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エリカ

年間パスを購入してある新宿御苑。
最近近所で用事がある機会が多く、
かなり頻繁に入園ています。
新宿門から入り千駄ヶ谷門から出て、
またその逆を行ったりと
用事ついでに都心散策を楽しんでいます。

その園内の隅の方に、あまり注目も浴びずに
植っている木があります。
園内マップにも載っていなくて。
花名の札もなく、無造作に、ポツンと立っている。

エリカです。

私がエリカの花を知ったのは遠い昔、
エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」で。
象徴的な花として情景描写に登場します。

北イングランドの荒涼とした大地に
そびえ立つお屋敷を舞台に繰り広げられる
愛憎、悲恋、復讐とドロドロの人間関係が
描かれている長編小説です。
1847年刊行なのでもう180年近く前の物語。

1939年と1992年に映画化されています。

日差しも弱く、冷たい風が吹き荒ぶ大地に
群生している低木のエリカの花が一斉に
寒風に揺られるシーン。
過酷な環境から逃げることなく(逃げられず)
運命を受け入れ逞しく生きていた
ヴィクトリア朝(1830~1900)時代の人々の
イメージを低木の花のエリカに重ねていました。

そしてかつて住んでいたドイツの
家の前庭にも敷き詰めるように
低木のエリカが植えられていました。 

NTTドコモ代々木ビルとツーショット



それが明るい早春の日差しの下
都心の公園を散策中の私の目の前に
のびのびと咲き誇るエリカは
背の高い木の花として現れたのです。

なのでこの木を見つけた時は
本当にびっくりでした。

環境と管理が良くてここまで成長したのかと
思いました。が、

700種類以上の種がある常緑性の木本で、
低木になるものから小高木になるものまであり
樹高はほとんどが1m以下と低いが、
一部には5mを越えるものがある

Wikipedia

どうやら私が知っていたエリカは
耐寒性のあるヨーロッパ・ヒースのみで
そもそもそれ以外の種があるなんて
想像もしてなかったのです。

御苑のエリカは小高木になる種でしょう。
数年前にその存在に気づき、以来
嬉しそうに元気に咲いている姿を見たくて、
開花の時期は必ずエリカの木に立ち寄ります。

満開のエリカ









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