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楽しい不動産英単語 第24回 イギリスの家とスタイル-4ー指定建造物 Enjoy English Expressions for Properties Vol.24-4-Listed Buildings of UK

<文章からバーチャルな不動産を想像して楽しもう!>
<Fun Reading for Imagining the Virtual Property!>


不動産関連の記事を読むことから英語の学習をするこの企画。前回に続いて、イギリスの不動産に使われる表現を見てみましょう。

第22回では、その家の作りから1)家の種類 House Types
道路を形造る街並みからできた2)建物が形造る道路の名前  Names of Streets Consisted of Building Shapes

第23回では3)歴史的時代的に分類したスタイル Styles Sorted by Historical Epoch
をみてきました。

今回は、イギリスが歴史を反映した街並みを保存しながら利用していくのに大きく役立っている、保存建築物について見てみたいと思います。

指定建造物とは What is listed buildings?

イギリスに住む人と話していると、ちょっと誇らしげに自宅のことを「ここはリステド·ビルディングだから Because this is a listed building···」というのを聞いたことはありませんか?List の過去分詞、listed をリステドと表現しましたが、コレは歴史的保存建築物として、指定されているという意味です。150年越えのビルが大量にあるイギリスでは、リステド·ビルに住むのは珍しいことではありませんが、その所有者にはさまざまな形で保存に協力するための義務が課されてきます。

以前、アメリカ英語でZillow に載せて市場に出すことを to list for sale と使いましたので、リストの使い方を少し混同するかもしれませんが、文脈から判断してください。

次の文章は、第22回の2)建物が形造る道路の名前、の中のクレッセントでも紹介した、

リージェント·クレッセントの紹介文です。

A rare opportunity to live in a reimagined John Nash masterpiece, Regent’s Crescent is the Grade I listed new build development which offers 67 Grade I listed apartment residences and 9 Garden Villas with exquisite interior design by Millier and developed by the award-winning architects PDP London. 
出典:サビルス

<訳>
再現されたジョン·ナッシュの傑作に住むことができる滅多にないチャンスです。リージェント·クレッセントはグレード1指定の新規開発物件であり、ミラーによる優雅な内装デザインと受賞歴に輝く建築家PDPによって開発された、67件のグレード1指定のアパートメント及び9件のガーデン·ビラを擁しています。

前回、歴史的時代的に分類したスタイルのなかで、
リージェント·スタイルがあり、
その著名な建築家にジョン·ナッシュがあると触れました。
当然歴史的に重要な建物ですので、
指定建築物としての保存法に対応した上で、
現代の巨匠である、ミラーデザインと、PDPという建築事務所が、
現代に甦らせた物件ということになります。

リストの意味がわかってないと、ピンとこないことも、
わかっていれば、この文章から、
どのような価値がある物件なのか、
当然お値段も高いだろう、などということが推測できるわけです。
ちなみにこのウェブサイトの場合、
こちらが情報をインプットしてコンタクトしない限り、
お値段を見ることもできません。
考えてみると、今の時代、
買った物件の値段を周囲の人がネットで簡単に調べてしまう
ことができます。
誰にでも情報を公開するわけではない、
というのは、
売り手と買い手を保護していると言えるかもしれません。

エアB&Bがはやる前から、イギリスではB &Bが盛んでした。そのなかには、歴史的保存建築物を使っているものもたくさんあります。そういうところに泊まって、過去の人たちの生活に想いを馳せるのも楽しいですね。


イギリス指定建造物 Listed Buildings of United Kingdom

指定している団体は
The National Heritage List for England (NHLE) です。
お城の観光などに行って、
ナショナル·ヘリテージの指定物件であることを目にされた方も多いと思います。

ここで参考にしたいのはHistoric England ヒストリック·イングランドというウェブサイトです。
参照:

 
このサイトを見れば、指定物件のサーチ、歴史、また登録手続きまで広範な情報を得ることができます。

指定の種類とタイプについては、
Bidwells ビッドウェルズという不動産会社の説明を
参考にしたいと思います。

指定建築物とは何か?

What is a listed building?
A Listed Building is one that is recognised as being of national importance. Buildings with listed status are recorded on an official register called The List of Buildings of Special Architectural or Historic Interest. Buildings listed on the register are legally protected from being demolished, extended or significantly altered without special permission from the local planning authority.
<訳>
指定建築物とは?
指定建築物とは、国家的に重要であると認められた建築物のことです。リストに指定された建築物は、「特別建築または歴史的興味のある建築物のリスト」の正式登録に記録されます。登記簿に記載された建物は、地域の特別許可無しに、取り壊し、拡張、大幅変更を行うことから法的に守られています。

Listing doesn’t only apply to homes and commercial buildings. Other structures, including bridges, monuments, windmills or parks and gardens, may also be listed.
<訳>
リストは住宅と商業ビルだけに適用されるのではありません。橋梁、記念碑、風車、公園、庭園などの構造物もその対象になり得ます。

