見出し画像

★直訳聖書016「創世記」12

The Call of Abram
アブラムを呼ぶ声

GENESIS 12

Now the LORD said to Abram, “Go from your country and your kindred and your father’s house to the land that I will show you. And I will make of you a great nation, and I will bless you and make your name great, so that you will be a blessing. I will bless those who bless you, and him who dishonors you I will curse, and in you all the families of the earth shall be blessed.”
神はアブラムに言った「お前の土地、一族、父の家から離れて、私が示す土地へ行くがよい。そこで大きな国をなし、お前を祝福し、お前の名を高め、お前自身を祝福としよう。お前を祝福するものを私も祝福し、お前を貶めるものを私は呪おう、お前において、地上のすべての家系は祝福されるであろう」

【コメント】
ここまでの書きぶりで、アブラムが、アダムと(エノクと)ノアに次いで、神に愛されていることがうかがえる。たしか、アブラハムは有名人だよね。ここから国(nationをあるいは民族と訳す)になるくらいの始祖だという扱いですね。個人的感想をいうと、相変わらず神って好き嫌いが激しいよねと感じます。好きな子はとことん祝福し、呪う子はとことん呪ってきたよね今までも…

ちなみに改めてですが、「★直訳聖書」の訳し方は今のところ、キリスト教徒でも何でもない普通の日本人の筆者が、人生でなんとなく知ってる以上の知識の無い状態をあえて奇貨として、まず何も調べずに英語スタンダード版(ESV)の聖書を読んで直訳重視で日本語にします。そのあとで、日本語版のスタンダードと思われる「新共同訳」を見て、訳において気になった違いや、訳す過程で不明な固有名詞などを調べることもあればスルーすることもある感じで、とにかくできる限り先入観を無く訳して、それから一応のフォローアップをして投稿する、という流れにしてます今のところ。あと固有名詞も新共同訳に合わせてあります(アブラムは有名なアブラハムのことのようです、♪アブラハムには7人の子~の人です)

So Abram went, as the LORD had told him, and Lot went with him. Abram was seventy-five years old when he departed from Haran. And Abram took Sarai his wife, and Lot his brother’s son, and all their possessions that they had gathered, and the people that they had acquired in Haran, and they set out to go to the land of Canaan. When they came to the land of Canaan, Abram passed through the land to the place at Shechem, to the oak of Moreh. At that time the Canaanites were in the land. Then the LORD appeared to Abram and said, “To your offspring I will give this land.” So he built there an altar to the LORD, who had appeared to him. From there he moved to the hill country on the east of Bethel and pitched his tent, with Bethel on the west and Ai on the east. And there he built an altar to the LORD and called upon the name of the LORD. And Abram journeyed on, still going toward the Negeb.
アブラムは神の言ったとおりに行き、ロトも付いていった。ハラン(前回、父のテラが死んだ町)を出発したときにアブラムは75才だった。アブラムは、嫁のサライと甥のロトを連れて、持てる物すべて持って、ハランで得た人々を連れて、カナンの地へ向かった。カナンに入ると、シケムにあるモレのオーク(樫)の木まで来た。当時そこにはカナン人がいた。神が現れてアブラムに言った「お前の子孫に、この土地を与えよう」そこでアブラムは神への祭壇を建てた。そこからアブラムはベテルの東の丘陵地帯へ移動し、西にベテル、東にアイという場所にテントを張った(しばらく滞在した、という意味)。そこに祭壇を建て、神を称名した。さらに旅を続け、ネゲブの方へ行った

【コメント】
この段落からはいろんなことが分かった(気がする)
まず、前から予想で書いてたとおり、アダムから始まったとか
洪水でノアだけが生き残ったというのは
他の人間が一切いなかったのではなくて
この一神教の神を信じる人々の始祖がアダムであり、ノアであるだけで
他にはもちろん他の地域には他の民族?の人たちが住んでいた
(前にも触れたが、ノアから分かれた他の氏族もある)
という解釈を以前したのは、たぶん正しかったと思う
だから神の子であるアダムの家系が、他の民族の娘を魅力的と思って嫁にした、
という記述も成り立つのではないか説を、今回も改めて思った
その別の民族との混血がネフィリムで、だんだんと120才の寿命になる(はず
(なると宣言したくせに、いまだにまだなってないけどさ)

また神の子の家系らしく
以前もたしかカインが追放先で町を作ってたように
アブラムもハランで他の人々も巻き込んで、ある種のカリスマのように描かれている

いちおう軽く調べたけど
やっぱりベテルやアイやネゲブという地名も現在ははっきりしないらしいが
前回からの続きで、全体として現在のイランからイスラエルの方向に
ときどき宿営しながら、徐々に西へ移動している流れだと思う

しかしやっぱり他の土地にはすでに他の人間がいるに決まってる
一般の日本人の筆者にも有名なカナンという土地にも
きっともちろんすでに別の人たちが住んでいるわけで
神が「アブラムたちにやるよ」と言ったなんて主張は…
まあ、そういうことですよね
古事記の出雲の国譲りみたいなもんで
隣の家の人が急にピンポンしてきて
「うちにはまた子供が生まれて、7人兄弟になって狭いので
おたくの庭の半分もらいますね」と言ってきたようなもんで
素直に「なら仕方ないですね」なんて平和に譲るなんてあるかね
もう少し読んでから判断するが、普通ありえない
出雲は大和に滅ぼされて、冥界に閉じ込められたんじゃなかったっけ?
その祭壇が、当時たしか日本一の高さを誇った出雲大社でしたっけ
(出雲太郎と大和次郎の話?だったと思う)

