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ゆたかな旅って、何だろう。|『イギリス式 年収200万円でゆたかに暮らす』

自分が海外暮らしをしていることもあって、海外暮らし系のエッセイが大好き。

なんとなくその国に行った気分になれるし、その国の人と友達になったような気がして、心の中で海外旅行ができる感じ◎

今回手に取ったのはイギリスからのエッセイ。自分が実際に暮らしたこともあるし、今まさにイギリスからきているお友達もいる環境だからこそ「分かるー!」がいっぱいで楽しかった。

びっくりするくらい質素なんだけど、自分のこだわりはしっかり貫いている感じがかっこいい。そんなイギリス暮らしの様子が垣間見れる一冊でした。

『イギリス式 年収200万円でゆたかに暮らす』を手に取ったワケ

イギリスの暮らしって、とっても質素。その辺に置いてあったから乾燥しちゃって固くなったパンとスープだけでも夜ご飯になっちゃう感じ。

でも、彼らがこだわるのは、家族みんなでお喋りしながら過ごす時間の方。

たとえパンとスープしか家になくても、そうだあの人を呼ぼうかと誘い合って、楽しいお喋りをしながら時間を過ごす。

決して「人を呼ぶから」とあれこれ準備しすぎることもなく、でも居心地の良い時間を楽しむことに重きを置く。

そんな心がゆたかな素敵な暮らしを見ていると、もっともっと彼らのことを知りたいなと思って、この一冊を手に取りました。

『イギリス式 年収200万円でゆたかに暮らす』からの学び

イギリスの人々は、ホリデーのために始末して暮らし、旅に出てもおみやげを買わず、食事や宿泊に散在しないため、年間、何度も旅行を楽しみ、そこそこの収入であっても長期海外旅行すらかなえてしまうのです。

井形慶子『イギリス式 年収200蔓延でゆたかに暮らす』(2013)講談社

イギリス人、だけじゃなく、ヨーロッパ系の方々を見ていると、とにかく動き回っている。

夏休みはどこかにバカンスに行くのが当たり前だし、クリスマスは実家に帰る。その実家というもの、夫婦それぞれ違う国だったりするからこそ、毎年違う国に行っていたりして、家を空けている期間がとても長い。

「いいなぁ」と思う一方で、どうやってその資金を捻出しているんだ?と思ってしまうこともあるんだけど。いくつか理由はあるにせよ、彼らの旅行が日本人の旅行と圧倒的に違うのは「〇日でいく、弾丸ツアー」というような盛沢山系のイベントではないという点。

比較的田舎にいって、毎日森の中を散策したり、川で泳いだりして、近くの市場で野菜を買って、パンと一緒にかじる。そんな「暮らし」のような旅をしていることが多い。

「旅行」というものの考え方をもう少し変えてみたら、私たちにも毎年の海外旅行が可能になるのかもしれないなぁ…。と、ポジティブになれた箇所。

我が家のまったりキャンプ旅行については、こちらから▼


『イギリス式 年収200万円でゆたかに暮らす』から取り入れたこと

旅が高価な代償を伴う遊びだとすれば、人は一生働き続けなければ旅することはできない。でも知らない町で友達をつくったり、専門家の話を聞かせてもらって新しい考えを知ることは、さほどお金もかからず、誰もが生涯楽しめることだ。

井形慶子『イギリス式 年収200蔓延でゆたかに暮らす』(2013)講談社

面白いことにルワンダに来てからというもの「お友達のお母さん」や「お友達のお父さん」と出会うことが増えた。なんなら、日本に住む自分の親よりも頻度良く会っている方もいて、我が子の成長も見守ってくれていて、もはや自分の「おじさん」くらいの感覚の人までいらっしゃる。

友達の家に遊びに行ったら、知らない方がゆったりと本を読んでいるなんてことも多く、「あ、この人は私のお父さんの友達で小さい頃からよくうちに遊びに来ていた〇〇さん」と紹介されることも。

「なになに、ルワンダに知り合いの娘がいるだなんて、会いに行ってみるか」というテンションで、知人やら親戚やらが遊びに来ているのに遭遇する。

旅行にいくぞというと人気スポットを調べて、ガイドブック(今どきはインスタなのかな)を読み漁って、どんなルートで効率よく回るかを考えがちな私たち。

イギリス人を始め、他のゆったり系バカンスを過ごす方々は「そこに行ったら誰に出会えるか」という方にフォーカスしている気がする。

旅行=どれだけのアクテビティをこなせるかと考えていると、高価な遊びになってしまう。

でも、旅行=だれに会えるか、どんな街でのんびり暮らしてみたいかと考えてみたら、もう少し手軽になるかもしれない。誰かを訪ねる系の旅、もう少しやっていきたいなぁ。

『イギリス式 年収200万円でゆたかに暮らす』をおすすめしたい方

日本人は家族のためにひたすら家の外でお金を稼ごうとする。けれど家族を思うイギリス人は、妻や子どもたちみんなで過ごせる時間を取り戻そうとするんだ。

井形慶子『イギリス式 年収200蔓延でゆたかに暮らす』(2013)講談社

そもそも働き方が違うんだよとか、周りの考え方が違うからとか色々言いたいことはあるかもしれない。

でも、やっぱり「いいなぁ」と感じてしまう、海外の方々のワークライフバランス。

いや、彼らはバランスさせようと思っていない。だってライフがめちゃくちゃ重要なんだから。どれだけワークを短縮できるかに注力している方々。

もちろん今すぐに自分のワークライフバランスを激変させるのは難しいかもしれない。

でも、こうやって考えて生きている人もいるんだよって知ることで、ちょっとずつ自分の中にタネを埋め込むというか、変化のキッカケみたいなのを取り入れられると思っていて。

そんなキッカケを求めている方に、ぴったりの一冊でした。

▼同じ著者による他の本も読んでみました。


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