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ユーザー調査からサービスの“最大公約数”にたどり着く!LINE WORKSの アップデートの裏側

ビジネスチャット「LINE WORKS」は、年3回程度、メジャーアップデートとして機能の追加や改善を行っています。サービスの改善を進めていく上で、課題の抽出やアップデートの方向性など、検討するポイントはいくつもあります。ユーザーのみなさんにとってより使いやすいプロダクトを目指し、昨年から本格的に「ユーザー調査」を開始いたしました。調査の内容や背景について、ワークスモバイルジャパン プロダクトマーケティングチームの葉山に インタビューしました!


<この記事でお話していること>

・LINE WORKSがなぜユーザー調査を本格的に始めたのか:数値だけでなく、その裏側の気持ちや背景を探る理由
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・ユーザー調査の進め方とその位置付け:アンケート、インタビューや実地調査も行い、プロダクト開発における複数のステップで結果を反映
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・機能改善は「機能を増やす」にあらず:課題の共通項を探し、「最大公約数」的に改善を図っていく

LINE WORKSがユーザー調査に本格的に取り組み始めた理由

―  LINE WORKSのユーザー調査を実施しようと思った背景を聞かせてください。
調査の根底、モチベーションとしてあるのは、ユーザー像を知りたい、わかりたい、ということです。
良い製品を作るには、ユーザーの深い理解が必須なので、もっと頻繁にさまざまな角度からユーザーを知れるよう昨年(2022年)から、調査の企画・実施に力を入れて取り組んでいます。

―  ユーザー向けの調査ではどんなことをヒアリングしているのでしょうか。
「ユーザーはなぜこの機能を使っているのか? どこが良いのか?」 など、LINE WORKSの機能に関する直接的なご意見はもちろん、
「ユーザーのみなさんは普段どのように仕事をしているのか?」
「どんなシーンでLINE WORKSを使ってくれているのか?」
「ユーザーはこの機能で仕事が楽になっているのか、そしてそれはなぜなのか?」などなど、多岐にわたります。

もちろん、全体の何%のユーザーが○○の機能を使っている、といった数値的な情報も重要で日常的に参考にしていますが、数値では取れない理由や人の気持ちも非常に重視しています。

数値的に正しくても、人の気持ちがないがしろにされていると、結果的に良いプロダクトにならないので、なるべくユーザーの気持ちやその背景を理解したいと思っています。

― ユーザーの気持ちや背景まで確認するんですね。なぜそこまでされるんでしょうか。
サービス提供側は、どうしても「こう使って欲しい」みたいな期待や邪念がありすぎるので、調査をすることであらためて冷静に物事を検討することができるようになります(笑)
進めている方向性が正しいと確認できることもあれば、逆に思いもよらない事実がわかることで、別のニーズを発見できたこともあります。
なんにせよ、調査することでより確度の高い判断ができるようになるので良いものを早くユーザーに届けられますし、社内でも検討する上での目線合わせができるので良いことばかりです。

ユーザー調査の進め方と結果の反映〜より使いやすいサービスを目指して

― 具体的にどのように調査をしているのでしょうか。
およそ毎月なにかしらのアンケートやインタビューを実施しています。
アンケートは、ユーザーのみなさんにメールやチャット等で配信して、特定の機能の利用有無などについて主に選択肢方式で質問しています。
インタビューは、アンケートで全体の傾向を把握したあとに更に内容を深掘りするために実施することが多いです。なるべく現地を訪問して、ユーザーの方々が実際にLINE WORKSを触る様子まで見せていただくようにしています。
その他にも、今後は新機能のユーザーテストも実施していきたいと考えています。調査の手法に関わらず、お忙しい中ご協力いただけるユーザーのみなさんには本当に感謝しています。

― 調査は、社内ではどのような位置付けなのでしょうか。また、結果はどのように反映されますか?
機能の改善計画を考えるときや、新機能のベータ版など、開発の要所で調査のステップが入っています。

例えば、昨年LINE WORKSの設定を行う画面である「管理者画面」の改善方向性を探るために実地でのインタビューを行ったところ、ほとんどの方は人事異動などでメンバー情報を変更する目的で管理者画面を利用していることがわかりました。
仮に、人事異動の発生するタイミングが数ヶ月に1度程度だとすると、年に数回しか管理者画面を見ないことになります。頻度が少ないので管理者画面を開く度に「どこから作業するんだっけ?」と思い出す時間が発生している様子でした。
つまり管理者画面が難しいのではなく、「あまり馴染みがない」画面だっただけなんです。
これがわかったことで、1「よく使う機能(メンバー編集など)はすぐ使えるようにする」、2「(久しぶりに開く画面であることを前提に)やりたい作業を選びやすくする」という大きく2つの改善の方向性に絞ることができました。

