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日本人の集団主義は本当か。

個人の利益より集団の利益を求めることを集団主義といいます。よく日米の比較において用いられる表現ですね。日本人は米国人より集団主義だと。

でも、それを実感している人はどれくらいいるんでしょうか??

若者は高齢者より自分たちを
高齢者は若者より自分たちを
経済より環境を
環境より経済を
生活保護がいるのか、いらないのか
児童手当が高いのか、低いのか
それぞれの立場で、求めるものは変わってくる。
これは日本人という集団の利益を重視していることなのだろうか?



社会的ジレンマと言う言葉があります。
他人が協力しないことがわかれば、自分も協力的な行動を取らないという属性です。

実は日本人は、個人主義として象徴される米国人より、社会的ジレンマが強いそうです。(山岸俊男「安心社会から信頼社会へ」中公新書、1999年)



このことからわかるのは、日本は集団主義社会ではなく、社会的ジレンマの強い社会なのだということです。

さらに社会的ジレンマは「周りが協力しなかったら、自分もしない」という発想と、「周りの目が厳しいなら行動する」という発想も含んでいます。

日本人がマスクをしたのも、集団主義からくるものじゃなく「監視の目が強かった」から

県外への移動を自粛するのも「監視の目が強かった」から

日本人が持つ「集団主義」的属性は自発的要因ではなく「周りの目が厳しい」から。



そんな社会に重要なことは「説得を拡げていくこと」だと思います。
「あなたたちの時代は、こういう時代だったけど、いまはこうなんだよ!これからはもっと状況が変わるよ」と。

この説得を広げていって、それぞれのとる立場を拡張していく。それが社会を変える一歩になると思います。

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