アートボード_17

デザイナーが営業同行させてもらった話

3月最後の金曜日、会社に入社してから初めてヒールで出社しました。前日にヒールを購入した際に、買い物に付き合ってくれた友人が試し履きした私を見て「生まれたての子鹿みたいにぷるぷるしてるけど明日歩けんの?」と心配してくれましたが無事に歩けました。ヒールに慣れていないせいか、普段使わない筋肉を使っている感じをヒシヒシと感じます。

さて、勤務中に会社から出るときと言えば、コンビニでおやつを買うときぐらいしかないような引きこもり気味のデザイナーなんですが、今回は営業同行に行ってきました。営業同行とは、新人や若手の営業マンが上司や先輩の営業マンと一緒に顧客や見込み客を訪問することを言います。私はデザイナー なので、セールス活動をする訳ではないのですが「普段は画面越しに接しているお客さまの実態を知ろう!」とメディアを担当しているメンバーが提案してくれたので、お願いして付いていくことにしました。


1. 足りないものがたくさんあるので、とりあえず動いてみましょうか

「デザイン経営」宣言などが特許庁から発表されたりなどして、「デザインとビジネスを結びつける波が大きくなっているなぁ」とじわじわと感じています。デザイナー以外にも「デザインの重要性」に注目が集まりつつあり、1つの大きな流れになり始めているのをなんとなくですが実感しています。弊社も「デザインを強化する」とのことで、自社サービスのホームページのリニューアルや名刺のリニューアルなど常に慌しくデザイン部が稼働中です。

ただ、私自身はまだまだデザインスキル不足で「あぁ!もう!!」と頭を抱えて転げ回りたくなることもあります。目の前にピレネー山脈が現れたかと思えば、次はマリアナ海溝が出てきたりと、果てしなさによく気が遠くなりかけますが、やればやるほどに色んなこと知れるので面白いです。自分ではまだ実感できていないですが、おそらくスキルも徐々に増えているかも……?という状態です。

そんな中で、今は弊社の自社メディアでもあり、HR(Human Resources)業界の若手営業マン向けのお助けメディア『HRog』のリニューアルに向けていろんな調査をしていています。「どんな人がサイトにきているのか」、「どんな風にサイトをリニューアルするのがいいのか」などなど、情報を集めている最中です。
その情報収集の一環としてメディア担当メンバーが「営業同行に行ってみるのはどうでしょうか?」と提案してくれました。私は普段、社内でデザイン業務をしているので、お客さまに会うことはほとんどありません。なのでぼんやりとお客さまのイメージはできるんですが、お客さまは弊社のサービスに何を期待してくれているのか、一方で何を不満に思われているのかなどの細かい部分まではわかりません。「なればこそ!実際の現場へ行ってみて、お客さまの生の声を聞いてみよう!」ということになりました。


2. 画面越しの世界へ足を踏み出してみる

とはいえ、営業同行はやっぱり緊張します。「変なこと言って、お客さまを怒らせたらどうしよう……」だとか「聞いても答えが返ってこなかったらどうしよう」など色々考えちゃいます。何が返ってくるか予想がつかないので怖いんですよね。でも、怖い怖いと言っていても仕方がないので、一緒に同行させていただいたセールスのメンバーに「何かあったらよろしくお願いします」とお願いして、いざ!営業同行へ行ってまいりました。(実際にめちゃくちゃフォローしていただきました。本当にありがとうございます)

実際の営業同行では、普段は中々見ることができない生々しいの情報をたくさん得ることができました。セールメンバーとお客さまの会話や、お客さまのサービスご利用中の動きなどを見ていると非常に勉強になります。サービスを実際に利用している中で「ここが使いにくいんだよね」とはっきりとおっしゃってくださるお客さまは中々いないのですが、「えぇ〜っと、あれは〜どこだ〜?」というマウスカーソルの動きなどから、弊社のサービスを使う上でどこがUX/UI的な課題点なのかなどが見えてきます。
また、普段は”お客さま”という大きな括りの中で考えがちなのですが、実際の”人”相手のお仕事なのだという視点を再確認できることは非常に重要だなと思いました。お客さまにとって使いやすいサービスでありたいと思っているのに、その”お客さま”がハリボテの人形のような状態になっていないかを確認できるまたとない良い機会でした。


3. デザイナーの仕事の範囲

ここ最近「デザイナー ってどこまでが仕事なのかなぁ」と思うことが多々あります。デザインという言葉1つとっても、プロダクトデザイン、環境デザインなどかなり幅広い言葉を含んでいて、そこに最近は経営者目線も加わってきました。デザインが膨大な領域に広がっている状態で、どこから手をつけていけば良いか迷ってしまいます。迷いがちではあるですが、自分の近くにありそうなチャンスにはとりあえず触れておこうとは思います。怖いので尻込みしてしまいがちですが「いいデザインにしたい」という想いは確かにあるので、それを心の中で念じて、いろんな壁を壊していけたらいいなぁ、と思っています。今後も営業同行を続けながら、リニューアルに向けて少しずつ前進していこうと思います。

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