見出し画像

雑談バナシ②

 昨日のバイト中に暇な時間があり、その日バイトリーダーをしていた同学年の可愛らしい女性の先輩と雑談をする時間があった。この先輩とはシフトが一日も被っていないので、顔を合わせるタイミングはほぼない。別曜日にヘルプで入ったとしても、おおよそお互いの休み希望に組み込まれいるので本当に会うことがない。
 今週は偶然が重なって3日もシフトが被っていて、その2日目が昨日だった。
 偶然重なった3日の1日目の時、「少なくとも大学が始まってからは一回も会ってないな」となんとなく思った。その日はめちゃくちゃ忙しかったので会話に割く時間とかは特になかった。

 それを経た昨日、お客さんが凪くらい静かな時間があった。本当にする仕事がなくて、20分くらいサービスカウンターでしゃべっていた。レジを抜けてサービスカウンターへ戻るも、そこにいた先輩から特に振る仕事がなくて考えあぐねている雰囲気が分かった。無言になるくらいなら何か話をした方がいいよな、と思って色々考えていたら、「なんかめちゃくちゃ久しぶりじゃないですか?」と話題を振ってくれた。「ですよね〜」みたいな感じでぬるっと会話が始まった。
 学年が同じだとやはりインターンや就活、研究室とかの話になる。「数日前に対面のインターンシップに行った」という先輩の話をしばらく聞いて、自分の受けたインターンの話をちょろちょろして話してみたりもした。いい意味で話に長さがあると質問を考える時間が確保できるから幾許か会話がしやすいな〜、なんて呑気に考えられるくらいの余裕もあった。「エントリーシートに書くこととかあります?」「ないです」「ですよねぇ」「バイトのこととか書けばいいんじゃない?」なんてやりとりをした後「理系なんだし研究室とか卒研のこと書けばいいんじゃない」と言われた。コミュニケーション関係の研究室なので理系かどうかも怪しいし、先輩が想像してるような「実験」とかはない。そのようなことをちょろっと言った後、「コニュニケーション能力身につかないかな〜って下心で選んだんですけど、今のところ微妙な研究室です」というようなことをいったらそっちに話が移った。
 「人見知りとかするタイプですか?」と聞かれたので「めちゃくちゃします」と返した。

 話の流れ的にも雰囲気的にも聞くなら今しかない、と思ったので1つ先輩に質問してみた。「カウンターで暇を持て余す時間あるじゃないですか、そういう時ってやっぱり社員さんとか戻ってきたバイトの人と喋った方がいいですよね?」と。もうそろそろ本格的にバイトリーダーを任される雰囲気が社員さんから漂ってきているので、そこを先輩に聞いておきたかった。「絶対喋った方がいいですよ」と即答された。思い当たる節があったので「その内容ってなんでもいいんですかね?」と聞くと「なんでもいいと思いますよ」と返してくれた。僕は「家族、親しい友人、恋人以外の人とのコミュニケーションに情報交換の意図なんてない」と思いつつもなかなかそれで押しきれずにいたので心の中の何かが落ち着いた気がした。
 「さっきの『めちゃくちゃ久しぶりですね』って話あったじゃないですか、俺も言おうかどうか迷ったんですけど、ギリ気持ち悪いかなと思って言うのやめちゃったんですよね」と言ってみた。半ば「気持ち悪いとは思いませんよ」を言わせたような気もしますが、「間が持てばなんだっていい」という結論にようやく落ち着けた気がしました。

 そんな会話を経て先輩が「〇〇さんは結構喋ってくれる方ですよ」と言ってくれた。(これがお世辞でも今年一番嬉しいくらいには希薄な人間関係を生きてます。)思うところがあったのか、先輩が「ここのバイトの人全然喋ってくれないんで、ほんと、●曜とか地獄ですよ」と本音のようなものを漏らした。
 「内容なんてなんでもいい」に、ほのかに信憑性が生まれてくれました。即興で考えるのは無理だけど、手札を考えておくくらいのことをしておけば自分にも諸刃の剣ではあるけどコミュニケーション能力を身につけられる可能性があるような気がしました。

 それと、僕はずっと「自分が質問すること=自分が聞かれたいこと」という側面があると思っていました。僕が就活の話を他人に振るのに抵抗がある理由はこれもあるのですが、単純に「話すことがあるから間を持たせられる」という自信もあるのかもしれません。”最悪自分のことを話す”はなかなかに強いのかもしれません。そしてそれを自慢に聞こえさせない能力もできれば欲しいところではあります。


 兎にも角にも、個人的には昨日が今年で一番肩の力を抜いて雑談ができたんじゃないかなと思っています。


#317  雑談バナシ②

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?