おめでとうのカツアゲ

 最近すごく恐れていることがあります。それは正月に親戚の集まりに参加することです。
 先日親戚の伯母父の姉さんから、親戚のグループLINEに結婚式の写真が送られてきました。いとこが結婚したらしいです。いとこの結婚はもう今年で3人目で、おそらく、これで僕の父方のいとこは全員結婚したことになります。「おそらく」と言っているのは、情報が全く共有されていないからです。別に「一報を入れて欲しい」とは微塵も思っていなくて、「おめでとうございます」をカツアゲされるだけなのが嫌なだけです。
僕が高校に入学した時、親戚に会うたび「入学おめでとう」と言われてとても苦痛でした。大学に入学した時「入学おめでとう、受験お疲れ様」と言われてとても苦痛でした。どうせ思ってもないような定型文を並べられ、気を使われているだけな状況がすごく申し訳なくて、すごく苦しかったです。行動原理が「目の前にいるから言う」なだけな言葉を言われるのが嫌だから、僕も言いたく無いです。でも、言わないと「父親の教育がなってない」ということになり、それはもっともっと申し訳ないので、そこは自分の感情の方を何一つ厭わずに殺します。
 座卓でカスの「新婚さんいらっしゃい」をやらないといけないのもそれを見ないといけないのもどちらも癪です。だったら家で一人テレビ見させてくれよ、ラジオ聞かせてくれよ、って話なんですよ。
 夏に親戚の集まりに行った時もそうだったのですが、僕に結婚の話題を振られる機会が増えてきました。いとこが”おそらく”全員結婚した今、そう言う話題を振れるのが僕しかいなくなったんですね、多分。妹がいるにしても女子にはそういう話振りにくいんでしょうし。祖母が妹に「彼氏いるの?」みたいな話を振った時、伯母さんがそれを庇ってる姿をよく見たのですが、僕は庇ってもらったことないですけどね。一人で頑張って愛想笑いして、馬鹿みたいです。
 昨日見た夢の中で伯母さんに「〇〇は結婚しないの」とか「〇〇のこどもはこんな子に育ちそう」みたいなことを言われて、「そう言うの腹立つんでやめてください」って言ってしまいました。それを言ったら伯母さんが「〇〇ってそういうタイプなんだ」と切り捨てられました。目が覚めて本当に夢でよかったなと思います。でも、実際に聞かれたら自分が恋愛に関しての持論を展開しちゃいそうで怖いです。
 持論を展開したら信用がガタ落ちしそうですが、まぁ、展開してしまったらしてしまったでそんなの地雷を踏み抜いてきたバカが悪いですよね。

#203 おめでとうのカツアゲ

 

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