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[後編]BlackMagicDesign製品を駆使してeスポーツライブ配信

引き続き、グランツーリスモ7のeスポーツ大会をライブ配信する際に機器構成をBlackMagicDesign(BMD)製品にこだわってライブ配信を行うことをテーマにした時の事例を紹介します。
今回の事例は、地元のテレビ局からの依頼で、配信・映像管理が私で、カメラ・音響が別会社、ゲーム管理がテレビ局というコラボで行いました。
その際に構成した機器をご紹介します。前編・後編に分けてのご紹介です。

前編は、主にラックマウントして構成した機器をご紹介しました。

後編は、PlayStation5を使って配信した際のゲーム周りの機器構成のご紹介をします。

eスポーツライブ配信準備中!

PlayStation5をスイッチャーに取り込むためには「HDCP」を理解する。

HDCPとは、High-Bandwidth Digital Content Protection」の略で、CPUで有名なIntel社が開発した暗号化技術のようで、再生機器とディスプレイの両方が対応していないと、画質が低下したりそもそも映らなくなったりする著作権付きの映像や音声情報を保護します。
さらにHDCPはケーブルも対応している必要がありますが、国内ブランドのHDMIケーブルならほとんど対応しているようです。

PlayStationのゲームは、自由に配信していいものではない

いろいろなゲームタイトルがありますが、なんでもかんでも自由に配信していいもではありません。ゲームタイトルごとにガイドラインが準備されていて、しっかりルールを守る必要があります。

HDCPを解除しないとスイッチャーには取り込めない。

PlayStationのゲーム画面をスイッチャーに取り込もうとするとそのままでは取り込めない場合が多いです。その多くは、HDCPによる保護機能が働くためです。
今回使用したスイッチャーは、ATEM Mini extreme ISO。

ATEMシリーズは、HDCP制限のかかった映像を取り込むことができないため、PlayStation側でHDCPを無効にする必要がありました。
無効の仕方は、以下を参照させていただきました。

基本的には、PlayStationの設定>システム>HDMI>HDCP無効でできます!
いったん、テレビに映して、無効にしてからスイッチャーに取り込めばOKです。
ちなみに、Roland VR-6HDは、スイッチャー本体にHDCP対応機能がついていて、その機能を有効にすれば、取り込めます。

ATEM のAFV(Audio Follows Video)機能

この機能は、スイッチングした際に映像と一緒に音声も切り替える機能です。
Rolandのほうが簡単といえば簡単ですが、設定がやや面倒くさく、ゲームスイッチングは、別の担当者が行うので、できるだけ簡単にしたい。。。
今回、ATEM Mini extreme ISOを選んだ理由は、AFV(Audio Follows Video)機能を使って、StreamDeckでsupersourceを使って、簡単にボタンで切り替えるということをしたかったためです。
グランツーリスモ7のゲームスイッチングは、キーボードでスイッチングするため、できるだけ簡単に切り替えられるようにしました。

AFVボタンをON!

見せたいゲーム機をスイッチングするだけで、そのソースの音声も一緒に流れてくれます。切替は、StreamDeckなので、本体はさわりませんがw
この機能があれば、音の取り出しや画面合成がかなり楽になります。

ゲーム周りの簡易構成図

ATEM Mini extremeのsupersourceでDiscordとゲーム画面を合成し、いかにもeスポーツ!のような画面が出したい放題でしたw
音声を分配しているのは、メインミキサーに音をすべて集めて、ゲームに関係ない時に音声が配信に乗らないようにするためです。

グランツーリスモ7のキーボードスイッチングが面白いw

PlayStationは、USBポートにPCキーボードを挿すと、文字入力等ができます。グランツーリスモ7では、キーをつかって視点の切り替えがでるんですが、これが面白かったです!

主な対応キー

1~0・・・1位~10位の車を切替
G・・・リプレイカメラ(バリアブル)
H・・・リプレイカメラ(スタンダード)
J・・・ノーマルビュー
K・・・ボンネットビュー
L・・・チェイスビュー(俯瞰視点)

このキーを駆使して、カーレースっぽいスイッチングを行いますが、押したら切り替わってしまうので、PlayStation1台ですべてをまかなうには酷。。。ということで、複数台のPlayStationでキーボードスイッチングをして、最終的にATEM Mini extremeでメインスイッチャーに送りました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回やってみて、eスポーツライブ配信を行う際には、配信機器の知識だけでなく、PlayStationの機能やレギュレーションも知らないとなかなか難しいことがわかりました。
それとは逆にローカルルールを定めて、ちゃんと申請さえすれば、気軽に大会が開けるという楽しさが体験できてとてもよかったです!
eスポーツ配信を行う際に、今回の記事が皆さんの一助になればうれしいです!

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