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昼行燈兼夜行燈

「寝てください」「なにかつまみながら呑んでください」、最近よく言われる言葉。おそらく平均よりは寝ているし、毎晩きちんとフェーダーやボリュームノブなんかをつまみながら吞んでいるというのに。滲み出るステータスイメージとは難儀なものである。というかそこそこいい歳して、妙に人を不安にさせるのどうなん。しっかりしぃやぁ。失われた睡眠時間、そこへ半身浴の習慣が生まれ、みるみる上がるガス代水道代。多くの人はたっぷり眠って疲れを取れば朝イチ半身浴もしないで済むし、公共料金に震えずに済むと考えるかもしれない。ただ、多くの人が正しいのであれば豆電球さえこの世にはなかったし地球は真っ平。ごらん、自己防衛はお手のものだ。

毎晩夢を見る。寝起き30分ほど意識半分を、遠く「コカンカーガ・セル(嗅がせてばかりの国)」へ移し、夢の内容を反芻する時間がある。今日の夢はどんな内容だったか。思い出そうとしなければ思い出せないなんて、こっちが油断してると思って非道いことをする。

誰かに手を引かれてスイッチを押すことを強いられる。不思議なのが私は「押したくない」のに「人差し指をピンとしている」のだ。不条理の海馬。紅の豚。ハウルの動く城。LinistaのMates。もっと不条理なのはそのスイッチを押してしまったところで、現実世界の私が目覚ましを止めていたことだ。つまり目覚ましが鳴る→肉体が反射的に止める、の一瞬で夢を生成していたことになる。XYZの概念は眠りに落ちる直前、飛んでいる虫に意識を取られた刹那発見されたという説があり、睡眠直前直後の瞬発力や閃きは起きている時のそれを遥かに凌駕するのではないかという話を盾にして、いつも眠そうに暮らしている。

曲がパッと完成する時はかなり寝れていない時か、飲みすぎて脳がクチャクチャの時が多い。「イエスタデイ」が夢の中で出来たというのもあながち嘘ではなさそうだ。(基本海外アーティストの逸話は全部嘘だと思っている)

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