。相手に伝えると同時に、内省的にアイデアへの違和感を探る姿勢が重要だと考えています。
最後に、3について。
これは、浅野先生の論稿では効果がなかったとされましたが、atitude次第かな?と思うところもあるので、その部分を語れれば。
シャッフルディスカッションを導入する段階では、だいたい、お互い生煮えなので、中途半端な「共感」では、生煮えから発酵してしまうので、criticalの精神が重要だと思っています。『突破するデザイン』から引用すると、「スパーリング」のような気持ちで説明者に向かうこと。
「互いの弱さを探し、強く打ち合うのである。しかし、相手をノックダウンすることが目的ではなく、強くすることを目指すのである。」
出展 『突破するデザイン』 ロベルト・ベルガンティ(著)
これをシャッフルディスカッション時に、具体的にどうやれば良いか?と聞かれた時に、
「着目点」
「そこから進みたいベクトル」
について探ると良いよと説明しています。
自分のそれぞれとの、類似点や相違点を考えることで、たくさんのwhyやwhatが産まれてくると思います。
さらに、生煮えの状態だからこそ成立する考え方だと思うのですが、
「自分だったら、どうするか?」
を考える。
ここが強く打ち合うの部分かな?と思うのですけど、そういった姿勢で取り組むことで、シャッフルディスカッションがより良いディスカッションになるかと思います。
こんな感じで、ワークショップやデザインプロジェクトマネジメントのコツみたいなものを内省的に語って行ければ良いなぁと思います。