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【西武ライオンズ 今日の見どころ】早川と甲子園で対戦した鈴木将平 神宮で歓喜を分け合った蛭間拓哉

●早川に衝撃を与えた 静岡高の鈴木将平

【25日◇イーグルス‐ライオンズ12回戦(楽天モバイル)13:00】
長谷川信哉、岸潤一郎といった日替わりヒーローが出現。ルーキー蛭間拓哉にもプロ初安打が生まれた。愛斗、川越誠司、西川愛也といった、ファームで捲土重来を期す選手たちもいる。白紙で始まった外野のポジション争いは、まだ飛び抜けた存在はいないものの、少しずつレベルが高まってきた印象だ。

そんなライオンズの外野手たちに、きょうのイーグルスの先発・早川隆久と縁の深い選手がいる。まずは同じ1998年生まれの鈴木将平だ。

両者は高校2年生だった2015年、春のセンバツ2回戦で対戦。木更津総合高の先発だった早川から、静岡高の1番バッターだった鈴木は2打数2安打1死球と、3打席対戦してすべて出塁。鈴木の活躍もあって、試合は静岡高が4対2で勝利した。

高3のときには、18歳以下の日本代表に揃って選ばれ、チームメイトにもなっているのだが、甲子園で早川が感じた衝撃は相当なものだったようで、のちに「これまで実際に対戦したなかで、一番すごいと思った選手」を問われたときに「 静岡高校の鈴木将平」と返答。同じく「今後対戦してみたい選手」との質問にも「鈴木将平」と答えていたほど。

そんな同学年の再戦がようやく実現したのが、今年4月5日のイーグルス対ライオンズ戦。先発した早川は6回を無失点に抑え、勝利投手に。鈴木将平には最初の打席で四球を与えたものの、次の打席は捕邪飛に打ち取り、センバツから8年経っての勝負は、早川がリベンジに成功していた。

左バッターの鈴木将平だが、右投手より左投手を得意にしており、このところ相手先発がサウスポーでもスタメン起用が続いている。おそらく、きょうも早川との対戦があるはず。高校時代以上のインパクトを与えるバッティングで、早川攻略の先陣を切ってもらいたい。

●劇的な逆転優勝の立役者となった蛭間と早川

もうひとり早川と縁があるのが、蛭間拓哉だ。こちらは言うまでもなく、早稲田大学の先輩・後輩。蛭間は1年春のリーグ戦から東京六大学デビュー。秋にはスタメン起用されるようになり、同じ時期に3年生の早川がエース格へと成長していく。

ふたりの学生生活のハイライトになったのが、20年秋の早慶戦だ。1回戦では、2年生になった蛭間が7回裏に決勝の勝ち越し2ラン。主将の早川が9回15奪三振の完投勝利をして、早稲田が優勝に王手を掛ける。

続く2回戦は、こちらも勝てば優勝だった慶応が2対1とリードした9回表。2死1塁で、打席に入った蛭間が初球を捉えると、打球はバックスクリーンへ。まさに起死回生の逆転2ランに、ダイヤモンドを周るうちから蛭間は涙を堪えきれなくなっていた。最後は8回裏からリリーフ登板していた早川が抑えて、胴上げ投手となった。

プロ野球での経験も豊富な小宮山悟監督に「奇跡が起きた。人生で1番感動する試合だった」と言わしめた逆転優勝。その立役者となったのが、蛭間と早川だったのだ。

早川にとってはラストシーズンでの初優勝。蛭間にとっても、これが大学4年間で唯一の優勝となった。そんな心震わせた想い出を共有する2人の初対決が、きょうの試合で実現するかもしれない。

勝てば、ライオンズは今シーズン初の同一カード3連勝。対するイーグルスは、もし敗れると今シーズン2度目の5連敗となる。選手は眼の前のプレーに必死で、感傷の入り込む余地はないのかもしれないが、ファンにとっては、さまざまな背景を重ねて観るのも、プロ野球の楽しさだ。



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