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王道な『ストレッチ』の活用法

皆様ごきげんよう!

最近改めて見返した『かげきしょうじょ!!』と『Go!プリンセスプリキュア』の両作品で仄かに香る『ウテナイズム』に某マダオヒゲ司令的笑みを浮かべるbusonぶそんです。初見の方、はじめましてよろしくです。

今回は以前投稿した『ストレッチ』についての記事が10スキを超えたということで、記念として前回ガン無視していた『各種ストレッチ』のメリットやポイントについていくつかシェアできればと考えています。

では早速行きましょう!

静的ストレッチを絶対にやるべきたった一つの理由

さてトップバッターはやはりこの人。『ストレッチ』のシンボルであり原点の『静的スタティックストレッチさん』!!

その長い歴史の中でここ最近こそ槍玉に挙げられることも多くなった彼ですが、そこは歴戦の強者!当然メリットも多く存在するわけです。

ここではわたしが一押しする静的ストレッチのセールスポイント、『局所の新陳代謝の促進』について簡単に紹介したいと思います。

結論から述べれば、静的ストレッチはいわゆる不摂生な人(=運動習慣がなく食生活も乱れがちな人)にとって最もコスパの良い健康法だと言えます。

理由は先も挙げた新陳代謝の促進で、習慣的な静的ストレッチによって古く劣化したコラーゲン(筋肉や血管)の再構築を図ることができるからです。

生活習慣が崩れた人の多くは、身体の酸化サビ糖化老化が広がっており筋肉や血管もその例に漏れません。

静的ストレッチは、糖化して脆くなった筋肉を伸張することで積極的に破壊し、局所の線維芽細胞を活性化させて新陳代謝を促します。またその過程で血管新生による血行促進が図られます。

筋肉や血管のリモデリングとは言い換えれば『アンチエイジング』です。

『つまり静的ストレッチは単なる柔軟体操ではなく、無料でいくらでも可能なアンチエイジングだったんだ!!』ΩΩΩ<な…なんだってー!!(AA略)

以上の理屈から、『生活の乱れを自覚しながらも、運動はハードルが高いと感じている人』にとって、就寝前の軽いストレッチ(ここ何げに重要!)やらない理由がない最強の健康法なのです。

動的ストレッチの効果を推定30%高めるために知っておくべきメカニズム

お次はスポーツ前の準備運動としておなじみの動的アクティブストレッチ君』!!

最早当たり前過ぎて軽くスルーされがちな彼ですが、実はちょっとした理解リスペクトを深めるだけで通常の3割増(当社比)で効果を発揮してくれること、みなさんは知ってましたか?

キーワードは動的ストレッチの『リズム感』『段階性』

この2つを意識して準備運動時に『一定のテンポで徐々に動きの範囲を大きくしていく』――方法自体はこれだけです。

なんやそれ、しょうもな。

…って思った人、短気は損気です。重要なのは方法メソッドそのものよりも運動時のイメージ、そこに込められた思いマインドなのです。

これは決してオカルトの類ではありません。

実際、イメージの有無がトレーニング効果に大きな影響を及ばす例はフィットネス業界で言うところの『マインドマッスルコネクション』や医療界隈で最近流行りの『ニューロリハビリ』など枚挙にいとまがありません。

つまり人間の身体活動は、より具体的で適切なイメージを伴うことでバフがかかるのです。

上記の前提を基に今一度『動的ストレッチ』の生理学的な背景をイメージに落とし込みやすいように解説していきます。

準備運動(動的ストレッチ)には一般的に『身体を温めて動きやすくする』というイメージがありますが、それは概ね間違っていません。

大事なのはその過程をもう少し肉付けすることで、この場合は『準備運動で何故身体が温まるのか』『身体が温まると何故動きやすくなるのか』を掘り下げていく必要があります。

まず運動で体温が高まる理由に関しては、骨格筋が働く過程で合成・消費されるATPエネルギー源が熱を産生するからです(骨格筋のエネルギー代謝)。ここはそんなに疑問が沸かないと思いますが、1つだけ重要な点があります。

それは『満遍なく筋温を高めること』。筋肉は大きな一塊ではなく筋線維の集合体であるため、あまり働いていない場所は『部分冷え』を起こしやすいのです。

特に準備運動の開始時には関節を全可動域フルレンジで動かすことが難しく、筋線維のレベルで十分に伸び縮みできない場所が多くあります。だから『段階的に』可動域を大きく使って局所の筋線維を発火させていく必要があるのです。

次に筋温の上昇によって筋機能が高まる理由については、大きく『粘弾性』『神経筋反応時間』の要素があります。

実は筋肉もとい筋線維には『ゴム』と『ガム』を合わせたような性質があり(まさかのバンジーガム!?)、温度が上昇すると柔らかくよく伸びるようになる反面、下降すると固く縮んでしまいます。

