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【西武ライオンズ 今日の見どころ】24歳誕生日の水上由伸 平良に続く新人王が狙える位置に

●平良・増田より低い被打率 まだ被本塁打0

【13日◇ライオンズ‐マリーンズ12回戦(ベルーナドーム)18:00】
きょう7月13日は、12球団最強リリーフ陣の一翼を担う森脇亮介(1992年生まれ・30歳)、水上由伸(1998年生まれ・24歳)の誕生日だ。今回は水上の活躍にスポットを当てていく。

プロ2年目の今シーズン、主に7回を任される勝ちパターンに定着。ここまで35試合に登板して、失点したのはわずか4試合。奪三振率こそ、平良海馬、増田達至に及ばないものの、被打率・防御率の良さは両投手を上回っている。

特筆すべきは、まだ本塁打を1本も打たれていないこと。7月12日現在、パ・リーグで30試合以上に登板している投手が13人いるのだが、そのなかで被本塁打が0なのは、西口直人(イーグルス)と水上由伸の2人しかいない。

水上は昨シーズンも29試合に投げて、許した本塁打は10月17日イーグルス戦で、山崎剛に打たれた3ランの1本しかなかった。まだプロ入りしてから、被本塁打はこの1本だけ。球質なのか、制球なのか。いずれにせよ、ひとつの失点が致命傷になるリリーフ投手として、ひじょうに優れた資質を備えていると言えるだろう。

昨シーズンはやや苦手にしていた左打者も、今シーズンは克服。またボールカウント別の投球内容を比較すると、0ストライク、1ストライク時の被打率が、昨シーズンに較べてかなり低くなっている。

水上由伸 左右打者別 被打率
水上由伸 ボールカウント別 被打率

いわゆるカウント球、ストライクを取りにいったところで痛打されるケースが、激減していることがうかがえる。

ちなみに、1年前の7月13日にも、水上はやはりマリーンズ戦で「バースデー登板」をしており、ヒット2本を打たれたものの、8回表の1イニングを無失点に抑えている。

●2年前新人王に輝いた平良と 遜色ない水上の成績  

めざましい成長をみせている水上だが、じつは昨シーズンの投球回が27イニング。「1軍登板30イニング以内」の規定をギリギリ超えておらず、プロ2年目の今シーズンも新人王の資格を持っている。

現在、登板35試合で3勝1敗17ホールド、防御率0.79。2020シーズン、同じセットアッパーで新人王を受賞した平良が、35試合に登板した時点での成績が、0勝0敗18ホールド、防御率2.14だったから、いまの水上は、2年前の平良にまったく引けをとっていない。

最終的に平良は登板54試合で、1勝0敗1セーブ33ホールド、防御率1.87だった。この年は120試合制だったことを考えると、水上が登板60試合40ホールドポイント前後、防御率1点台前半くらいの成績でシーズンを終えることができれば、新人王の可能性はかなり高くなるだろう。

●育成出身の新人王誕生すれば パでは初

もちろん、どんなに好成績を収めても、ほかの選手たちとの相対関係によって決まってくるのが新人王だ。いまのところ、パ・リーグの新人王候補には、大関友久(ホークス)、北山亘基(ファイターズ)、阿部翔太(バファローズ)、打者では柳町達(ホークス)、松川虎生(マリーンズ)、上川畑大悟(ファイターズ)などの名前があがっている。

先日ライオンズ相手にプロ初登板初勝利した椋木蓮(バファローズ)、きのう3勝目をあげた本前郁也(マリーンズ)あたりも、今後有力なライバルになってくるかもしれない。

これまでに育成ドラフトの出身者では、山口鉄也、松本哲也(いずれもジャイアンツ)が新人王に輝いているが、パ・リーグでは、まだ育成出身の新人王はいない。水上が受賞すれば、パ・リーグ初の快挙となる。

現在ファームで調整中の隅田知一郎、佐藤隼輔の両ルーキーや、水上と同じプロ2年目ながら新人王の資格を持つ佐々木健が、これからのシーズン後半戦で、水上と新人王を争うくらいの活躍をしてくれたなら、これほど頼もしいことはない。今年ライオンズ史上16人目の新人王が誕生することを期待したい。

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