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お寺の掲示板 【No.32/柊原のお寺・真宗寺/2023.10月】

読書の秋 文化の秋
     寺参りの秋 聞法の秋


「読書の秋」の由来を知っていますか?

そもそも秋は気温が穏やかで活動しやすく、集中力も持続しやすい季節で、夜が長く一人静かに過ごせる時間も増えて、読書もはかどる時季です。

加えて、秋には「読書週間」があります。
「読書週間」は、アメリカの「チルドレンズ・ブック・ウィーク」という、子供たちに本に親しんでもらおうという運動を参考に、「読書の力によって平和な文化国家を作ろう」と、戦後1947年に始まりました。

更に明治時代まで遡れば、夏目漱石の『三四郎』に「燈火親しむべし」という一文があります。「秋になると涼しくなり、夜も長くなって、明かりの下で読書するのに適している」という意味だそうです。

さて、親鸞の最晩年の著作『正像末和讃(しょうぞうまつわさん)』に、「無明長夜(むみょうじょうや)の燈炬(とうこ)なり」という一節があります。暗く長い夜の如き世の中で、悲しみの人生の中で、そんな私をこそ照らす大きな燈(ともしび)があると詠われているのです。

秋の砌。本をめくって夜に憩うように、一炷の燈を求めて、光り輝く言葉との出会いを願って、お寺に参ってみませんか?


さて、今回は、「推し短歌」ってタグを見つけて、「推してる短歌」を紹介するだと思って、掲示板シリーズと紐付けて地元の歌を紹介しようと、ちょっと以下の文を書いてみたんですね。

けど、書き終わってからよく見たら、「推しについての短歌」を募集してたんですよね…。
私は阿ほうです…。

だから、「推してる短歌」も「推しについての短歌」も載せちゃいました😂!!

私の推しは「仏教」です。仏教の中の、親鸞担当です😂同担歓迎です。御同朋、御同行、御同担。



鹿児島県垂水市に遺る『奉納和歌』から秋の歌をひとつ紹介します。

編者は藤原親俊(1837(文政8)生/※本姓 川上親俊、川上忠實の末裔)で、1868(慶応4)年8月に地元の住吉宮に奉納されました。
幕末の動乱を時代背景として、国の安寧をあわせて祈りながら、四季それぞれの美しい歌が詠まれています。その中の秋の歌に、「乞巧奠(きこうでん)」と題された一首があります。

乞巧奠

光をも かかげ添えつつ 星合の
空に手向くる 庭のともし火

※「きっこうでん」ともいう。七夕(たなばた)祭の原型で、7月7日の行事。牽牛(けんぎゅう)・織女(しょくじょ)の二星が天の川を渡って1年一度の逢瀬(おうせ)を楽しむ、という伝説が中国から伝わり、わが国の棚機(たなばた)姫の信仰と結合して、女子が機織(はたおり)など手芸が上達することを願う祭になった。『万葉集』に数首歌われているが、持統(じとう)天皇(在位686~697)のころから行われたことは明らかである。平安時代には、宮中をはじめ貴族の家でも行われた。宮中では清涼殿の庭に机を置き、灯明を立てて供物を供え、終夜香をたき、天皇は庭の倚子(いし)に出御し、二星会合を祈ったという。貴族の邸(やしき)では、二星会合と裁縫や詩歌、染織など、技芸が巧みになるようにとの願いを梶(かじ)の葉に書きとどめたことなども『平家物語』にみえる。

コトバンク


地縁にも導かれながら、詩情深き季節、さまざまなことに思いを馳せてみてはいかがでしょう。


以下から、応募の自分の短歌です。

秋冷えに
鼻先の熱を
知るように
無明長夜に
ともる法門
念仏は末法が旬だがね
七夕は秋の季語だって
意外かも知れないが
君も只今が熟れどきだよ
秋風の 吹くがごとくに 厳しくも 
律(りち)の調べの 親鸞の偈(うた)

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