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コネなしポスドク就活記④ オンライン面接編

僕は国内で博士号を取得し、現在は北欧でポスドクをしています。
コネなしで海外ポスドクの就活をした経験を記録に残しておこうと思います。

あくまで僕の体験であり、n=1での話であるということを記憶にとどめながら見ていただけると幸いです。また、僕の経験はヨーロッパ、とくに北欧に限ります。さらに言うと、生命科学系のウェット系の経験談です。他の地域、分野のことは詳しくないのであしからず。


返事が来た

僕はヨーロッパの5つのラボにコンタクトしました。3つのラボは新しいポスドクの公募をしていました。

博士3年の11-12月頃に順次メールを出し、正月明けには返事が出そろいました。5つ中4つのラボから返事がありました。

返事が合ったうち、3つはフルグラント (給料は教授持ち)で、1つは自分でフェローシップ (給料) を取る必要がありました。

博士修了が数か月後に迫っているなど時間的都合から、フルグラントで雇ってくれる3つのラボと面接をすることにしました。

まずはzoomでオンライン面接をしました。
1月初めに博論審査会があったため、その翌週に全ラボの面接をすることになりました。

オンライン面接

結果から言うと、3つのすべてのラボからぜひ現地に来てほしいということを言われました。今後のラボの方向性などを踏まえたうえで、自分の中でイメージが合致していた2つのラボに面接に行くことにしました。以下、その2つのラボ (フィンランドのAラボ、スイスのBラボ) のオンライン面接の様子を紹介します

面接の日程調整

面接の打診があってからオンライン面接の日程が決まるまではスムーズでした。

片方のラボはオンライン上の日程調節システムで日程が決まり、もう片方は具体的な日時をあちらから提示してくる形でした。

ほぼすべての過程において重要なことなのですが、あまり細かいことや気遣いに気を使う必要はないです。自分の場合、博論審査会などで切羽詰まっていた週はきちんと主張をすれば日程から外してもらえました。

面接準備

片方のラボは45分ほどの面接時間で、特に内容も用意することも指定されませんでした。PIがどんな人か分かればいいかあ位の気持ちで臨みました。

もう片方のラボは、全部で4時間くらいでした。
・博士課程での研究紹介&質疑応答: 1.5時間
・教授との個人面接: 1.5時間
・研究室メンバー全員対自分のおしゃべり: 1時間

博論審査が近かったので、そのスライドをもとにスライドを作りました。
気を付けたのは以下2点でしょうか。

①流れを意識する
どんな発表でもそうですね。ただ、面接は自分を知ってもらうために行うものです。背景知識、科学的・社会的意義のほかに自分のオリジナルの着眼点を強調しました。結果やまとめのスライドも、研究の何がオリジナル (自分のこだわりポイント) かを理解してもらえるような流れにしました。

②自分のサイエンスを見せる
面接を聞いている人は、候補者のサイエンスがどんなものかを知りたがっています。研究のとっかかりはオリジナルが光るポイントですが、トラブルシューティングへの考察や対応もオリジナルが発揮されるところであり、その人のこだわりが出るところです。候補者が何を考えて研究をしているかが分かるような発表を心掛けました。

PIや研究室メンバーと話すにあたって、あまり深いことは考えませんでした。お互いに初見なので、自分が何者なのか知ってもらうこと、そして研究室は自分が働きたい場所であるかを念頭に臨みました

面接の様子

特に何も指示されなかった方のPIは、雑談から始まりサイエンスに関係あるなしに雑多な話をしました。自分の専門分野が欲しい人材と特に一致しているので現地に来てほしいこと、研究室の財政状況が良いから設備を見に来てほしいことなど言われました。

研究紹介をした方ですが、こちらも楽しく話すことができました。
感想などは、もう一方のラボでの現地面接の時に詳しく書こうと思います。

面接を終えて

どちらのPIからも言われたことは、PIが欲しい人材の専門分野が特に一致しているから面接をしたいと思ったということです。

志望動機書やCVには自分がどの学術分野から来た人でどんな武器があるのか、将来ポスドクを終えて目指すものがどんなものなのでどんな学際性があるかを明記するべきです。
そして、ポスドクで身に付けたい武器は何であり、それはどのようにすでに持っている武器と結びついてゴールへ向かっていくのかも明快にするべきです。

これらをイメージさせ、面白そうだと思ってもらえることが書面でも口頭でも必要なんだなあと感じました。

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