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”水の音は『私』の音”におけるホシノ・ルリ小考ー体験の内在性とメリトクラシー 〜機動戦艦ナデシコ

1.はじめに 『機動戦艦ナデシコ』(佐藤竜雄,1996−1997)(キングレコード,2006-2007(DVD))の主要な登場人物のひとりであるホシノ・ルリは、現在でも一定の人気を維持するキャラクターである。彼女のキャラクター性の明確化に寄与したホシノ・ルリ三部作(第5話「ルリちゃん『航海日誌』」、第12話「あの『忘れえぬ日々』」、第18話「水の音は『私』の音」)は、首藤剛志氏の脚本によるものであるが、首藤氏自身のコラムによって創作の意図や経緯について明らかにされている。

    • ”戦友”は背を寄せ合って 〜チェルノブイリ(HBO)

      1.概要 「チェルノブイリ」(HBO)は、現実に起きた1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故を題材としたドラマシリーズである(全5回)。作中で描かれた放射性物質の危険と正常性バイアスの隘路、「日常」がシームレスに非日常へ移行してゆく恐ろしさ、そして希望としての人間の生命力はこの作品の主たる魅力である。  しかし、現在でもその被害に苦しみ、あるいは事後処理に奔走する(そして2022年現在はより困難な状況に直面しているものと推察する)人々の存在するなか、このような受容をするこ

      • 私たちが始まるよ 〜大正野球娘。(アニメ)

        1.はじめに 野球を題材としていること、そして何より「大正義(野球娘)」との通称がスレ民の心をつかんだことから、なんJでのみ持て囃された大正時代・美少女・野球を適当に煮込んだネタアニメ、との認識を持っていた。 しかし実際に視聴すれば、以下に記すような魅力の詰まった作品であったので感想を記したい。 このnoteを開設するきっかけの一つとなった作品でもある。 2.概要 詳細なあらすじは上記公式WebサイトやWikipediaページ(https://ja.wikipedia.o

        • はじめに - 開設の趣旨

           はじめに、投稿を開始するにあたりnotoアカウント開設の趣旨を説明しておきたいと思う。  このnoteアカウント作成の直接の動機は、アニメーションをはじめとする映像・文芸作品の感想の発露と、その共有を行いたいと考えたためである。すなわち、特段の芸術的才能を持ち合わせない私は、自身の感性を揺さぶる作品に出会った際、その感情をイラストや映像といった二次創作に昇華して発露することが叶わない。結果、作品のWipidediaページを眺めたり、その他のWeb上のコンテンツを摂取するこ

        ”水の音は『私』の音”におけるホシノ・ルリ小考ー体験の内在性とメリトクラシー 〜機動戦艦ナデシコ