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流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ ~ミールキット編~

私たちは「モノ」や「サービス」を選択する際、「みんなが使っているかどうか」を目安にすることがあります。「みんな」とは果たして誰でしょう?よく考えると極めて曖昧なイメージであり、感覚的なものであることがわかります。しかしその空気が私たちの行動を決める1つの要因になっているのも確かなことです。

本シリーズでは「みんなが使っている」という空気感を頼りに、今と近未来の流行の予想をしてみたいと思います。

24回目は「ミールキット」を取り上げます。料理に必要な材料とレシピがセットになっているため、簡単に調理ができ、料理の時間や手間が節約できるとされています。どのくらい普及しているのかという現状から、これから先の流行がどうなっていくのかを探っていきます。


1.「ミールキット」の現状と認知度

「ミールキット」は、必要な食材がカットされていたり下ごしらえが済んでいたりするため、調理時間やゴミを減らせるほか、買い物や献立を考える手間も省くことができます。インターネットやスーパーなどで購入することができ、料理初心者の人や、忙しくて料理をする時間が取れない人などの利用が見込まれています。


・「ミールキット」の認知率は全体で64%

・「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で6%

・「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で16%


「ミールキット」の認知率は、全体で6割超でした。男女別で比較すると、男性が50%、女性が78%と女性のほうが高い結果です。年代別では30~50代のほうが10~20代よりも高い認知率で、もっとも高いのは30~50代女性で84%となりました。

「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で6%、「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で16%となっています。男女ともに30~50代で利用経験率が高く、もっとも高いのは30~50代女性で23%。現在利用率は、男女で大きな差はみられないものの、男女ともに30~50代のほうがやや高い割合でした。

2.どのくらいの人が利用していそう?~現在の流行体感~

次に、「ミールキット」を利用している人が、現在身の回りにどれくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値です。

その結果「ミールキット」の流行体感スコアは全体で「9.2」で、およそ10人に1人が利用しているイメージを持たれていることがわかります。
年代別にみると、男女ともに10~20代よりも30~50代のほうがやや高めのスコアで、もっとも高いのは30~50代女性となっています。

3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~

次に、「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が利用していると思うか」を想像して答えてもらいました。
グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。

「ミールキット」の流行予想スコアは全体で「24.7」で、およそ4人に1人が1年後に利用していそうというイメージ。現在の流行体感から比較すると、1年後には今の3倍近く浸透しているというイメージになります。
男女別にみると、女性のほうが男性に比べてスコアがやや高くなっています。年代別では、男女ともにほぼ差はみられませんが、利用経験率・現在利用率が高かった30~50代女性のスコアが、もっとも高くなっています。

「ミールキット」を半数くらいの人が利用していそう/誰も利用しないであろう、それぞれの意見をご紹介します。

■流行予想として「半数くらいの人が利用していそう」と思う人の意見

「手軽に利用できるから」(18歳/女性)

「はやってきていると感じるから」(26歳/女性)

「独身者の増加や共働き世帯の増加に伴い」(35歳/男性)

「忙しいときには便利だと思うから」(46歳/女性)

「食に関するさまざまな物の価格が高騰している中、無駄なくいろいろな調理ができそうなので」(53歳/女性)

■流行予想として「誰も利用しないであろう」と思う人の意見

「そもそもミールキットを知らないため」(19歳/男性)

「話題になったこともないし、必要になるとも思わないから」(24歳/女性)

「作る人は一から作るし、作らない人は出来合いのものを買ったり外食したりすると思うから」(29歳/男性)

「便利ではあるが、それを求める需要がどれだけあるか不明なため」(37歳/男性)

「価格が高いイメージがある」(48歳/男性)

4.自分は利用してみたいか?~今後の利用意向~

次に、今後の利用の意向について回答してもらったところ、利用意向がある人の割合(「ぜひ利用してみたいと思う」「機会があれば利用してみたいと思う」の合計)は全体で41%となりました。

男女別にみると、女性のほうが男性よりも高めの割合です。年代別では、男女ともに10~20代のほうが30~50代よりも利用意向がある人の割合が高く、特に10~20代女性では半数以上に利用意向があります。

一方、利用意向がない人の割合(「あまり利用してみたいと思わない」「まったく利用してみたいと思わない」の合計)は、全体で34%女性が3割弱に対し、男性は4割弱と高めでした。

「ミールキット」の利用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。

■「利用意向あり」の人の意見

「大学生になるので料理を覚えていきたいが、ミールキットなら比較的簡単に挑戦できそうだから」(18歳/女性)

「料理初心者でも扱いやすそうだから」(22歳/男性)

「料理が苦手でも使えそうだから」(22歳/女性)

「子どもが小さいので時短で作りたいから」(35歳/女性)

「献立を考える手間や調理の手間が、大幅に減らせるから」(50歳/女性)

■「利用意向なし」の人の意見

「聞いたことがあるだけで、実際はよくわかっていないから」(19歳/男性)

「料理をほとんどしないから」(24歳/男性)

「手間はかかるが作ったほうが安いから」(33歳/男性)

「割高なのと、嫌いな材料が入っていたりする」(35歳/女性)

「自分で考えて作るのが好きだから」(51歳/男性)

5.「ミールキット」は今より3倍近く伸びる!?

ここまでの主な数値をまとめてみました。2023年3月13日時点、「ミールキット」の認知率は64%、現在利用率は6%でした。

流行体感としては、“およそ10人に1人が利用している”イメージを持たれているようです。そして、今から1年後には、現在の3倍近くにあたる“およそ4人に1人くらいが利用していそう”というイメージを持たれています。

男女年代別にみると、利用意向は男女ともに10~20代で高く、10~20代女性がもっとも高く54%の利用意向があります。また、流行体感スコアは男女ともに10~20代よりも30~50代のほうがやや高く、もっとも高いのは30~50代女性となっていました。1年後の流行予想スコアは、男女ともに年代による差はほぼみられませんが、利用経験率・現在利用率が高かった30~50代女性が、もっとも高くなっていました。


手間をかけずに料理が作れるミールキットの認知率は高いものの、現在利用している人は少数。手軽に作れる、食材のロスが少ない、料理初心者でも作りやすいとして魅力を感じている人も多いようです。一方で、価格が高い、そもそも料理をしないので必要がないという意見もありました。共働き世帯の増加や物価の上昇などに伴い、今後の利用がどう広がっていくか注目です。

【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2023年3月13日~2023年3月15日
有効回収数:2107サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

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