これは筋温が低い状態では、筋肉が本来の張力を発揮しづらいことを意味します。

また筋線維には温度の低下によって神経との反応スピートが減少するといった特性も見られます。

これは言い換えると、『筋温の偏り』が即ち『筋線維ごとの神経筋反応時間のばらつき』になるということです。

準備運動前の神経筋反応時間のばらつきは各筋線維の協調性低下に繋がり、この状態では大きな筋出力やパフォーマンスの発揮が困難となります。

そのため『一定のリズム』で筋線維ごとの発火のタイミングを統一し、協調的なユニットとして使えるように運動学習を図っていかなければならないのです。

以上のイメージを持って、『身体全体を温めるように段階的かつリズム感を意識した』準備運動を行うことが、その効果を最大限に高めることに繋がるはずです。

PNFストレッチ…もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな

ストレッチで関節の安定性は上がらないと言ったな、あれは嘘だ。

『PNFストレッチ氏』は比較的お手軽に関節の可動性モビリティ安定性スタビリティを高められる便利屋さんです。

PNF全体だと広すぎるので、ここでは筋肉の等尺性収縮アイソメトリック(筋の長さを変えずに出力する方法)を使ったストレッチ手技に限定して紹介します。

そもPNFってな謎単語を日本語訳すると固有受容性神経筋促通法こゆうじゅようせいしんけいきんそくつうほうなどと言いまして、更に謎が深まるワケであります。

仕方ないからもう少し解説すると、この手技は関節を覆う袋に分布している固有受容器という感覚器に働きかけて、関節が機能的に働くように神経と筋肉の強化学習を行うことが主な目的となります。

等尺性収縮を使ったリラクセーション手技は星の数ほどありますが、ここでわざわざPNFをピックアップした理由は名目上わかりやすく神経学習の概念が含まれているからです。

つまり本来PNFは代表的な上下肢の動作パターンで実際に関節を動かさなくても等尺性収縮の手技だけで関節機能の向上を図ることができるのです。

前振りが終わったところで、さらっとPNFストレッチの最重要点を暴露すると意識すべきは1つだけです。

等尺性収縮時にターゲットとなる固有受容器に対して圧縮・伸張を促すベクトルで抵抗を加えること。

単に筋肉を標的にするのではなく、固有受容器を刺激するための骨の副運動(関節内の小さな動き)にも意識を向けることで飛躍的に効果が高まるため是非試してみて下さい。

ダイレクトストレッチを極めれば治療院いらず

いよいよラストは徒手療法家さんたちの得意技であり稼ぎ頭の『ダイレクトストレッチさま』!!いわゆる押さえて伸ばす系の手技ですね。

何と言っても手っ取り早く痛みの軽減を図れるのが彼の良いところ!

正直みなさんがセルフメンテナンスでこれを使えるようになったら1、2割ぐらい慢性痛は減るんじゃないかと思う今日この頃。

どうせなので是非とも実際に効果のある具体的なやり方を紹介したいと思います(ただし一定の練度は必要)。

『ダイレクトストレッチ』のポイントは以下3つ。

①手の平または各指の腹を均等に接触させて必ず2つの点(面)を押さえる

②2つの点のうち少なくても1点は不調部位近くの筋腱移行部を押さえる(もう1点は硬くなった筋腹の部分か反対側の筋腱移行部を押さえる)

③押さえた2点を同時に動かして挟まれた空間を様々な方向に伸張圧縮する

それぞれ少し補足すると、

まず①については手の触れ方を均等にすることで接触面積が大きくして患部の脱力を促します。また2つの点(面)を固定することでその間に挟まれた空間全体に力を伝えやすくします。

次に②に関しては、最も疲労や緊張が蓄積して抜けにくい筋腱移行部を刺激することで反射的なリラクセーションを促します。

最後に③は患部周囲を細かく広範囲に動かすことで筋筋膜の捻じれを修正します。

なかなか手技療法は解剖のイメージと手の感覚を繋げなければいけないから慣れるまでメンドイですが、受けられる恩恵はそれなりにデカイんで良かったら挑戦してみて下さいね♪

目的に合った自分だけのストレッチライフを

いかがだったでしょうか?

このように一口にストレッチと言っても様々な種類があり、それぞれ効果や適応は異なります。

何事も一つの絶対的な正解などはなく、『自分が』どういった目的でどのように用いるかが重要なのです。

今回はいくつか代表的なストレッチをピックアップして『わたしが考える』参考例を示しました。

願わくば、この記事を通して『あなたの』ストレッチに対する考えに一つでも良い変化があればとてもうれしく思います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

では今日の日は御免ノシ

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