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[調べてみた]成田発着便の約40%がペットを機内持込みできる事実

石田ゆり子さんや 梅宮アンナさんなどのコメントが炎上してしまって、すっかりペットを飛行機に乗せるなんて常識ないという雰囲気が広がっている。それは日本の中の常識というものなのではないかと思うだ。もちろん、最終的にペットを飛行機旅行に連れて行くかいかないかは個人の自由だし、様々な考え方があって当然だ。ただ、様々な選択する自由があることが、社会のダイバーシティというものではなかろうか。

日本の常識が世界の常識とは限らない、そう思い、成田発着の国際線の航空会社のうちペットと機内搭乗できる航空会社を洗い出してみた。成田発着のみにしたのは、日本一の国際線ハブであり、傾向を把握するには十分と考えたから。

成田発着の国際線約40%が機内のペット持ち込みOK

成田空港発着する航空会社91社(参照)のうち、36社が機内持ち込み可能ということがわかった。成田を発着する航空会社のうち約40%という割合は、多い印象ではないだろうか。これこそ、日本全体の当たり前が世界の当たり前ではない。成田空港の国際線半数近くの当たり前とはズレていそうだ。

ペット持ち込み可能な航空会社の地域分布

これこそ、国ごとのペットと人間の関係が映し出されているように思え、非常に興味深い。

✔︎欧米系路線
総じて小型ペットの持ち込み可能。どこにでもペットを連れて行けるというのがアメリカとヨーロッパ社会の標準なので、飛行機も当然乗れるのだ。現在のアメリカのペットの飼い主の声としては、大型犬を貨物に乗せたくない渦が巻き起こっている状況なので、日本と論点がかなり違う。

アメリカに住むエミリーさんの写真を拝借。サービスドッグ(介助犬)認定があれば、キャリーに入れなくても良い。

ちなみに、北欧のフィンエアーに至っては犬や猫だけでなく、亀やウサギもOKだ。そして、太陽の国スペインのイベリア航空は魚も機内持ち込みOKだそう。魚に機内と貨物の違いは分かるのだろうか・・・・

✔︎アジア系は韓国系、ベトナム航空、モンゴル航空、エア・インディア
アジアでは大韓航空からチェジュエアーまで韓国系のすべての航空会社が犬と猫の搭乗を許可。欧米系が持ち込み制限重量を総じて8kgとしているのに対し、モンゴル航空もエア・インディアも5kg。これはキャリーの重さも込みの重量なので、相当小さい犬か猫を想定している。アジア人は体が小さいだけでなく、ペットも小さいのがお好みのようだ笑(下のTikTokビデオ参照)。

一方、中華系及び日本は総じて、ペットの機内持ち込みを許可していない。

✔︎驚くなかれ。中東系はエティハド航空、エジプト航空、エルアル イスラエル航空
興味深いところでは、エティハド航空。犬はイスラム教では不浄な生き物とされている。当然最高の航空会社と謳われるエミレーツなど中東系の航空会社はペットの機内持ち込みは不可。その中でも、エティハド航空は異色。他の航空会社がペット料金100ドル〜600ドル程度のペット料金が、エティハド航空の場合は破格の1,500ドル・・・。そして、ファーストクラスとビジネスクラスは、ペットを足元に置くスペースがないので、隣の席を購入するように、という注意書き。

UAEでペットを海外旅行に連れて行くということは、18世紀のヨーロッパ貴族のような行いと捉えられているのであろう。エティハド航空にペットを連れて乗る人は、他の人にはこんな肖像画のように見えるのではなかろうか。

イギリス王 ジョージ1世の娘「ゾフィー・ドロテア」とパピヨン

そして、エティハド航空とエジブト航空では犬と猫の他に、ハヤブサを許可している。アラブの富裕層のペットの定番がハヤブサなのだそうだ。美しいものは1000万円するとか・・・。ハヤブサとチワワが同じ空間にいた場合、チワワがフライトを違う意味で生き残れるか心配になるのは、わたしが愛犬家であるからだろう。

ハヤブサが搭乗することは珍しくないが、これだけの数はさすが珍しい by CNN

✔︎ロシア系航空会社のペットの基準はEUスタンダード
政治では揉めているが、ペットの機内持ち込み基準においては、ロシアはEU基準を踏襲している。政治状況が今のようになる前までは、ヨーロッパの主要観光客はロシア人が多かったことを思うと、ロシアからペットを連れてヨーロッパを旅する人も多かったのだろう。そして、きっと逆も然り。

