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FADO(宿命)を聴く〜浸透と安らかな救い〜

こんにちは。
すごく久しぶりにnoteを書くことにしました。

日曜日(4/7)、父母と共に彼らの知人の写真家さんの個展
「菊池和子写真展 PORTUGAL ー丘を風がわたっていくー」にうかがいました。

ポルトガルの街風景の写真を展示しており、その一つ一つから、人々の暮らしや、街の表情を垣間見ることができます。

私たちがお邪魔したのは、この個展の最終日。
14時からは個展会場で、ポルトガル民族歌謡「ファド(FADO)」のライブ&トークのイベントが開催されました。
ファディスタ(ファド歌手)のTAKUさんのギターと歌唱、
そして写真家菊池さんとのポルトガルについてのトーク。
演奏やお話を聴いているうちに、今度の夏にポルトガルに行きたいと思っている私は、ますますポルトガルという国とそこに暮らす人々の魅力を感じてみたい!という気持ちが強くなったのでした。

「FADO」とは、「運命・宿命」という意味。
ファドには、ポルトガル人特有の概念「サウダーデ(郷愁)」が染み込んでいます。
ファドは1820年代に生まれ、元々は、娼婦であり歌手でもある女性が歌っていたそうです。
19世紀中頃にリスボンのマリア・セヴェーラによって現在の地位を得たとのこと。
2011年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。

ファド歌いになることは「宿命」であり、神に選ばれたということ。
悲しみや苦しみを背負っていたとしても、そこから逃れることはできないが、
神に見捨てられることもない。
ファド歌いとは、そういう運命なのだそう。

悲しみや苦しみを背負ったファド歌いが歌うことで、
歌は、聴く人が抱いている悲しみや苦しみ、寂しさに浸透してゆき(共感)、
それらを拾っては癒してくれるような、安らかな救いとなるのかな…、
と感じました。

そんなことを考えていると、
ポルトガルに行ったことのない私の脳裏で、
土着で、人々の心に寄り添うような、
少しモワッとした空気感の酒場が広がっていきます。

日本人の私でも、ワインを傾けながらファドを聴いたら、
ポルトガルの「サウダーデ」の欠片を、感じられるかな。

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