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豊かな、クローゼット。

ルワンダという日本から離れた国に暮らして5年目。

冬物と夏物なんて概念がない暮らし。
加えて、買いたい服がまったくない暮らし。

数年前に日本から持ってきた、当時すでに数年着ていた服を(中には10年選手までいる)引き続き着ているという生活を続けている。

そんな中で、ちょっと嬉しいINが続いている。

第一子を妊娠した時は、周りに友達が一切いなかったから孤独だったけど、大二子を妊娠した今は、友達があれこれと世話を焼いてくれる。

「数年に渡った授乳生活から解放されたから、授乳ワンピ受け取って」
「わたしが臨月まで履いてたレギンスパンツがあるからあげるね」
「ちょっと色あせてるけど、マタニティパンツがあるからどうぞ」
「マタニティ用でもないけど、このワンピースあげるよ」

もともと服へのこだわりは低い方だった私は、服を買いに行くのが手間と感じるほどだったけれど、服の方から寄ってきてくれるようになった。

私のクローゼットに並んでいるのは、マタニティアイテムだけじゃない。

「スーツケースに入りきらなかったから、良かったら着てね。いらなかったら誰かにあげちゃっていいから」

と、ルワンダを離れる大好きなお姉さんから譲り受けたワンピースは、今も愛用している。

「前にかわいいって言ってくれたから、良かったら。お古だけど」

と、見るたびに気になっていたネックレスを、チェーンを新品のものに切り替えて譲りうけた。これもまた、彼女を思い出しながら楽しませてもらっている。

日本にいた時は、服は新しいものを買いに行くのが当たり前だと思っていた。

街を歩けば、雑誌をひらけば、ただの商店街だろうと、あちこちから「これが新作です~」とアピールしてきてたから、それもそのはず。

でも、買う先がない環境に身を置いてみたら、ますます服欲は下がった一方で、「譲り受ける」という方法が身についてきた

特に欧米系の方々の中には「Cloths Swapping(お洋服交換)」なんてイベントを開催して、友達同士で着なくなった服を交換している人もいる。

年齢を重ねたり、体型が変わったり、ライフスタイルが移り変わって、着なくなった服を、そのまま捨てる必要はないんだな。

こうやって、小さなところから、リサイクルなんて堅苦しい言葉じゃなくて「お裾分け」をしたり「譲り渡し」をしていく。

新しいものを買わなくても、友達の思い出効果もあって、グッとクローゼットが豊かになる気がする。

そんなミニマルな暮らしを、楽しんでいる、ルワンダ生活。


▼このエッセイnoteを始めた直後に書いた、私のクローゼットのお話。記事の中にある「お父さんに買ってもらったセーター」は、さすがにボロボロになってきた今日この頃。


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