見出し画像

専ら派遣、グループ内派遣とは?!禁止されている理由、罰則、算出割合まで徹底解説!!

「専ら派遣」という言葉、聞いたことはありますでしょうか?

派遣社員で勤めた経験のある方でしたら、聞いたことがある方もいると思います。
派遣業界では「専ら派遣」は使われている言葉ですが、派遣先企業は聞いたことのない人事の方もいると思います。

専ら派遣は厚生労働省により禁止されています。

この記事では、専ら派遣について、禁止理由、その罰則、算出割合まで、知っておくべきポイントを絞って丁寧に解説していきます。

この記事で分かること

専ら派遣とは?!

・禁止されている理由とその罰則、算出割合

・知っておくべき重要ポイント


【専ら派遣】とは?!

派遣業界で出てくる「専ら派遣」この言葉の意味をご存じでしょうか?!

【専ら派遣】の定義

専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われる労働者派遣事業

簡単に言うと、「特定の事業主への派遣を行っていて、他の事業者からの派遣依頼を拒否している」

要は、ひいきの事業者ばかりに派遣を行っていて、他事業者への派遣は行っていない状態のことですね

※「特定の事業者」には、親会社、グループ会社、関係会社などが多くみられます

専ら派遣に該当する行為

それでは、専ら派遣に該当してしまう場合の判断基準はどのようなものでしょうか?!

  • 定款等の当該事業目的が専ら派遣となっている

  • 派遣先の確保のための努力が客観的に認められない

  • 他の事業所からの労働者派遣の依頼を、正当な理由なく全て拒否している

上記項目に当てはまる場合、それは専ら派遣と判断されてしまいます

そももそ労働者派遣事業は、労働力需給調整システムの一つとして認められたものであって、その機能を持たない特定の事業者のみに派遣している業態は第二人事部的なものであって適当ではない、という解釈ですね

専ら派遣が行われていた経緯

それでは、なぜこの専ら派遣が横行されていたのでしょうか?!

それは、企業の人件費削減のために行われている場合が多いです

例を挙げて説明した方が分かりやすいですね

例えば、Aメーカー(自動車製造)が人件費の削減の為に、B派遣会社を設立します

そのB派遣会社は派遣社員を集めて、Aメーカー(自動車製造)に派遣します

Aメーカーは正社員(月給35万円)を雇う予定のところ、B派遣会社の派遣社員(時給1,100円)で雇うことができ、業務の繁閑に合わせて、募集したり、削減したりと弾力的に労働力を調整できます

また派遣会社の売上も立つことで、グループ売上にも貢献できる、という構図です

正社員として雇用せずに、安い労働力である派遣社員を対象に、自らの子会社としての派遣会社を設立し、人件費を削減する目的で専ら派遣が行われていました

企業はなぜ派遣を使うの?!についてはこちらで詳しく解説しています

【グループ内派遣】とは?!

また、専ら派遣を説明する上で良く出てくる「グループ内派遣」とはどのような形態でしょうか?!

【グループ内派遣】の定義

グループ内派遣とは、グループの派遣会社が同じグループ企業に派遣社員を派遣する行為です

良くある例が、企業がその小会社として派遣会社を設立し、その派遣会社からの企業へ派遣されている派遣社員で大半を占めていて、他の数社の派遣先に一部のみ派遣しているケースです

広義の意味では「専ら派遣」と同じ、と捉えても構いません

グループ内派遣の8割規制

2012年の派遣法改正により、派遣会社がそのグループ企業に派遣する割合は全体の8割以下に制限されました

なぜかと言うと「派遣会社と同一グループ内の事業主が派遣先の大半を占めるような場合は、派遣会社が本来果たすべき労働力需給調整機能としての役割が果たされない」、という理由です

また注意すべきは、この8割という数字は「人数」ではなく、「時間」という点です

出典:厚労省HP

派遣労働者の総労働時間で算出するのですね

専ら派遣が禁止されている理由

専ら派遣ですが法律では禁止となっており、グループ内派遣も規制されている理由はなぜしょうか?!

厚生労働大臣は、労働力需給の適正な調整を図るため、労働者派遣事業が専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われている場合(第七条第一項第一号の厚生労働省令で定める場合を除く。)において必要があると認めるときは、当該派遣元事業主に対し、当該労働者派遣事業の目的及び内容を変更するように勧告することができる。

派遣法第48条2項

労働力需給調整の役割を担っていない

そもそも派遣法では、労働者派遣は【労働力需給調整事業】であります

労働力需給調整とは、労働力の需要者(求人企業)と供給者(求職者)を結びつける為に調整をすることです  ※求人と求職のマッチング

特定の事業者にのみに派遣を行うことは、労働力需給調整の役割を担っているとは言えず、本来の派遣法の趣旨に反していることになります

公共性を担保していない

そもそも、労働力需給調整はハローワーク等の国の機関が行う事業であり、その一部を民間でもその役割を担ってもらう為に、職業紹介事業、労働者派遣事業があります

専ら派遣、グループ内派遣により、特定の事業者の利益のみを充足させることは、全ての企業の需要を満たさず、公共性を担保しているとはいえません

また、派遣先が特定されていれば、労働者の雇用機会を奪っていることにもなりかねます

専ら派遣の例外措置

専ら派遣の場合でも許される例外規定があります

それは、派遣元事業者が雇用する派遣社員のうち、60歳以上の定年退職者が3割以上の場合です

ただし、この場合の60歳以上の定年退職者は、A派遣会社と異なる事業主の会社を60歳以上の定年退職後に再雇用された場合に限ります

例えば、A派遣会社での雇用数が1,000人の場合、60歳以上の定年退職者の割合が300人以上いれば、専ら派遣ではありません

※高齢者の雇用の確保の観点から例外措置としています

専ら派遣の罰則

専ら派遣に該当してしまった場合の罰則はどうなっているのでしょうか?!

派遣社員の方に罰則が課せられることはないので安心してください(^^)

罰則対象は派遣元(派遣会社)になります

罰則には段階があり、まず厚生労働大臣による行政指導、及び当該事業者に対する事業の目的や内容を変更するように勧告が行われます

また、勧告しても是正されない場合は、業務停止命令や許可取消処分等が下されることになります

まとめ

専ら派遣について理解できましたでしょうか?!

派遣社員の方には直接的に直ぐに何か影響が出ることではありませんが、もし所属の派遣会社が専ら派遣を行っていて、改善されなければ、許可取消処分を受けて、職に困る事態になる可能性もあります

昨今、派遣法においても厳しく監督されているので、専ら派遣を野放しにしている派遣会社はないかと思いますが、派遣社員で働いている方もしっかりと理解しておきたいところです

現在、派遣会社の親会社等に派遣されている方は、一度、派遣担当者に聞いてみても良いかもしれませんね



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?