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【LIRGEの創業秘話_VOL.1】ヒマラヤ6泊7日のトレイルでの出来事

皆さま、こんにちは。「登山を嗜好する人のワードローブ」をテーマにしたLIRGEというブランドを運営している町田といいます。

登山やる人ならわかると思うのですが、登山の服って高い割に着る場面が限られるのです。LIRGEは登山スペックで着る場面を選ばない服を作っています。

もしよろしければ、WEBサイトでどんなブランドなのか見てみてもらえると嬉しいです。

https://lirge.jp/

そのLIRGEを立ち上げるきっかけになったのはネパールはヒマラヤの「エベレスト街道」を旅していた時です。今日はそのきっかけにまつわる話をまとめておこうと思っています。その前に少し私の自己紹介を。

喪失。約束に追われ続けた会社員時代。

関西から新卒で東京の広告系の会社に入社しました。会社員生活を送った4年半はそれはもう忙しい日々。新卒から2年間はほぼ毎日のように怒られながら夜中まで仕事をして今でもあまり記憶にありません。3年目から少しできることも増えましたが、それでも納期や決まり事など「約束」に追われ続ける日々に心が休まることはありませんでした。

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学生時代からスポーツをやっていたので、体力的にしんどかったわけではないのです。私生活をすべて投げうってやる仕事はどこか自分自身の輪郭が日々あいまいになる感覚があり、「なぜ働いているのか」と自分の意思や目的が分からなくなるのです。そんなときに逃避衝動とでもいいますか、金曜日に思い立って土日に登る登山がどこか心の調律の機会となっていました。

4年目の小休止。そしてヒマラヤへ。

4年目になり、やっと人様に迷惑を掛けずに仕事ができるようになった頃。前職は勤続4年目を迎えると2週間のお休みを頂ける制度がありました。皆、旅行や実家に帰ったりしていたのですが、私は特にやることも決めないまま半年が過ぎていました。

どうせだったら、一度キャリアの振り返りの機会でも兼ねて一人で海外でも行こうかと思ったのですが、ただ旅をしてもつまらないなぁと。どうせだったら山でも登ろうかとおもって閃いたのがヒマラヤでした(浅はか)。

そこから1か月ほどで計画や装備を揃えてネパールへと旅立ちました。

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登山。それは、自分の輪郭を見出す行為。

予備日を含めて7泊8日の工程で、gokyo-ri(5,357 m)を目指しました。目的地まで1日10㎞~15㎞歩き、点在する街のロッジで休むという旅程です。

大抵はシェルパやガイドをつけて登山することが多いコースですが、若気の至りといいますか私はリサーチから計画まですべて自分立てて一人で行くことにしました。自分自身を試したかったのでしょう。

今日はどこまで行くかを自分で決めて、自分で歩みを進める。ただそれだけのことですが、異国の見知らぬ土地でそんな体験をするだけでも自分にとっては、達成感で満たされていく感覚がありました。

私が旅したエベレスト街道では毎度各国から来たトレッカーと宿を共にするのですが、中国・マレーシア・ドイツ・アメリカ・ウェールズ・スロベニアなど国籍も年齢もバラバラもメンバーが暖炉を囲み夜な夜な話し込みます。

一夜だけ行きずりのロッジで出会い、翌日には去っていく。彼らと話したことも新鮮なことだらけで示唆深かったのですが、この現象にこそ何か神秘を感じました。すごく心地よい関係だなと思ったのです。

自分で決めて、歩みを進めて、その日出会った人たちとただ話をする。

この繰り返しの日々の中で、自分自身の輪郭が濃くなっていく実感がありました。自分の言動に明確な意思が伴い、それは今までにない充足感のある行為でした。

今思えば、LIRGEが命題として掲げるコトバ「sync-同期する-」はこの工程の要約といえるかもしれません。山を歩き人と触れ合う中で、他人からの認識に自分の輪郭を見出す行為。それこそが私が考える登山の価値の一つだと思うのです。

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そんなこんなで帰国してから約1年後にLIRGEというブランドができました。まだまだ道半ばですが、たくさんの人に支えられながら感謝の気持ちで恩返しできたらと思います。


町田

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