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EGOISTに人生を作って貰ったよ。

2023年8月26日、EGOISTが同年10月9日の横浜ライブをもって活動終了することを発表した。

解散自体に僕がどうこう言った所で野暮なだけだ。EGOISTの方々がそう決めた以上、僕は手を振って見送るだけだ。だからとても悲しいし、残念だが、あるのは「今までありがとう」という感謝の思いだけである。

さて今回の記事では、僕の人生と音楽におけるEGOISTとの関わりを書きたいと思う。というのもEGOISTの解散を聞いてからこのグループに関する思い出を振り返ってみると、僕自身の音楽史はEGOISTから始まっていることに気づいてしまったからだ。

だからそれを書くことでEGOISTに感謝の思いが少しでも伝わればと思う。

(10月9日のラストライブ、オンラインで参加させて頂きます!)


EGOISTとの出会い

僕が初めてEGOISTと出会ったのは、中学生の頃に見た「ギルティクラウン」だ。僕は小学6年生頃から本格的に深夜アニメを見るようになったのだが、当時見ていたのは「ゼロの使い魔」や「ハヤテの如く」といったいわゆる萌えアニメが中心だった。

だからこそ、思春期に見るギルティクラウンに心を鷲掴みにされた。今まで見てきたアニメとは違う、頭身が高くてスラっとしたキャラクターデザイン・慈悲のないままに進んでいく残酷ながらも美しいストーリー。ハヤテの如くのクラウスがアニメの中で最もスタイリッシュなキャラだった僕は瞬く間に魅了された。

そしてギルティクラウンで最も大きな衝撃を受けたのが音楽面である。アニメ史に残る名曲である「The everlasting guilty crown」と、ギルティクラウンの空気感を象徴する「Departures ~あなたにおくるアイの歌~」を初めとする素晴らしい楽曲群。さらには「アニメ中のキャラが歌を歌っている」という事実が、思春期の僕をさらにギルティクラウンにのめりこませた。その頃は学校にギルティクラウンの下敷きを持って行ったり、財布にメタルキーホルダーをつけたりしていた記憶がある。

特に僕のお気に入りの曲だったのは前期OPの「My Dearest」である。悲しい事にこの曲は他の人にはあまり印象の薄い曲らしく、説明する時には毎回「あれだよ! いのりがHOT LIMITのポーズを取りながら始まるやつ!」と言わなければいけない。もしこの説明で思い出した人がいるなら君は反省しよう。

音楽用語に明るくないので抽象的な感想が多くなるが、My Dearestは僕に新たな音楽を感じ取る器官を作ってくれた曲なのだ。儚さと勢いが同居したあの雰囲気は「音楽で気持ちよくなる快感」を僕に初めて教えてくれた。特にCメロとラスサビが大好きで、未だに無性に聞きたくなる時がある。

Extra terrestrial Biological Entitiesについて

そしてギルティクラウンを完走した僕は深刻なEGOIST不足に陥ることになる。「いのりに会いたい!」「いのりの声が聴きたい!」そんな思いを悶々と抱え込む少年期の僕の耳に、あるアルバムの存在が届いた。

それが「Extra terrestrial Biological Entities」である。EGOISTのファーストアルバムである本アルバムは、当時の僕にとってまさに福音だった。アニメ内よりもさらに現実へと拡張された、楪いのりというキャラクター。そのいのりが歌う楽曲の数々。一人の中学生を狂わせるには十分である。また、このアルバムは「アルバムは初めから最後まで通して聴くもの」という僕の視聴スタイルを作ってくれたりと、単なる一つのアルバムだけでなく、今の僕にも残してくれたものが非常に多いアルバムだった。

ちなみにExtra terrestrial Biological Entitiesから一曲選ぶなら迷いなく「Planets」を選ぶ。かつてのインタビューで楽曲担当のryoさんはEGOISTについてこう語っていた。

「いのりちゃんというキャラクターが思念体みたいなものになって、別の世界へ(『ギルティクラウン』の主人公である)集くんを探しに行く、みたいなイメージです。」

僕は、Planetsがこのイメージを一番表現している曲であると思っている。前奏のモールス信号や、いのりが集をずっと探していることを想起させる歌詞など、まさにEGOISTを象徴する一曲である。

EGOISTと僕の人生その①

さらにEGOISTは、僕の音楽史で一人目のアーティストであった。

現在大学生である僕はMr.Childrenや羊文学、BUMP OF CHIKEN、アジカンといった辺りの曲が大好きなのだが、その根っこには「EGOISTから始まったボカロへの興味」がある。