これによって「アドレス帳」画面から直接編集画面に遷移できる機能が加わり、その他の画面でも段階的に改善が進行中です。

アドレス帳から直接メンバー情報の修正画面に遷移できる

ほかにも、LINE WORKS には「テンプレート」という日報や議事録など決められたフォーマットで繰り返し報告できる機能について調査を行った際には、テンプレートで報告することそのものではなく、収集したデータを違う形で活用したいという部分にニーズがあることがわかりました。アップデートでは「テンプレートを印刷する機能」を新しく追加しています。
社内での閉じた検討では、いまある機能をどうするか?という議論になりがちですが、実際に使っている方の利用状況を把握することで前後の業務ともつながるような、より使い勝手の良いサービスにできると感じています。

テンプレートの印刷機能

「機能を増やす」だけが正解ではない、わたしたちのサービス改善方針

― ユーザー調査において、何か気をつけている点はありますか。
LINE WORKSを提供している私たちが大切にしていることは、調査結果の表面にとらわれず、本当のニーズを見つけること、そしてそれを実際にサービスに反映する時に何が必要なのかを見極めることです。

そのため「どういった機能が欲しいですか?」ではなく、「普段どんなことで困っていますか?」と聞くようにしています。
機能を増やすことだけが正解ではありませんし、往々にして人間は自分が困っていることの根本原因を誤解していたり、困りごとへの解決方法は1つではないことが多いからです。一方、困っている状況を聞いていくと多くの方に共通して当てはまる状況が見えてきます。
十人十色の要望をなるべく叶えようとすると最小公倍数的に複雑なサービスになってしまいます。LINE WORKSは、みんなが共通して困っていることを解決することで、最大公約数的にサービスを改善していきたいと考えています。

― 調査において何か工夫されていることはありますか。
アンケート調査を実施する際には、ランダム抽出されたユーザーに依頼する形を取っていますが、それとは別に「LINE WORKS 製品モニター」という取り組みも始めています。
これはユーザーの方々に任意でご参加いただき、クイックなアンケート依頼やインタビュー依頼が不定期で届きやすくなるものです。新機能のユーザーテスト等、そういった実験的、あるいは新しいトピックについてご協力いただけたらと思い、このような取り組みを始めています。
現在は、LINE WORKSの管理者画面の左下のバナーから製品モニターに参加できるようになっていて、詳細情報などもそちらに記載しています。参加も、参加後のご協力頻度も任意ですので、もしご興味を持っていただけたらご参加いただけると嬉しいです! 
※ LINE WORKS製品モニターの詳細はこちら(管理者画面へのログインが必要です):https://admin.worksmobile.com/campaign/monitor

― 最後に、ユーザーのみなさんへメッセージをお願いします。
ユーザーのみなさん、いつもLINE WORKSのご利用ありがとうございます。もし、みなさんにLINE WORKSからのアンケートやインタビューご協力のお願いが届いたら、ぜひ気軽に、そして遠慮なく回答してくださるととってもうれしいです。
「正直に書いていいのかな」「あんまり使ってないしなあ」と遠慮しているかたもいらっしゃるかもしれませんが、使っていないサービスについては、正直に「使っていないよ!」と教えていただくことで、より早く正しい方向へ改善されていきます。
みなさんに聞いてみたいトピックはいくらでもあるので(笑)、末永く一緒にLINE WORKSを良くしていけたらと思っています!
今後ともLINE WORKSをよろしくお願いいたします!

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葉山さん、ありがとうございました。
LINE WORKSのアップデートの裏側をご紹介しました。今後もみなさまがより使いやすく、仕事がさらにはかどるサービス提供を目指してまいります 。

※ LINE WORKS 製品モニターの詳細はこちら(管理者画面へのログインが必要です)
https://admin.worksmobile.com/campaign/monitor

※ アップデートやメンテナンスに関する情報は公式サイトの「お知らせ」から確認していただけます

※ 2023年5月に開発者向けサイト(Developersサイト)をリニューアルしました!


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