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モバイルハウスからの卒業

どうも、荷台家族の夫しうんです。

これがモバイルハウスについて書く最後の記事になります。

モバイルハウスもう飽きた…。

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これまで自らモバイルハウスをつくり、モバイルハウス製作ワークショップを開催し、日本全国からDIYモバイルハウスが集まるキャンパーフェスを主催して、終いにはモバイルハウス協会を立ち上げて代表理事にも就任して気づいたら「モバイルハウスの人」みたいなポジションについちゃいましたが、モバイルハウスから卒業します。

2016年にモバイルハウスに出会ったおかげでたくさんのワクワクと試行錯誤と多くの仲間に巡り会うことができました。大工経験ゼロだった自分にでも動く小さな家をつくれたことが自信となり、そんな自分がワークショップを開催して同じようにモバイルハウスを作りたいと願っていた人たちとみんなで一緒にモバイルハウスをつくってさらにはお披露目会として、日本全国からDIYキャンパーの猛者たちが年にいちど長野安曇野に大集結するキャンパーフェスを主催しました。
今年で三回目を迎え初年度に22台、二年目は33台、そして今年は77台と年々盛り上がりを見せていて、日本で唯一DIYモバイルハウスが集まるフェスとして注目を集めるようになりました。

モバイルハウスをつくって、好きなときに、好きな場所で自由に暮らしたい。
そんな夢からはじまって何も経験がなくても情熱さえあればDIY(たぶんなんでも!)できることが自信につながり、さらに自分の経験を活かして同じような夢をもった人のお役にも立てて、日本全国にモバイルハウスの輪を広げることもできて満足してます。最近はモバイルハウスだけに限らず、海外でも流行してるバンライファー(バンタイプのモバイルハウス)と呼ばれる新しいライフスタイルを日本で実践する人たちも増えてきていて「時代の最先端をひた走る」不動産ならぬ可動産の新たな新時代を築くのに少しは貢献できたかなと自負してます。

モバイルハウスを新居に結婚して荷台夫婦となり、子どもが生まれて荷台家族になった現在は、今年の夏に不動産を買って住所不定モバイルハウス暮らしをついに抜け出しひとまず安曇野に定住しました。家族のかたちが変われば、住まいのかたちも自然と変わります。モバイルハウスに対する熱も自然と冷めました(笑)

モバイルハウスについて今だからこそ言えること

いままでモバイルハウスを広めるために、「好きなときに、好きな場所で、好きな人と暮らそう!」みたいなキャッチフレーズとともにモバイルハウスの理想ばかり書いたり語ってきましたがそれはモバイルハウスへの情熱があって、もっとモバイルハウスのことを世に広めたいというモチベーションがあってこそなせる技でした。自分にやれることをやり尽くしてモバイルハウスへの情熱がさめた今だからこそ、これまでの体験と経験をもとに冷静な視点で現実的にモバイルハウスのいいところも、わるいところもニュートラルに伝えられるかなと思って書いてます。

最近ツイッターでモバイルハウスつくったけど実はDIY好きじゃないことをつぶやきましたが、モバイルハウスをつくって旅してみて、ぼく自身はつくづくモバイルハウス暮らし向きではなかったことを正直に告白しておきます。

実はモバイルハウスをつくろうと思い立ったとき運転免許すら持っていませんでした。なので、まずは運転免許をとる合宿に参加するところからはじめたわけですが、いざモバイルハウスが完成して車での旅暮らしをしてみると、自分は長時間の車の運転が好きじゃないことが分かりました。移動で疲れてしまい、旅してるのに旅先で荷台に引きこもることもしばしばありました。どこでもドアみたいにどこにいっても、いつでもすぐ家に帰れることには大変ありがたみを感じてましたが、毎晩のパーキング(車中泊)探しもめんどくさいし、そもそもアウトドア派じゃなくてインドア派な自分にとって移動しつづける暮らしは酷なものにもなり得ました。

不幸中の幸いなのか、夫婦でモバイルハウス旅をはじめた矢先に横転事故に遭遇してしまい、その流れで能登の限界集落に移住してゆんゆん号を3ヶ月かけて直してる最中にこんどは妊娠が発覚して、けっきょく実際に夫婦でモバイルハウスに住んで暮らしたのは1、2ヶ月程度の短い期間でした。

わたしたち夫婦はモバイルハウスで日本一周したいとかじゃなく、ただ気ままに行きたいときに、会いたい人に会いにいって気軽にお泊りできる相棒としてモバイルハウスを活用してました。

モバイルハウスに住うこれまでとこれからのこと

もし仮に一年中モバイルハウスに暮らすとなると色々と問題がでてきます。旅しながら移動しつづける場合は毎晩パーキングスポットを決めなきゃいけません。さらに死活問題として住所不定で動きまわるのでゴミをちゃんと捨てれません。住所を持たない荷台暮らしででた家庭のゴミを地域のゴミステーションには捨てれないので、仕方なく悪いとは思いつつもコンビニに捨てたり、道の駅のゴミ箱に捨てたりしてました。お金を出せばRVパークやキャンプ場でゴミは捨てれますが、その分お泊まり代がかかって結局は移動費としてガソリン代の他に固定費が高くつくことになって家賃がかからない可動産が不動産に代わる安価な住まい方とは言いきれません。

今はまだ大々的には問題になってませんが、これからさらに可動産に住む人たちが増えていけば社会問題にもなりかねます。いま巷では無料で施設や駐車場を長期利用して車中泊しながらあちこち転々とする車中泊民に対して車中泊お断りする道の駅が増えている一方で、オルタナティブで移動可能な新しい住まい方のライフスタイルをサポートするサービスや拠点のような場所が今後増えてくると思います。

モバイルハウスが集まって暮らせるキャンプ場のような場所(モバイルハウスビレッジ)ができたり、Carstayというベンチャー企業が提供するVanlifeステーション(Airbnbの車中泊版)が日本各地に広がりを見せているのでモバイルハウスを住まいとして、旅するように暮らすライフスタイルがもっと快適になる環境が日本国内でより整っていくと思われます。

モバイルハウスよ、ありがとう

モバイルハウスに出会って確かにぼくの人生は大きく変わったと言いきれます。

モバイルハウスに出会えて、そしてモバイルハウスを通して人生をより自由に、より自分らしくDIYして楽しもうとする多くの仲間たちに巡り会わせてくれたことに感謝してます。ありがとう

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人生はもっと自由だ。

モバイルハウス【完】


生きる実験はつづく