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3メガバンクの純利益3兆円

3メガバンクの2024年3月期連結決算は、合計の純利益が前の期比約2割増の3兆円程度となったもようだ。05年度に現在の3メガバンク体制が発足して以降の最高益を更新したとのこと。

要約文

2024年3月期の日本の3大メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友FG、みずほFG)の合計純利益は、前年比約20%増の3兆円となり、2005年の現体制発足以来の最高益を更新しました。この増益は、海外での利ざや拡大と国内経済の底堅さ、企業の資金需要の増加によるものです。

また、米金利の上昇や円安が海外事業の収益を押し上げ、M&A活動の活発化も資金需要を支えました。日本銀行がマイナス金利政策を解除したことで、今後、国内の貸出金利の上昇が銀行業績にさらなる好影響を及ぼす見込みです。

日経新聞の図引用

3メガバンク賃上げ率、合併後最大

2024年の春季労使交渉で、日本の3大メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)は合併後最大の賃上げを実施しました。この賃上げは、デジタル人材などの採用競争が激しくなる中、若手社員への給与を手厚くすることで採用力を強化する狙いがあります。例えば、三菱UFJ銀行では総支払額で3.4%の賃上げを行い、実質的には平均8.5%以上の賃上げとなりました。これは合併以来、そして1990年以来の最大の賃上げです。他の大手金融機関も同様の賃上げを行い、特に若手社員に対しては給与や初任給の引き上げが行われました。この動きは、採用市場での競争力を高めるため、及び業界全体の人材獲得戦略としての一環です。

銀行業の復調の理由と今後の展望

銀行業の将来が一時期厳しいとされた主な理由は、長引く低金利環境とデジタル化の遅れによるものでした。低金利は利ざや(貸出金利と預金金利の差)を縮小させ、銀行の伝統的な収益源を減少させました。また、フィンテックの台頭による競争激化や、顧客の行動様式の変化も銀行業に新たな課題をもたらしました。

最近の銀行業の復調は、以下の要因によるものです:

1. **金利の上昇**:特にアメリカを中心に金利が上昇し始めたことで、海外事業を持つ日本のメガバンクなどは利ざやの拡大を経験しました。

2. **デジタル化の進展**:オンラインバンキングやアプリの利用拡大に伴い、銀行はデジタルトランスフォーメーションを加速させ、顧客体験の向上や効率化を実現しています。

3. **コスト削減**:不採算の店舗の統合やリストラを進めることで、運営コストを削減しています。

4. **多様な収益源の確保**:資産運用、保険、不動産投資、M&Aアドバイザリーなど、従来の貸出以外のビジネスを強化しています。

今後の展望として、以下の点が予測されます:

- **金利の正常化**:金利が正常化するにつれて、国内外の利ざや改善が期待されますが、金利上昇は融資需要に悪影響を及ぼす可能性もあるため、バランスが問題となります。

- **デジタルトランスフォーメーションの深化**:AIやブロックチェーンなどの技術を活用した新サービスの提供が進むことで、顧客サービスのさらなる向上と効率化が進むでしょう。

- **持続可能な金融の拡大**:ESG投資の高まりとともに、持続可能なプロジェクトへの投融資が増加する可能性があります。

- **国際展開の加速**:アジアを中心に新興市場への進出を強化することで、成長機会を追求する動きが見られるでしょう。

これらの要因により、銀行業の未来は一定の挑戦はあるものの、変化に適応し続けることで新たな成長機会を見出すことができると考えられます。

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