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流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ ~オンライン学習編~

私たちは「モノ」や「サービス」を選択する際、「みんなが使っているかどうか」を目安にすることがあります。「みんな」とは果たして誰でしょう?よく考えると極めて曖昧なイメージであり、感覚的なものであることがわかります。しかしその空気が私たちの行動を決める1つの要因になっているのも確かなことです。

本シリーズでは「みんなが使っている」という空気感を頼りに、今と近未来の流行の予想をしてみたいと思います。

19回目は、インターネット上で講座の受講ができる「オンライン学習」を取り上げます。その場にいなくても学べるため、遠方でも参加しやすく時間を効率的に使えるといったメリットがあります。どのくらい普及しているのかという現状から、これから先の流行がどうなっていくのかを探っていきます。

1.「オンライン学習」の現状と認知度

「オンライン学習」はeラーニングとも呼ばれ、パソコンやスマホ・タブレットなどを利用し、場所を選ばず学習ができるサービスです。移動の手間がなく、隙間時間に学習を進められることや、動画・音声を使った教材があることが特徴です。また、受講者への案内や進捗管理、受講結果の分析がしやすいといった点、印刷や会場にかかるコストが不要になるといったメリットから、企業での人材教育や研修でも用いられるようになってきています。

「オンライン学習」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。


・オンライン学習の認知率は全体で89%

・「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で18%

・「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で32%


「オンライン学習」の認知率は、全体で約9割でした。男女別にみると、男性が87%、女性が92%とやや女性の認知率が高くなっています。
年代別にみると、女性では認知率の差はほぼみられなかったものの、男性では30~50代と比べて10~20代のほうがやや高めとなっています。

「知っているし、利用している」という現在利用率は全体で約2割「知っているし、以前利用していたが、いまは利用していない」を含めた利用経験率は全体で約3割となっています。利用経験率では、10~20代男性の割合がもっとも高く5割弱となりました。「知っているし、利用している」という現在利用率も、女性よりも男性が高く、10~20代男性では約3割でした。

2.どのくらいの人が利用していそう?~現在の流行体感~

次に「オンライン学習」を利用している人が、現在身の回りにどれくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値です。

その結果「オンライン学習」の流行体感スコアは全体で「24.5」で、およそ4人に1人が利用しているイメージを持たれていることがわかります。
年代別にみると、男女ともに30~50代よりも10~20代のほうが高いスコアとなっています。利用経験率が高かった10~20代男性は、もっとも高い「31.0」でした。一方、30~50代男性では「21.9」となりました。

3.1年後はどうなるか~近未来の流行予想~

次に、「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が利用していると思うか」を想像して答えてもらいました。グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。

「オンライン学習」の流行予想スコアは全体で「40.0」で、およそ2~3人に1人が1年後に利用していそうというイメージ。現在の流行体感から比較すると、1年後には今の1.6倍浸透しているというイメージになります。
男女別にみると、女性のほうがやや高めのスコアとなっています。年代別では、男女ともに30~50代に比べて10~20代のスコアがやや高くなっています。

「オンライン学習」を1年後に半数くらいの人が利用していそう/していなさそうと思う、それぞれの意見をご紹介します。

■流行予想として「半数くらいの人が利用していそう」と思う人の意見

「学校で積極的にオンライン学習を取り入れているから」(男性/18歳)

「教育機関などで1人ひとつのタブレット端末が配布されてきており、学生の世代が年をとるにつれてオンライン学習がほぼ当たり前になると思ったから」(男性/20歳)

「今もeラーニングなどでオンライン学習がほとんどになっていて、職場でも親戚の学校でも導入がすでに進んでいるので、1年後は当たり前になっていると思うから」(女性/24歳)

「コロナ禍でニューノーマルな利用方法が見直され、コロナが治まっても使えると思うから」(男性/44歳)

「移動の時間もなく、どこからでも気軽に受講できるから」(女性/47歳)

■流行予想として「誰も利用しないであろう」と思う人の意見

「オンラインで受けるより、先生と対面で受けたほうが学習意欲が上がるから」(男性/19歳)

「ややこしそう。ネット環境を用意するのが難しいのと受講料が高そう」(女性/22歳)

「コロナ禍が終われば、対面のほうがよいという風潮にまた戻っていくのではないかと考えているから」(男性/40歳)

「職場や友人に、オンラインで学習しそうな人が思い当たらない」(男性/54歳)

「オンラインでは意思の疎通がうまく行くか半信半疑なため」(男性/57歳)


4.自分は利用してみたいか?~今後の利用意向~

次に、今後の利用の意向について回答してもらったところ、利用意向がある人の割合(「ぜひ利用してみたいと思う」「機会があれば利用してみたいと思う」の合計)は全体で48%となりました。

男女別では大きな差がみられないものの、女性のほうがやや高めの割合です。年代別にみると、男女ともに現在利用率も高い10~20代では利用意向も高く、特に10~20代女性では6割弱でした。

一方、利用意向がない人の割合(「あまり利用してみたいと思わない」「まったく利用してみたいと思わない」の合計)は、全体で27%でした。

「オンライン学習」の利用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。

■「利用意向あり」の人の意見
「まわりを気にすることなく、自分のペースで学習できるから」(男性/18歳)

「場所や時間に縛られないから、主体的に学ぶ意欲さえあれば効率的に学習内容を身につけられると思う」(男性/21歳)

「今まで会場が遠いゆえ諦めていた興味深い講座などが聞けるのではないかと思うから」(女性/22歳)

「自分のスケジュールに応じて受講計画が立てられるから」(女性/29歳)

「すでに職場でもオンライン学習が導入されていて、作業の合間など効率的に学習することができた」(男性/56歳)

■「利用意向なし」の人の意見
「書籍などで学習するほうが向いている」(男性/34歳)

「学習のためなら実際の会話ができたほうが、よいと思うから」(男性/36歳)

「オンラインより、実際に話を聞くほうが好きだから」(女性/43歳)

「リアルで学習したほうが集中すると思うからです」(女性/45歳)

「ネット環境が整っていないし、セッティングする自信がない」(女性/54歳)

5.「オンライン学習」は今より1.6倍ほど伸びる!?

ここまでの主な数値をまとめてみました。2022年5月16日時点での「オンライン学習」の認知率は89%、現在利用率は18%でした。

流行体感としては、全体で”およそ4人に1人が利用している”イメージを持たれているようです。そして、今から1年後には、現在の1.6倍にあたる“およそ2~3人に1人くらいが利用していそう”というイメージを持たれています。

男女年代別にみると、利用意向は、10~20代女性で他の層よりも高く、6割近くの利用意向があります。また、流行体感スコアは男女ともに30~50代に比べて10~20代のほうが高くなっていました。1年後の流行予想スコアでも、男女ともに30~50代に比べて10~20代がやや高めでした。


インターネットを利用して学習ができる「オンライン学習」は、全体で9割近くの人が認知していました。すでに利用している人、これから利用してみたいという人は、男女ともに10~20代のほうが高いようです。
「場所や時間に縛られない」「自分のペースで学習できる」「効率的に学習できる」などのメリットを感じる人が多い一方で、「書籍のほうがよい」「実際に会話をしたい」「リアルのほうが集中できる」といった声も。インターネット環境の整備もひとつの課題となっているようですが、オンライン学習が今後ますます広がっていくのか注目ですね。

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【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2022年5月16日~2022年5月18日
有効回収数:2108サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります

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