Listed buildings are counted among the notable heritage assets in the UK property market’s heritage sector.
<訳>
指定された建築物は、英国不動産市場遺産セクターの、重要遺産資産に数えられることになります。


さて、次に、

どのようなリストの種類があるのでしょうか。

これも上記と同じ、ビッドウェルズの説明から引用します。

The Three Types of Listed Buildings 3種類の指定建築物

There are three main classifications of listed buildings, namely Grade 1, Grade 2* and Grade 2.
Grade 1: Buildings of exceptional interest, of the highest significance
Grade 2*: Particularly important buildings of more than special interest
Grade 2: Buildings of special interest, warranting every effort to preserve them

<訳>
指定建築物には、グレード1、グレード2*、およびグレード2という、3種類の主となる分類があります。
グレード1:非常に興味深い最も重要な建築物
グレード2*:特別な興味以上の特に重要な建築物
グレード2:保存にあらゆる努力を保障されるべき特別な興味の建築物

この訳文を読んでも、どっちが大事なのかよくわからなくなりますが、グレード2が指定建築物の大半を占めています。


史跡案内板、ブルー·プラーク

次に、建築物の保存に一役買っている、
史跡案内板とも呼べるブルー·プラーク Blue Plaque について
見てみようと思います。

ロンドンの街を歩いていると、
瀟洒なビクトリアン·スタイルの建物の壁に、
丸い形の青いパネルが設置されているのに気づくことがありませんか?
よく読むと、歴史的に著名な人が、何年から何年までこのビルに住んだ、
というようなことが記載されています。
バイロンとか、ピーターラビットの著者ベアトリス·ポッター、
ビートルズのジョージ·ハリソンや、ジョン·レノンのプラークを
見たことがあります。
そういう歩き方も楽しみの一つですね。

参照:English Heritage :

前出のヒストリック·イングランドとともに、
イングリッシュ·ヘリテージ  English Heritage を参考にしたいと思います。
ブループラークについても、
また指定建築物についてもここから調べることができるし、
それを基準にした観光の計画を立てるのにも役立ちます。
また、イギリスにお住まいの方などは、
会員になっておくといろいろな情報がもらえて便利です。

National Blue Plaques Scheme

Published 6 September 2023
The Department for Culture, Media and Sport has announced a national blue plaques scheme to celebrate people throughout history who made an important and positive contribution to human welfare or happiness across England.
The scheme, which will be developed and led by Historic England, will recognise that every place has a unique story to tell, and help to showcase the importance of heritage everywhere.
(From :Historic England )

<訳>
全国ブルー·プラーク制度
2023年9月6日発行
文化·メディア·スポーツ省は、英国全土にわたり、人類の福祉や幸福に重要で積極的な貢献をした歴史上の人物を讃えるため、全国ブルー·プラーク制度を発表した。

ヒストリック·イングランドが開発主導するこの制度は、どの場所にも伝えるべきユニークなストーリーがあると認識し、あらゆる場所の遺産の重要性を、表示するお手伝いをします。


窓の下の丸いパネルがブルー・プラークです。ここはかつて、あのジョン・レノンが住んだ場所だそうです。どこにあるのでしょうね。


いかがでしょうか。
リスト指定の物件や、ブループラークの着いた物件が、
それだけで不動産の価格を上げることはありませんが、
やはり
そういう物件に住む特別感は否めないと思います。

そして、そういうプライドが持てるからこそ、
規定された高額なメインテナンス·コストを一生懸命払い、
自分の理想とする街並みに住もうと努力できるのかもしれません。

東京なども、
大手開発業者に町並みを任せてしまって良いのでしょうか。
個人で持っている人が、積極的に町並みを向上させたくなるような、
トリックや助成が必要な気がします。
日本の田舎も、
昔はどこに行っても近隣の農家さんが、
誰のためでもないのに道路脇を綺麗に手入れして、
コスモスが咲き乱れたりしていました。
そういうのが最近、めっきり減っているように思うのは
気のせいでしょうか。

不動産を綺麗に保つのは、かなりの労力と金額がかかります。
しかし、
そういう活動をする時間と余裕が、
日常の生活に組み込めてこその、ゆとりだと思うのです。

ほとんどメインテナンス·フリーの
箱の中みたいな生活をしているのに、
身の回りの掃除で手一杯という
ゆとりのない生活を送っている私。
時々、郊外の庭付き住宅や、田舎の古民家物件に
引っ越したいという憧れに突き動かされるのですが、
家や庭や、ましてや畑まではとても手が回らずに
自分が潰れてしまうだろう、
という現実的な判断から、
都会の箱の中で大人しくしています。
はああ~

Photo byshuma913様、お写真を使わせていただきます。
ありがとうございます。

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