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番外編#5 ツイッターと民主主義

ドイツがやっと暑くなってきた。
朝のジョギングでいつもの2倍くらいの汗をかいて非常に気持ちが良い一日。

最近、ツイッターをしていていわゆる「バズってる」投稿が流れてくるのだが、流行ってる動画やら芸人のネタやらあおり運転の様子やらの投稿の中に、たまに政治に関する投稿も流れてくる。政治家や有名人の政治的発言が炎上してるやつ。

いや、炎上自体は良いんだけど、この現象を見てふとなにかがおかしいと感じたので書きながら整理したい。大まかに問題は二つかな。
1つ目は建設的な議論を基に炎上していないし炎上投稿も建設的に議論に繋がっていないこと、二つ目はそれによって出来上がったある種歪んだ政治の姿が(特に若者の)世論形成に繋がっちゃってるなってこと。つまり間違った民主主義の方向に向かってしまっているのでは、という話。

まず一つ目。
炎上している政治家や有名人の投稿を見ていると、「あらあら、これは確かに炎上しそうな発言だな」とは思うが、それは単に尖ったことを言っているだけで、その人は別に盲信的にそれだけを信じているわけではなく他の発言や投稿を見てみると実はニュートラルなことも言ってることがよくある。なのにその炎上投稿のリプ欄を見ると、その投稿を裸で信じてしまってその通り!ってなってること人とか、ただ揚げ足とって批判して信じられないだとかバカだとかアホだとか言ってる人が多い。
そういう炎上の仕方ではなくちゃんと議論になってるケースももちろんあるが、そんな漢字の多い有識者的な長々した議論は誰もフォローして見ようとは思わなくて、どちらかと言えば前者のような炎上形態のほうが多い。
補足で言うと、たまに見る後者のケースは、引用RTのやりあい形式で行われることが多く、議論をフォローしてる側からするとワンページで議論の全体が見えないし何回もクリックしないとフォローできないからとても面倒。
要するにマスツイッタラーの需要的にもツイッター自体の形式的にも、濃度が高く建設的な議論ができるようなプラットフォームになっていない。

2つ目。
よく政治家の記者会見とか総理大臣の発言とかを切り抜いて、「こいつこんなこと言ってるぜwwww」みたいに炎上してることがよくあるが、それに反論を試みるも前述のような壁があり議論にならないし大衆の目に触れることはほぼない。でも改めて考えると、この現象は別に政治に関する話題に限らずおよそツイッターで流れてくる全ての話題において同じことが言えて、例えば有名人が何か尖ったことを言って炎上してる時と総理大臣の発言の揚げ足をとって炎上してる時に起こってる現象は全く一緒。つまり大衆は、政治的なテーマだろうがエンタメのテーマだろうが有名人のスキャンダルだろうが、その投稿の本質を見ることよりも炎上している投稿の異質性に反応したいだけ。
だが、本質的に政治の話題とエンタメ(娯楽)の話題は一線を画したコンテンツであるはず(ある程度の交わりは認めつつ)で、若者のより積極的な政治参加が叫ばれる現代においてこんな短絡的で表面的な視点でしか政治に関心を持つことができないのはおかしい。
僕がここまで言うのは、ツイッターはテレビ(主に公共放送)とは異なり、公平な情報を提供することよりも、偏りがあったとしても話題性の高い情報が注目されるという性格を持ち、かつおよそ多くの若者がテレビを離れSNSに依存しつつあるという現状を踏まえてのこと。
この現状では、ツイッターで形成された政治に対するイメージがそのまま世論になってしまう。これがとても危うい。

本来、テレビ(主に公共放送)の役割は、国民が投票という形で政治参加をする際の意思形成を助けるために、公平で中立な情報を十分に提供することだったはず。つまり公共放送なしには民主主義は成立しない。NHKの中立性が批判されているのは、そこが問題だから。
だからNHKをぶっ壊そうとする人たちが主にツイッターで話題性を生みもてはやされしまいには参院選で議席を獲得するまでに至ったのは、この観点からすればとても危険だということになるのだが、まあそれは置いといて。

話を戻すと、テレビ離れが進みSNS依存が加速する現代において、今のツイッターを見ていると、多くの若者がきちんと政治について議論する環境が整っていないと思う。というより、ツイッターという若者ほいほいの超連携型プラットフォームで建設的な政治の話ができれば最高なのに、現状それとは真逆な環境になっていて、別にその環境自体に悪はないんだけど、他にそういう議論ができる場がないから現実的に若者の政治に対する見方が歪んでしまっていて、これは民主主義的に危険なんじゃないかと思ったから何かしなければと思った話でした。

自分もまだ勉強不足なので数年後に見返したら何言ってんだこの若造は、あ、俺かみたいになってると思うけど、批判ください。勉強させてくれ。

ひぃ。

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