プーチン氏も犬好きのよう。日本からの犬の贈り物は受け取らなかったようだが。

結論、世界でもペット同伴搭乗は現在発展途上

繰り返しになるが、成田発着をする国際線のうち40%の航空会社はペットの同伴搭乗を許可している。ただ、その内容や基準は、統一の指針があるわけでない。何をペットと考えるのか、どのくらいの自由度が適切な匙加減なのか、さらにはペット料金いかほどかは、各航空会社の感覚で決まっているように見受けられる。

例えば、座席の足元が広いビジネスクラスは、離陸着陸時に足元にペットを収納できるスペースがない。このことは多くの航空会社の共通事項だが、エールフランスはビジネスクラスでペットの受け入れをしない方針を立てた一方、エティハド航空は隣のビジネスクラスの席を購入せよというルールを作った。左翼的で自由民主的なフランスと、富豪と王族の国の問題解決の方法の違いなのか?などと勘ぐってしまう。

成田発着ペットの同伴搭乗可能な、36社一覧を公開!

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\begin{array}{|l|l|l|} \hline

\text{アエロフロート・ロシア航空} & \text{dog, cat, birds } & \text{8 kg} \\ \hline

\text{アエロメヒコ航空} & \text{dog, cat} & \text{9 kg} \\ \hline

\text{アシアナ航空} & \text{dog, cat, birds } & \text{7 kg} \\ \hline

\text{アメリカン航空} & \text{dog, cat} & \text{Soft crate 46 x 28 x 28 cm

20 lbs. / 9.07 kg in Business or First} \\ \hline

\text{アリタリア-イタリア航空} & \text{dog, cat, ferret, canary} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{イベリア航空} & \text{dog, cat, fish, tortoises, birds} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{エア インディア} & \text{dog, cat, birds } & \text{5 kg} \\ \hline

\text{エア・カナダ} & \text{dog, cat} & \text{The carrier must fit under the seat in front of you.

Soft-sided carrier

Height: 27 cm (10.5 in)

Width: 40 cm (15.5 in)

Length: 55 cm (21.5 in)} \\ \hline

\text{エアソウル} & \text{dog, cat, birds } & \text{7 kg} \\ \hline

\text{エア タヒチ ヌイ} & \text{dog, cat} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{エアプサン} & \text{dog, cat, birds } & \text{7 kg} \\ \hline

\text{エジプト航空} & \text{dog, cat, falcons } & \text{8 kg} \\ \hline

\text{S7航空} & \text{dog, cat, birds } & \text{8 kg} \\ \hline

\text{エチオピア航空} & \text{dog, cat} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{エティハド航空} & \text{dog, cat, falcons } & \text{8 kg} \\ \hline

\text{エールフランス航空} & \text{dog, cat} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{エルアル イスラエル航空} & \text{dog, cat, birds } & \text{9 kg} \\ \hline

\text{オーロラ航空} & \text{dog, cat, birds } & \text{8 kg} \\ \hline

\text{KLMオランダ航空} & \text{dog, cat} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{ジンエアー} & \text{dog, cat, birds } & \text{7 kg} \\ \hline

\text{スイスインターナショナルエアラインズ} & \text{dog, cat} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{スカンジナビア航空} & \text{dog, cat} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{ラタム航空} & \text{dog, cat} & \text{7 kg / 15 lb.} \\ \hline

\text{ターキッシュ エアラインズ} & \text{dog, cat, bird} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{大韓航空} & \text{dog, cat, bird} & \text{7 kg} \\ \hline

\text{チェジュ航空} & \text{dog, cat, bird} & \text{7 kg} \\ \hline

\text{ティーウェイ航空} & \text{dog, cat, bird} & \text{9 kg} \\ \hline

\text{デルタ航空} & \text{dog, cat, bird} & \text{no weight or breed limitations (The carrier must fit under the seat in front of you) Max dimensions of 18” x 11” x 11” } \\ \hline

\text{ハワイアン航空} & \text{dog, cat} & \text{11 kg / 25 lbs} \\ \hline

\text{フィンランド航空} & \text{dog, cat, rabbits, tortoises and hedgehogs*} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{ベトナム航空} & \text{dog, cat} & \text{6 kg} \\ \hline

\text{MIATモンゴル航空} & \text{dog, cat} & \text{5 kg} \\ \hline

\text{ユナイテッド航空} & \text{dog, cat} & \text{no weight or breed limitations (The carrier must fit under the seat in front of you)} \\ \hline

\text{ラタム航空} & \text{dog, cat} & \text{7 kg / 15 lb.} \\ \hline

\text{ルフトハンザドイツ航空} & \text{dog, cat} & \text{8 kg} \\ \hline

\text{LOTポーランド航空} & \text{dog, cat, ferret} & \text{8 kg} \\ \hline

\end{array}

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上記各航空会社Webサイトを参照


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