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楽しい不動産英単語 第22回 イギリスの家とスタイル Enjoy English Expressions for Properties Vol.21- British Houses and English- Style Homes

<文章からバーチャルな不動産を想像して楽しもう!>
<Fun Reading for Imagining the Virtual Property!>


不動産関連の記事を読むことから英語の学習をするこの企画。広告やデータを読み解くと、なんとなくその国のことが見えてきます。

今回はイギリスの不動産広告を見るときによく出てくる、

イギリスの家のスタイルの表現


を見てみましょう。

以前、このシリーズの第9回で、アメリカ東海岸で移民の入ってくる順番や移民制度の違いが、不動産に反映されているということを見ました。

イギリスやヨーロッパなどでも、かつて栄えた文化の特徴を今に伝える建物がたくさん残っている地域では、それらの言葉が、不動産を表現するときに多く使われ、分かっている人には端的な情報を提供しています。

ここではまず、
その家の作りから
1)家の種類 House Types

道路を形造る街並みからできた
2)建物が形造る道路の名前  Names of Streets Consisted of Building Shapes

そして、次回になりますが、
3)歴史的時代的に分類したスタイル Styles Sorted by Historical Epoch

という分類で考えたいと思います。

1)家の種類 House Types


フラット flat :

すでに述べましたが、ビクトリア調やジョージア調で建てられた5~6階建てのビルを、一軒家ではなく横に水平、つまりフラットに切ってアパートにしたところから、現代でも、マンションやコンドミニアムに該当するものをフラットと言っています。元々は コンバージョン・フラット conversion flat です。


戸建て住宅 / ディタッチト・ハウス detached house

いわゆる一戸建です。隣家と壁を共有せず、前庭や裏庭、そしてゲートも独自のものがあります。

半戸建て住宅 / セミディタッチト・ハウス  semi-detached house

日本ではあまり多くありませんが、イギリスでは少し郊外に行くと、セミディタッチトが一番目につくのではないでしょうか。一つの建物を、左右対称に縦割りにしています。

テラスハウス terrace house 

日本の長屋と共通しています。
定義は
One of a row of houses that are joined together (Cambridge Dictionary : https://dictionary.cambridge.org/dictionary/essential-british-english/terraced-house)
連結する家のうちの一軒 
ということになります。
境界壁 Party wall が共有されている建物のことです。

ただし、日本の長屋のような低所得者用のイメージは持たず、安い住居もあれば、ジョージアンスタイルやビクトリアンスタイルの豪華な連結建築のこともあります。また、それらがゴージャスな街並みを作って、名所になっているものが、イギリスの各所にあります。

また、terraced-house というように、ハイフンでテラスの過去分詞とハウスが繋がった場合も、実は意味するものは同様です。テラスがついている家という意味ではないことが多いので、テラスつきのお家だと思って見に行くと、がっかりするかもしれません。


コテージ cottage

日本人がイメージするコテージで、ほぼ間違いがないと思います。
定義 definition is : a small house, usually in the country side ( Cambridge Dictionary )
小住居で通常は田舎にあるもの

ということです。
一階建てである、などを付け加える人もいます。

お城のようなエステート estate の入り口にある門番小屋 gatekeeper’s lodge / hut などもデザインに凝った可愛い建物のことが多く、B&Bなどで探し当てるとワクワクします。

2)建物が形造る道路の名前  Names of Streets Consisted of Building Shapes

建物の構造を指していると同時に、どのような道路付けになっているかが、呼び名からわかる場合があります。
日本でも、町屋とか、宿場町、城下町、などで、だいたい「ああいう家だろう」と推測できる場合がありますが、
イギリスのスタイルはもっと確立され、
街づくりと家づくりが渾然一体となっているように思います。


ミューズ・ハウス mews houses

日本語に訳すのは難しいですが、日本語でミューズ・ハウスと呼ぶようです。
mews は、馬屋(厩)のことで、
そこを改築した家の街並みをが路地となり、
そこに立つ家がミューズ・ハウスと呼ばれます。
ロンドンにもミューズ・ハウスはたくさんあります。
ビクトリアン・スタイルやジョージアン・スタイルの、背の高いお屋敷に住んでた人たちが、
すぐそばに馬車や馬を囲っていた場所です。
一軒づつのガレージのようになっています。
ですから、
例えば Onslow Gardens という、ビクトリアン・スタイルのお屋敷通りのそばには、
Onslow Mews があります。
たいていミューズにはその始まりと終わりを示すゲートもしくはアーチ gate  or arch が立っていて、secluded (引きこもった/隠遁した)な特別感があります。アーチの飾りなどはアーティスティックなことが多いです。
現在では、かつての馬屋が、
石畳のミューズ通りに面したガレージ付きの2~3階建ての家に改造されていて、
とても人気が高いので、
なかなか住む機会には恵まれません。
お金があれば別ですが。


典型的なミューズハウスの写真です。石畳とアーチが特徴的です。
参照:イギリスの不動産情報サイト rightmove :https://www.rightmove.co.uk/house-prices/details/england-131279207-79309422?s=f836f639fe47b9e988ff226036ddd8157ddddf2c08de39d8420ec6d084c1df06#/


クレッセント crescent (Royal Crescent)

三日月を意味するクレッセントですが、
弓形に曲がった形で、テラスハウスが形成されています。
ジョージアン・スタイルやビクトリアン・スタイルの建物が弓形に並ぶ様は、
豪壮で圧倒されます。
名所になっているものもあります。例えば、
ロンドンで有名なのは、
リージェントパークと合体した Regent’s Crescent リージェント・クレッセントです。
ご覧になった方も多いと思います。
住居と公園と道路、これらが計算された街並みの美しさを堪能させてくれます。

他にも観光名所として有名なのは、
バースにある The Circus at Bath バースのサーカス/大円形建築
そして同じバースにある The Royal Crescent ロイアル・クレッセント 
などです。


写真:バースにある2ヶ所の観光名所 Royal Crescent  と The Circus 参照:Tripexpert: https://www.tripexpert.com/bath/attractions/no-1-royal-crescent-vs-the-circus

次回は、
3)歴史的時代的に分類したスタイル Styles Sorted by Historical Epoch
で、続けてイギリスを見ていきたいと思います。


写真提供ありがとうございます:Photo by backlaw 様


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