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投資を始めたきっかけは「将来への不安」「預金の低金利」「NISAなど優遇制度の認知」がTOP3

LINEリサーチでは定期的に「金融に関する調査」を実施しています。今回は、『投資』に関して、投資に対するイメージや加入状況、今後の投資意向などを調査しましたので、その結果をお届けします。


1.投資に対するイメージは「損をする」「難しい」が並ぶも、男性では「お得なことがある」「知識が身に付く」も上位に

15歳以上の男女に、投資についてどのようなイメージを持っているか聞きました。
全体では、「損をする/リスクがある」が5割強となりました。次いで「難しい」が3割台後半、「怖い」が2割強で続きます。

男女別にみてみると、男女ともに1位、2位は全体と同様に「損をする/リスクがある」「難しい」が並びます。特に、女性は「難しい」が、4割台半ばと男性に比べ高い割合となっています。
3位以降の傾向は、やや異なります。男性は、「お得なことがある」「知識が身に付く」 が2割強で上位に入りました。また、「やるべきもの」は16%と、女性に比べ高い割合となり、特に男性30代で高くなりました。
女性では、3位に「怖い」が2割台後半で入り、男性に比べ10ポイントほど高い割合となっています。女性は、男性に比べて不安やリスク、怖さなどのイメージが大きいようです。一方で、5位には「お得なことがある」6位には「知識が身に付く」もランクインする結果となりました。

2.投資経験がある人は全体で4割。投資のきっかけは「将来への不安を感じて」が1位

18歳以上の男女に投資をしたことがあるか、したことがある人は最初に始めた時期を聞きました。

まず、投資経験の有無をみると、全体では4割が「投資経験あり※」、約5割が「これまで投資をしたことはない」となりました。男女別で見てみると、男性は「投資経験あり」が5割弱、女性は3割強となりました。女性は、「これまで投資したことはない」が6割弱となり、男女差がみられる結果となりました。
投資を最初に始めた時期は、男性では2019年以前に始めた割合が2020年以降よりも高くなり、女性では大きな違いは見られませんでした。
※「2019年以前に投資を始めた人」「2020年以降に投資を始めた人」「したことがあるが、時期はわからない/覚えていない」の合算

続いて、投資経験がある人に投資を始めたきっかけを聞きました。
全体では、「将来への不安を感じて」「預金の金利が低くて」「NISA/iDeCoなどで、優遇制度があることを知って」がそれぞれ僅差の2割台で上位3位となりました。

グラフにはありませんが、男女別の傾向では、「まわりの人(家族や友人など)にすすめられて」や「金融機関にすすめられて」は、男性に比べ女性で8ポイント以上高く、女性の投資をするきっかけとして5位以内にランクインしました。

なお、『投資を始めた時期』ごとの『投資を始めたきっかけ』では、特徴的な傾向がみられました。
『2019年以前』に投資を始めたきっかけは「預金の金利が低くて」がもっとも高く、次いで、「将来への不安を感じて」「NISA/iDeCoなどで、優遇制度があることを知って」がTOP3でした。また、「株主優待を受けたくて」も割合が高めでした。一方、『2020年以降』に投資を始めたきっかけでは「将来への不安を感じて」「NISA/iDeCoなどで、優遇制度があることを知って」が僅差で上位となり、特に「将来への不安を感じて」は、2019年以前と比べると8ポイント以上増加しています。

コロナの影響だけとは言い切れませんが、2020年以降に投資を始めた人の方が、将来への備えという意識が高くなっている様子がうかがえます。

3.「NISA/つみたてNISA」が現在取引している投資型の金融商品でもっとも高い

続いて、18歳以上の男女を対象に「投資型の金融商品」の加入/取引状況を聞きました。
各投資型の金融商品の加入/取引状況について昨年調査結果と合わせてみてみましょう。

2023年は「NISA/つみたてNISA」が2割強となり、「株式(国内、海外)」が2割弱となりました。昨年と比べ大きな変化は見られませんが、「NISA/つみたてNISA」が3ポイントほど上昇し、「株式(国内、海外)」よりも割合が高くなりました。また、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」は、大きな伸長は見られませんでしたが、2022年10月から企業型確定拠出年金と併用ができるようになっており、今後どのように伸びてくるか注目です。

4.今後の投資意向は男性が女性に比べ高く5割。投資したい商品は「NISA/つみたてNISA」が男女ともにTOP

最後に、15歳以上の男女に今後(も)投資をしたいかどうかを聞きました。

全体では、「ぜひしてみたい」と「ややしてみたい」を合わせた【投資意向がある】人は4割超となり、「あまりしたくない」「まったくしたくない」を合わせた【投資意向がない】人は、3割強となりました。また、「どちらともいえない」という人も2割超となりました。

年代別の投資意向をみると、「ぜひしてみたい」と「ややしてみたい」を合わせた【投資意向がある】人は20~30代で5割を超えています。その中でも男性30代では6割超と高い結果となり、「ぜひしてみたい」の割合も高くなっていました。女性に比べて男性のほうが投資意向が高い傾向にあり、投資への興味関心の強さがうかがえます。
また、「あまりしたくない」「まったくしたくない」をあわせた【投資意向がない】人の割合は、年代が上がるほど高くなり、60代では4割超でした。また、男性に比べて女性のほうが高めでした。

今後(も)投資を「ぜひしてみたい」「ややしてみたい」と回答した【投資意向がある】人に、取引したい投資商品について聞きました。

男女ともに1~5位までは同じ投資商品がランクインしました。女性は1位の「NISA/つみたてNISA」が7割超と圧倒的に高く、男性は1位の「NISA/つみたてNISA」と2位の「株式(国内、海外)」が6割台で僅差でした。上位項目はいずれも男性のほうが女性に比べ高い割合となっています。

前項でご紹介した現在取引している投資商品でも「NISA/つみたてNISA」は、昨年から伸長。2024年1月から「新NISA制度」も開始し、今後も注目の商品と言えそうです。


金融調査の中でも「投資」に関するデータをお届けしました。投資へのイメージは 不安やリスク、怖さといった回答も多くみられましたが、投資意向がある人は男性では5割、女性では4割弱となり、中でも、20~30代を中心に意向が高いことがわかりました。今後投資したい商品では、「NISA/つみたてNISA」が1位となり、取引意向も高まっている様子でした。今後、他の投資商品や投資への意識にどのような変化が出てくるか注目です。

【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の男女
実施時期:2023年12月13日~12月15日
有効回収数:661,260サンプル
集計対象:有効回収数の中からランダム抽出した男女15-69歳の46,783サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

【参考データ】投資に関する検索行動は?
今回「投資」をテーマに、LINEヤフーが保有する検索データを活用し、各年代の「投資」に関連する検索行動を分析しました。2014年からの過去10年間の投資関心の推移や投資先カテゴリ、検索キーワードごとに詳しくレポートしています。
ぜひ、本記事と合わせてご参考ください。


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