あと、祭壇を建てたり、称名したりは前にもあったけど
神に捧げものをする儀式や、声に出してあるいは心の中で神に祈ることを指し
いわゆる現代でいう「宗教」的なものの始まりにあたる
とにかくこの神さんは、
二代目のカインとアベルのときからずっと
人間が神を敬うことをとても求めているのはもはや明らか
この感覚がずっとキリスト教にはあるのかもしれない

Abram and Sarai in Egypt
エジプトの、アブラムと嫁サライ

Now there was a famine in the land. So Abram went down to Egypt to sojourn there, for the famine was severe in the land. When he was about to enter Egypt, he said to Sarai his wife, “I know that you are a woman beautiful in appearance, and when the Egyptians see you, they will say, ‘This is his wife.’ Then they will kill me, but they will let you live. Say you are my sister, that it may go well with me because of you, and that my life may be spared for your sake.” When Abram entered Egypt, the Egyptians saw that the woman was very beautiful. And when the princes of Pharaoh saw her, they praised her to Pharaoh. And the woman was taken into Pharaoh’s house. And for her sake he dealt well with Abram; and he had sheep, oxen, male donkeys, male servants, female servants, female donkeys, and camels.
飢饉があって死にそうだったので、アブラムたちはエジプトに移動した。アブラムは嫁のサライに言った「お前はキレイやさかい、エジプト人はお前を見て人妻だということで俺を殺してお前だけを助けるに違いないわ。せやから、わしの妹ということにしてくれんか、そしたらうまくいって、わしも生きられる」。案の定、エジプト人はサライをビューティフルと思い、ファラオの王子たちもまたファラオに褒めそやしたので、宮殿に連れていかれた。そしてアブラムも助かり、しかも羊、牛、ロバ、奴隷、ラクダまで貰った

【コメント】
素敵な人道的教育を受けた現代人にはもしかしたら
どうして過去の人間はすぐに戦争するのかと
歴史の授業を受ければ受けるほど疑問を通り越して思考停止してしまいそうだが
まだ土地の所有権という概念も無いころ、
(というか土地にそもそも所有権があるというのは当然なのか)
こっちの家族は7人兄弟で、しかも日陰でじめじめしてて
みんな体調を崩していて、となりには日当たりの良くて
新鮮な川が流れているのに、老夫婦しかいなくて
ちょっとそっちの水とか土地を分けてもらえないかと相談しに行ったら
「え、なんで?」ってなったときに、
人はもしかしたら生きるか死ぬかと思ったときに、
弱い老夫婦を襲って、生き残った子孫が我々なのかもしれない
(というか生き残った子孫こそが我々である)
ちょっとだけ嫌なこと(不都合な真実)を書くと
他人を殺して生き残り、レイプして子孫を残した遺伝子が
残念ながら今まで残るホモサピエンスの遺伝子であるという科学的可能性と
人間は徐々に進歩して今の人道的な文明を徐々にだが作ってきたという信念は
なかなか未来を見通すことは難しい

別民族のエジプト人をある意味で蔑視しながら
あまり堂々としない手段でアブラムは難を逃れ
しかも超ラッキーに待遇された
これを本当の僥倖と捉えるのか、秘めた差別感情とするのか
(もうなんとなく予想つくけど…
それにしても、当時から?すでにエジプトではファラオなのね
つまり、流れてきたアブラム達よりすでに権威のある国家がそこにあったということです(歴史的事実に符合します
ただの飢饉からの流浪民が受け入れられて厚遇されたのに、と思う
つまり一度すでにイスラエル辺りにはもう来てるぽいですね
(カナンがイスラエルだとされていますし)

But the LORD afflicted Pharaoh and his house with great plagues because of Sarai, Abram’s wife. So Pharaoh called Abram and said, “What is this you have done to me? Why did you not tell me that she was your wife? Why did you say, ‘She is my sister,’ so that I took her for my wife? Now then, here is your wife; take her, and go.” And Pharaoh gave men orders concerning him, and they sent him away with his wife and all that he had.
しかし神はファラオとその家を疫病などで苦しませた、それはサライのせいで。ファラオはアブラムに言った「これは何? なんでサライはお前の嫁と言わなかった? なんで妹だと言った? だから嫁にしたのに。本当は嫁なんだから、連れて行って去ってくれ」ファラオは臣下に命じてアブラムたちを追放した

【コメント】
そりゃそうだよね(予想通りすぎて…
ファラオは嘘つかれただけで、かわいそう
それでアブラムたちを殺さずに追放するのは、むしろ優しいくらい
ちなみに、別の地域から一定数以上の人数が入ってくると
伝染病が媒介されたのは歴史上よくありました
新型コロナやインバウンドで改めて認識したようにね
それが不倫への神の怒りと思っても当時は仕方ないかも
しかしこのアダムの家系は、とことん問題を起こして追放されるよね(涙
次回第13章です
.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?