順を追って説明しよう。EGOISTを知った当時の僕はryoさん繋がりで、あるボカロ曲を知ることになる。それが「メルト」である。ボカロ史をたどっていくと必ずと言っていいほど出てくるこの名曲にまたもや僕は衝撃を受けた。メルトの後も多くのボカロを聞くことになるのだが、僕にとってボカロの原体験はメルトなのである。

もうこうなると止まらない。Youtubeで手当たり次第にボカロ曲を聞きまくった。ちなみに印象深い曲には「当時爆発的に流行していた「千本桜」や高音厨テスト」、「マトリョーシカ」、「6兆年と一夜物語」がある。その流れでHoneyWorksにも出会い、ますますボカロ沼にハマっていった。

EGOISTと僕の人生その②

そんなこんやで曲を漁っていると「メルト」以来の衝撃が再び訪れる。同じryoさんの代表曲である「君の知らない物語」である。そして君の知らない物語との出会いが、まだライトアニメオタクだった僕をヘビーアニメオタクにする一押しになった。皆さんご存じの通り、君の知らない物語はアニメ「化物語」のEDである。しかし、僕がこの曲に出会ったのは当時Youtubeでボカロを漁っている時に偶然発見したことが理由だった。だから、僕は軽い気持ちで化物語に手を出したのだが、これが良くなかった。なぜ良くなかったかは、中学生の頃に物語シリーズを見た気持ちになって考えてみて欲しい。

そこからは早かった。さくら荘のペットな彼女・とらドラ!・変猫・SAO・狼と香辛料・Charlotte・ノゲノラ・マギ・まよチキ!・俺妹など数多くのアニメを見るようになり、僕は立派なアニメオタクへと成ったのだ。

EGOISTと僕の人生その③

少し話がずれたので、音楽に話を戻そう。このような経緯があって、中高生の僕は基本的にボカロ・アニソンを中心に聞いていた。ボカロ・アニソン以外にはback numberやスキマスイッチ・コブクロなどの人気邦楽を聞いたりしていたが、印象的な音楽体験で言うと圧倒的にボカロ・アニソンが多い。その大きな要因がバンドリである。

丁度僕が高校生に上がったタイミングでバンドリという音ゲーがリリースされた。バンドリは過去の人気アニソンやボカロ曲を音ゲーとしてプレイできるゲームのため、これまで聞いてきた曲を楽しんだり、今まで知らなかった曲に出会うことが出来た。バンドリのおかげでUNISON SQUARW GARDENやOrangestarといったアーティストを知り、さらに見たことのないアニメを見る事も出来た。

だが、バンドリが僕に与えた物で一番大きかったのは「アニメやゲームで人と繋がる経験」である。高校生の僕はバンドリの対戦モードやイベントを友人達とプレイしたり、カラオケでバンドリで知ったアニソンを歌ったりしていた。高校生の記憶は今も眩しいほど輝いているし、忘れられない思い出だ。このようにアニソン・ボカロは単なる曲の視聴だけでなく、曲を介しての思い出や体験を僕に与えてくれた。

だから僕の中高の音楽体験はアニソン・ボカロが中心だったし、大学の音楽体験もアニソン・ボカロから派生したものになっている。

EGOISTと僕の人生その④

少し前に、現在大学生である僕はミスチル・羊文学・バンプ・アジカンが好きと述べていたが、それぞれのバンドはアニメやゲームから存在を知り、好きになっていたのだ。ちなみにミスチルは「バケモノの子」、羊文学は「平家物語」、バンプは「ポケモン」、アジカンは「ぼっちざろっく」である。

大学生になって資金力を得た僕は、ミスチルで初めてライブを体験して「音楽ってこんなに凄いパワーがあるのか」と感動したり、Apple musicに加入してoasisやキタタニタツヤ、サカナクション、RADWIMPSなどのここに書けなかった沢山のアーティストに出会うことが出来た。

最後に

その全てのアーティストに心を動かされ、僕の人生が彩られてきた。多分だが、これからもそうだろう。まだまだ聴いていない音楽は山ほどあるし、年齢を重ねれば見方が変わる曲もある。僕はこの先も音楽を楽しむことが出来るのだ。なんだかそれだけで、どれだけ辛い事があっても生きていける気がする。

そしてそんな僕の人生はEGOISTと出会ったことから始まっている。EGOISTに出会ったからこそ、ボカロに出会い、アニメに出会い、友人達に出会えたのだ。

ありがとう、いのり! 
ありがとう、ryo! 
ありがとう、chelly!
ありがとう、EGOIST!

12年間お疲れ様でした!!!!!!!

ラストライブ楽しみにしてます!!!!!!


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