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前回、不動産投資に関する英語表現を学び、

香港市場を引き合いに

出しました。
香港は大変高額で、お金を持っていないと参入が難しいマーケットです。中国本土の大手不動産開発業者が不渡りを出している現状、以前ほどの勢いはありませんが、売買価格は押し下がっているものの、賃貸価格は高止まりしています。
とはいえ、つい最近、不動産過熱抑制策を緩和するという施政報告がなされましたので、思ったより難しい状況になっているのかな、と、疑ってしまいます。不動産売買が加熱しないようにかけていた規制を外すということは、市場の動きが思わしくないということだからです。不動産売買が主産業といって良いほど、みんなが不動産で儲けてきた香港のことが、少々心配です。

今回は、
香港の不動産市場を、ローンと賃料の比較から見ていきましょう。

写真ー1  Hong Kong Properties のHP

最近は便利なサイトがいろいろありますが、この、香港ホームズ というサイトは、英語を基準としているので、見やすいです。参照：https://hongkonghomes.com/

実は、大手不動産会社の中原地産やミッドランド·リアルティなども、
英語で表示できるのですが、メインは広東語で、
英語のページは見やすくありません。
しかし同時に、
広東語がわかれば、
きっとその他の情報も手に入るのだろうな、と思うのです。
例えば現地の人が考える投資の基準はスクエアフィートあたりの金額（日本なら坪単価）がメインです。
また、大手のウェブだと同じビルの中の過去の契約履歴などが網羅されます。
しかし、私は言語ができないため、英語基準の外国人扱いで我慢しております。
それでも日本人は、漢字からかなりのところを推測できます。

HPの右中央にポップしているサーチエンジンに、
賃貸か売買か For Rent or For Sale を選び、
調べたい地域 district その他、広さや金額などの条件を入れると、
対象物件のリストが出てきます。

写真ー２　サーチされた結果リストです。

Rental HKD$21,000 日本円で賃料403,410円（本日の為替レート＠19.21円）の物件です。
ここは、端数を切り捨てて40万円で話を進めたいと思います。

真ん中の Good View Court （物件名）を見てみましょう。

Mid Levels West （地域名：ミッドレベル西区）
2-bedroom 1-bathroom （寝室２とバスルーム１）
SA 561 sf （52平米）｜GA 815 sf （76平米）
訳すと　 販売可能面積　561 スクエアフィート｜総面積　815 スクエアフィート

スクエアフィートから平米数に直すときはおよそ0.093 をかけてください。

ここで、SA (salable area)というのは、
日本などの測り方と同じだと思ってください。
販売可能というより、実質面積という意味が当たると思います。
香港では、長いこと、GA (gross area) を広さの表記に使ってきましたが、
同じスクエアフィートを使うアメリカ人などが、
なぜ香港ではこんなに狭く感じるのか、という疑問のもと、
香港スクエアフィートと分けてアメリカン·スクエアフィートなどと言い出しました。
実は、香港のGAには、廊下やエレベーター、エントランスホール、また豊富についていることの多い、ジムやプールなどの付帯設備も全て部屋数で割ったものを含んで表示してきました。
そこで、現在では
実質の面積を表記することが義務付けられています。
もし載っていなかったら、確認してくださいね。

続いて、
Rental HKD$21,000 Incl.
Price HKD $10,600,000
Monthly Repayment HKD$44,936　

とあります。
21,000香港ドル、およそ40万円が賃料ですが、
その次にある、
Incl. は、Inclusive ～を含むの意味で、管理費や不動産税を含んだ金額
となっています。
ここが excl. だったら、exclusive なので、～を含まない、
ということで、実際に払う賃料はこの金額よりさらに上がってきます。

この物件は、隣の Golden Pavilion にはない、
Price 販売価格 と Monthly Repayment 毎月返済額 が載っています。
持ち主は、貸しても良いけれど売っても良いと思っています。
こういう情報を両方にいっぺんで載せることができるのは合理的ですね。
この賃料なら、売買価格がこのくらい、
というあたりをつけるのにも役立ちます。

販売価格1060万香港ドル、およそ2億3600万円です。
52平米でこの価格。驚きましたか？
賃料40万円の時点で、高いなあと驚きましたが、
買おうと思ったら2億円でも足りないなんて。
それとも、驚いているのは私だけでしょうか。

頭金や返済期間など、条件は個々に異なるけれど
（この場合は頭金20％、利率2.5%、返済期間が20年）
一般的な指標としての Monthly Repayment 毎月の返済額が HKD$44,936
つまり863,220円　
となるわけです。
毎月の返済額が、賃料の2倍以上。
それでも、頑張って払い続けると譲渡益 capital gain が見込めるなら良いですが、今は逆の現象が起きやすいので、買う人は減っていると思います。

前回私が香港のマーケットについて愚痴のようなことを述べております。もしよければご参照ください：

よくみると、

日本の住宅ローンに比べて利率が高めですが、
預金の金利も高いので、実情に即していると思います。
また、香港で不動産を買う時に気をつけたいのは、
土地は全て政府からのリースであるということ、
そして、
1997年の香港返還 Hong Kong Handover から50年は、
イギリス統治下の一国二制度 One Country, Two Systems を継続する
といっていますが、
すでに、25年が経ち、
2047年の完全中国化まで残り半分を切りました。
噂では、現状のリース契約が保証されると言っていますが、
まだ確定文書になっていません。
それに、香港政府が確約しても、実行力があるのかは誰にもわかりません。
香港の人はお金もあり、すぐにパニックになることはないと思いますが、
賃料より高いローン返済額を抱えている人たちは、現在、気が気ではないと思います。
もっとも、かなり古い物件でも、
日本のようにスライド式に市場価値が下がることはないので、
大昔に買って、ローンを払い終わっている人は、
不動産の価値が何倍にもなっているので、多少の価格の下落は怖くないし、
高額な賃料を享受していると思われます。

長くなりましたので、後半は次回へ。
次はリストをクリックして、Good View Court の詳細を見ていきましょう。