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【しごとのルール】01-01.「やってみる」と「やりきる」

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これは、すべての仕事の基本。

「やってみる」と「やりきる」。

言葉にすれば簡単ですが、どちらかに偏ってしまいがちで、意外と難しい。

この言葉は、今いる会社が倒産寸前まで業績悪化した際、外部から来た「ハゲタカ」から教わった言葉だ。

その人は「効率」という言葉を極端に嫌っていて、「失敗していて、何が効率だ」と現場はもちろん経営陣にも吠えていた。

そして、落とし込まれる戦術は「やってみる」のオンパレード。

少しでも現状を良くするアイデアが出たら「やってみよう」。

PDCA至上主義な過去の仕事の価値観は、意図的に排除され、「アクション」が優先された。

やって手応えが悪ければ、代替案を考えて、また「やってみる」。

机上でシミュレーションするよりもはるかに早く、有効なフィードバックが得られる。

そのダイナミズムに閉塞感を感じていた社員はワクワクした。

そして、「やりきる」。

おそらく、「やってみる」よりも難しいのが、この「やりきる」。

もがいていた当初は何が「やってみる」で「やりきる」なのか訳もわからず走っていたが、今振り返ると以下に整理できる。

やってみる:文字通り、やってみる、こと。過去事例や他社のことは関係なし。いいと思ったらやってみる。

やりきる:考えられる代替案をすべて試してみて、もうこれ以上考えられない、というところまで改善を続けること。

この「やりきる」の時間は「やってみる」に対して長い。
担当者が諦めなければ、永遠に続く。
だから、その営みを断ち切るためには、第三者が「強制的に」電源ボタンを切らなければならない。

この決断ができる能力こそがマネジメント能力だと思う。

閑話休題。

「やりきる」について、セットで教えられた言葉をもうひとつ。

「失敗してからが仕事の真骨頂」。

この言葉をぼくは、"失敗"を出発点にして、フンコロガシよろしく、"ゴール"だと思われる地点にまで、回り道や休憩をしながらも、うんせ、こんせと持ち上げる作業だと理解した。

「失敗は成功のもと」ということわざの通りである。

そして、こう言いたくなる「失敗は成功に変容させられる。だから、ぼくが失敗と呼ぶまで誰も失敗と呼ぶなかれ。」


というマインドに担当者はなってしまうので、いつでも誰かが強制終了という安楽死のスイッチを握っていなければならない。

というわけで、第一話「やってみる」と「やりきる」のお話はお終いです。

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